遙かなる透明という幻影の言語を尋ねて彷徨う。

現代詩および短詩系文学(短歌・俳句)を尋ねて。〔言葉〕まかせの〔脚〕まかせ!非日常の風に吹かれる旅の果てまで。

現代詩「あの沼まで」

2010-11-17 | 現代詩作品
あの沼まで



沼はうっすらと水を湛えて
魔法に沈んでいる
水鳥の足跡が僅かに残っているあたりから
見えない地下への階段があることを
暗示していて、その深さも
行きつく先も
想像するしかないのだけれど
沼のほとりから
いまだにかえらないひとがいることも
事実だった


ロンドンの地下鉄
ピカデリー線サーカス駅の階段は
どこまで行っても
乗車口に着かないほどの
深い沼だった
不確かな記憶には
やさしい朝の陽射しもとどかず
沼のほとりに立って
永遠に届かない
あしたの光!
を、
待つのは鼠か(いや帰れない「父」ではないか)




*素晴らしい晩秋・初冬の朝です。
太陽が眩しくてりかえして二階の書斎にいると眩しすぎます。
こんな日もそう長くは続かないでしょう。ここから見える
遠くの山はまだ雪にうもれていないようで薄紫に烟ってみえます。



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