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第46回いのちの電話シンポジウム:基調講演「 もしも『 死にたい 』と言われたら ~心理学的剖検の経験から~」松本 俊彦演者

2022-09-11 18:50:18 | 生き方/考え方
いのちの電話シンポジウム
開催日時 9月11日(日)13:30~17:00
会場   市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
およびZoomによるオンライン開催
《第一部》基調講演 13:40 ~ 15:10
もしも「 死にたい 」と言われたら ~心理学的剖検の経験から~
講 師:松本 俊彦 氏

(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所薬物依存研究部部長
/病院 薬物依存症センター センター長)
ご講演を聞いてメモしました。
とても参考になるお話でしたので、紹介させていただきました。
個人的なメモなので演者の意図と異なっているかしょうがあるかもしれません。

 元々は薬物の依存症。自殺対策にも深く関わってきた。
心理学的剖検
が私のテーマ。亡くなられた方の親族の方から亡くなられた方の状況を詳しく尋ねる。亡くなった患者さんがいる。その人が何故亡くなったのかの参考になる。臨床医師として感じていることを伝えたい。
「自殺」と言える社会&「死にたい」と言える社会。

自殺対策基本法ができた。
それらの対策もあり、約3割ほど自殺者が減っている。3万人の自殺者が約10年続いた。
働き盛りの人が多く亡くなっていた。
自殺対策基本法で変わったのは、「自殺」と言えるようになった。それまでは、テーマに「自殺」の言葉を入れないで欲しい。うつ対策などにしてほしい。講演では自殺ではなく、メンタル対策の危機などにしてほしいと言われてきた。

自殺と言えない社会では死にたい人がSOSを出せるか? 出せることがとても大切だと思う。自殺について多くの人が考える社会になっている。総論としては上手く行っている。
しかし、「死にたい」と言われたとき、私たちの支援の技術は上がっているのか? 医療技術は? 思ったほど上がっていない。

医療者の中では自殺は厄介な問題。自殺のリスク高い患者さんが来ると、「嫌な患者さんがきたな」と思ってしまう。

心理学的剖検で考えたこと。
なぜ必要なのか。
いろいろな方法を活用することが必要になる。
1)全数統計 警察官の聞き取り時の判断が正しいかどうかわからない。
 通院していると、うつと判断している。
 警察からこれが問題だねと判断した項目が自殺者家族から本当の理由は違うと聞くことがある。 
2)未遂者調査
 緊急病院での調査。自殺者は話すことができないが、未遂者本人から話を聴ける。
 ただ欠陥がある。未遂者=自殺者と考えていいのか。
 未遂者は女性が多い。男性は初めてで自殺に至ることが多い。女性は何度も未遂して既遂になる。
3)コポート調査
 ずーっと同じ人をフォローしていく。しかし自殺者は1万人で数人。お金がかかる。時間がかかる。
4)心理学的剖検
 上記の隙間を埋める。 話してくれる人は一部だが。しあかし対象者意見が全体を表しているかの代表制は乏しくなる。
 単身者の自殺者の情報は得られない。訊く家族がいない。
 家族からなので、家族から虐待受けていたら、話してくれないかもしれない。

自殺の実態を表すのは難しい。いろいろな調査から考える・

自死遺族の人を集めること。東京都には法医学で自殺で亡くなった人もみている。
東京都監察医務院 自殺者の家族の5%程度の人が話をしてくれる。
ご遺族の自宅で行ったり、一部はこちらに来てもらったり別の場所で話してもらう。

遺族は自分を責めることもあり、支援できるところの紹介なども行っている。
私たちの活動が適切かを第三者の評価を得るようなことも行っている。

法医学の専門家と私たちの調査の食い違いも役立った。

5%で全体を想像ではリスクがある。自殺未遂者の家族から聞き取りして、それとの比較を行ったりもしている。

自殺既遂者の21%にアルコール問題
依存症の専門病院に勤務していたときに患者さんに自殺で亡くなられことが多かった。
自殺した人の1年前にアルコールでトラブルを起こしている。交通事故とか家庭内トラブルなど。
亡くなる前の、お酒に関係ない8割の人に比べ、
21%は全員が男性で、40代、50代、仕事を持っていた。
26~27日/月お酒を飲んでいる。
日本酒で3合半
お酒を飲むことが関係するのか?
半数が借金や離婚のなどの別の問題も抱えていた。

