絵描きに作画を依頼し、キャンセルしたと言う話。
それを元に書きます。
………
絵を絵描きに依頼することは
・・・企業に於ける『発注契約書』と同じである。
あるいは、それ以上の重みのある事です。
つまり、人間と人間の間の尊厳を守るか否か。と言う精神を含めて、重いことです。
『絵を描いてください。』という言葉だけでの約束も又・・
【金銭取引と同様の重みを持った・・約束(契約)です。】
・
その事は多くの人が理解しているから
好きな絵描きさんの原画を欲しくても、版画、ポスターなどで我慢する。
絵描きも人間、創作能力に、あるいは供給能力に限界があるから・・
人気作家の絵の価格は高くなる。
・
そんなことから、
絵描きに絵を注文する勇気は・中々出来ないものです。更に、出来上がった絵に対するクレームも難しい。
それもあって、画商の存在意義があるところです。
・
但し、
直接、画家に絵を依頼するような場合は、絵描きの実力を知った上での事になりますから、
絵を注文する事は・・・まさに人間関係を含めた契約になるわけです。
・
文面にして書くと上記のようになりますが
我々の普段の生活には、こういう約束事が多々あって、自然に口約束を守る事で社会が成り立っています。
然しながら、一人の創造者から生まれる原画作品は、チョッピリ高値の華。という感覚も又あります。
絵は生活品と違う。という感覚も大きいです。
が、
実は生活品も、趣向品も、芸術品も・・・同じです。
社会は約束(契約)の上で成り立っています。
・
そんな事柄を重々知りながら・・
絵は別だ!とばかりに、約束違反を犯す人もいます。
絵描きは特別とばかり、心では自身より下に見ているのでしょうか?
絵を注文し、絵描きに苦労させた挙句・今は買えない。と、言い出します。
結局、
素直にキャンセルとは言わずに、「誰か買い手を捜す。」とも言い訳します。
自分が注文した事を忘れているのでしょうか?
少なくとも、作業に入る前の早い時期にキャンセルを言いましょう。
絵描きは、注文主の為に描くのですから・・当然、対価を求めるでしょう。
・
つまる処、こういう人にはNOを突きつけます。
絵を描く作業がどんな事か・・・自分の身に置き換えられない人です。
作業に掛かった・・時間経費、資料、材料代も考えない・・
余程、甘い環境に育ったのでしょう。
こういった人の為に、画家本人のみならず、周りも迷惑を受けます。
ご家族なり紹介者です。
注文作品を描く時、絵描きの神経は相当敏感になる事を知って欲しいです。
・
実は、今迄書いたような人にお目に掛かりました。
ヤッ〇ャンの厳しい世界では、生きて行けないような約束破り。
人と社会を甘く見ているのでしょうかね。
・
以上、
私の尊敬する、レイテ海戦で生き残った戦士、上田毅八郎画伯が、
90歳になる今年に受けたキャンセル話でした。
年とっても頑張る画伯に対して、自分の都合だけを云う人がいる。
都合出来なければ、注文しなければ良いのです。
誠に残念な出来事でした。
2009.10.01
Yoh-M.