女性は、配偶者の死別・離別は3倍。
高齢者に限定すると1.8倍
男性は約200倍

自営業者や零細企業の人が多い
寝酒が増えていた。
自分からSOSを出すのが苦手。
81.2%が「アルコール濫用・依存」
依存症以外の人でもアルコールと自殺の関係がある。
56.2%が気分障害合併
43.8%が「精神科治療中」だったがアルコール問題への治療・指導がない。
最期の行動のときに全例が酩酊状態だった。
死にたいと思った時、近くにお酒が無かったらどうだったか。自殺を選択しなかったかもしれない。酩酊はできないことをできるように、自暴自棄にさせてしまうリスクが高い。

男の自殺に関連する3要素
自殺する人、しない人の差は?
男性は未遂がないがその特徴は?
1)うつ
2)借金・経済苦(ギャンブルも)
3)アルコール
 精神科医に通院している人、1か月のアルコールが10日以上は亡くなり、未満は自殺しない。
他にも離婚があるが、離婚の原因がアルコールが原因の場合もある。
体の病気。脳血管障害で仕事ができなくなっている。この3つが男性の自殺のトライアングルになっている。

アルコールは間接的に、男を社会的に孤立させ、うつ病を難治化させる。
エチルアルコールの脳に与える影響もあり、酩酊させる。心理的視野狭窄させている。
相談しても無駄だろうと思わせる。
お酒を飲み始めるとさらに視野狭窄になる。つらい気持ちが視野狭窄により死にたいに変わる。
ハッピーでないときはお酒を飲まない方が良い。

40~50代の男性うつ病性
危険な飲酒18.7%
依存症3.4%

都立病院でアンケート アルコール依存
 男性21.6%
 女性10.1%
危険因子;内科・外科に通院 男性20~64歳 
女性では20~30代 産婦人科
酒量が多いというより、罪悪感が強い。
医師・看護師に相談すると、ママになるのにお酒はダメと言われる。

女性のアルコールでも自殺リスクは?
依存症者家族は孤立している。
家族にアルコール依存を抱えている。
アルコール依存症は本人より、家族が最初に困る。
家族の支援が必要。

依存症で自殺する人。他に合併症を持っている。
重複障害事例の自殺 診てくれるところがない。
本人の治す意欲がなければ診られませんと言われる。

お酒を止めなさいと言われそれが前提になる。
ハームリダクションン・アプローチ(HR)注)
「自分を大切にすること」の学びとつながっているだけでも良いねと。

女性の自殺が増えている。
これは在宅ワークする男性から苦痛を受けているのではないか、これから研究しないといけない。

自殺者の精神科につながっている治療薬を過剰服薬して自殺している。
自殺したい人に自殺の凶器(薬)を与えていたかもしれない。

抗不安薬、安定剤など、多剤投与すると儲からないような仕組みになっている。
お薬が主体になるのは、安くて時間がかからないから。
話を聴くのは時間がかかり、コストがかかる。

日本の「頓服薬」はなんとかしたい。
いちいち話を聴いている時間がない。当直先生のために「頓服」が安易に使われる。
しかし、「頓服」依存になってくる患者さんが多い。

代役の先生が良く効くすりを出したりする。
効果が直ぐです安定剤と睡眠薬を出す。それを良しとして来た。
抗うつ薬は効果が出るまでに時間がかかる。
抗うつ薬より、安定剤や睡眠薬に頼りすぎたり飲みすぎたりしている。

これまでは医者として投薬してそれを何とか飲ませることにエネルギーを使っていた。
飲み続ける医療だった。
今は止めることを前提の治療。

乱用・依存を作る処方行動
・人気の薬剤を投与
・診察なしの処方
・アルコールの問題(投与しても効かない/市販薬を乱用を医師が見逃している)
・患者さんから薬の希望が出される 

10代女性で増えているOTC乱用
 危険ドラッグが流通しなくなった。
 脱法ハーブは男性がメインだった。
 市販薬は女性 ストレス、自閉症スペクトラムなどによる生き辛さを一時的に緩和するために手軽なOTCに手を出している。
 これまで病院で入手する薬をOTCで購入できるように、国が医療費削減のためにやっている。 
 親に相談したら、医者へ
 BBB錠(コデインが入っている、メチルエフェドリン)
 80錠/1,600円)
 PPPの方コデイン量/円がお得。
 薬剤師はBBB錠では説明し、購入者にサインをさせている。PPPは説明がないため手軽であり、安い。
 アセトアミノフェンは過剰摂取により肝臓障害を引き起こす。
 アセトアミノフェンは大量服用で海外で自殺が増え、処方量を半分にしたら自殺者が減った。
 MMMのデキストロメトロファンの濃度が自発呼吸を止めてしまうことがある。
 グレープフルーツ系柑橘果汁と一緒に飲むと作用が強くなる。

児童・生徒の自殺が増えている。
2020年高校生女子の自殺が前年比2倍
2021年は横ばい
新宿東宝シネマ近くで薬の交換注)が行われている。

2~5時間ご遺族から話を伺う。
本人の作文とか。
調査は2~3人。終わった後お茶をしないと気持ちが重くなる。

あちこちから借金、闇金、離婚、工場に住み込み。
元々社長が外国人と一緒に仕事。
うつで来院。ずーっと外来診察で怒ってばかりいる。
ところがはればれとした感じ。楽しい思い出を話した。
抱えている問題は変わらない。
一瞬自殺が頭に浮かんだが訊ねなかった。
医師は患者の評価を過小評価する傾向がある。
二日後に警察から連絡があって、自殺したと。
どのとき訊いていれば、すぐに答えてくれないけど、次回来てくれたかもしれない。

自殺念慮者
34が自殺の計画
26%が自殺企図
自殺系各社
72%が自殺企図
自殺の気持ちを共有化する。
胸の中にしたい気持ちを知るためにはどうしたらよいか?
どんなに医学が進歩しても、問診しかない

「TALKの原則」
・Tell
・Ask
・Listen
・Keep safe
筑波大学の高橋祥友先生の著書
とても大切

自殺を言うのが恥ずかしい。
生きていれば好いことあるさとの安易なアドバイスはしてはいけない。
「死にたい」と思っても、もう少しこの人に話をしたいと思ってもらう。

「死にたい」にマイ人生哲学はいらない。人助けに有害。
論破されて否定されるだけで、もう相談したいと思わない。

聞くこと
自殺の是非を巡って議論しない。
 死にたい人の困りごとは何か? それを尋ねる。
質問すること
 どこに繋げたら良いか

隠蔽・否定することもリスクの予兆
・消えたい
・このまま目が覚めないと 
・遠くへ行きたい

自殺する一週間前は元気に振る舞う。
ノルウェーの研究報告 自殺する90%は隠している。

早く死にたいから全力で元気に振る舞う。
正直に言ってもらうことが大切であり、難しい。

自殺未遂で入院した200人、40%再度企図。そして3人が自殺した。とても高い比率。
退院前の医師の診察で、「死にたいと思う気持ちはまったくありません」と言っていた。

「死にたい」という人はリスク高い。
でも「死にたい」と口にしないひとはもっとリスクが高い。
「Bad News」を言える関係こそが自殺予防に資する。

自殺念慮評価の注意点
・ストレートに「自殺」という表現を!
・自分のストレス軽減のための誘導尋問をしない。
・自殺「効能」に対する一定の理解(自殺も選択肢の一つとの考え)
 苦しい時に死にたいは正常な反応である。
・質問に対する一瞬の躊躇を「見逃さない」
・最初に「いいえ」を鵜呑みしない
・「いいえ、別に」は「はい」の意味

救急救命センターに自殺未遂で運ばれた人の調査から
自殺意図あり
他者への実行の「予告」
解決したいと思っている
自殺意図なしの方が他者への実行の「報告」がない。  

自殺する直前まで迷っている。
・亡くなる直前まで携帯を見ている。
ALSの患者で自殺した人が亡くなる直前まで2つのサイト(ALSサイトと自殺の方法)を見ていた。
・自殺した人が自殺する前に同じ日にコンビニに買い物(ボディソープ)していた。

もしも「死にたい」と言われた
どうしてもダメな時はダメで救えないことがある。
「死にたい」と言っている人にはまだまだ手をつくすことのできる可能性がある。

質疑応答;
Q1)相談員。いのちの電話の特徴として匿名、相手は自由に切ることができる。何か工夫することがあれば。
A1)自分たちは何もコントールできない。死にたい人は自分で何もできない。コントロールできることは死ぬこと。誰かに支配されないこと。ガチャ切りはかけ手の自己コントロールの実践だと思っていただきたい。それができたということ。

Q2)いのちの電話ではかけ手には個人的な意見は言わない。マイ哲学は要らない、その通り。10代、80代では違うのでは?
A2)自分の信念は押しつけるものではない。


注)ハームリダクションと その考え方
http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse2934.pdf

  筆者は「やめさせようとしない依存症治療」を実践してきたが,ある時,これはハームリダクションの考えそのものではないかと気づいた. 
 やめさせることを目的とせず,患者の苦しいこと,つらいこと,困っていることを患者と一緒に考え,患者を支援していくことに重きを置くこと,薬物を使っていようがいまいが,それが違法であろうがなかろうが,治療・支援を続けていくことが大切であると感じていた.そのことを適切に表現する言葉として,「ハームリダクション」がキーワードになるのではないかと思ったのだ.「やめさせようとしない依存症治療」は,「ハームリダクションアプローチ」あるいは「ハームリダクション臨床」と言い換えてもよいように思う.これからの依存症治療を考える際の共通言語となればと考えている.ここでは,そのハームリダクションについて概観しておきたい.

ハームリダクションとは何か
ハームリダクションとは,「その使用を中止することが不可能・不本意である薬物使用のダメージを減らすことを目的とし,合法・違法にかかわらず精神作用性物質について,必ずしもその使用量が減少または中止することがなくとも,その使用により生じる健康・社会・経済上の悪影響を減少させることを主たる目的とする政策・プログラムとその実践である(Harm Reduc- tion International: HRI)」1).ハームリダクションは,薬物使用者,家族,コミュニティに対して,寛容さをもって問題を軽減するきわめて現実的な政策・プログラムである.
欧州,オーストラリア,カナダなどを中心に,最も成功している効果的な498-22914 JCOPY 1Harm Reduction Approach薬物政策として広がっているが,東南アジア,日本を含めた東アジアなど反対する国は少なくない.
ハームリダクションは,薬物の使用量減少や中止を主目的とはしておらず,薬物使用を止めることよりも,ダメージを防ぐことに焦点を当てる.薬物を使っているか否か,それが違法薬物であるか否かは問われない.ハームリダクションは,科学的に実証された,公衆衛生に基づく,人権を尊重した人道的で効果的な政策であり,個人と社会の健康と安全を高めることを目的とする.
そのアプローチは,公衆衛生と基本的人権への非常に強いコミットメント(誓約)を基盤としている.尊厳はすべての人にあり,薬物使用を繰り返す依存症者であっても基本的人権と尊厳は守られ,薬物のコントロールや予防対策の名のもとで,彼らの尊厳と基本的人権をスティグマによって蔑ろにすることは許されないという哲学に基づいている.
・・・

風邪薬に咳止め…女子高生たちの間で蔓延する、「生きるための合法薬物乱用」の「ヤバすぎる実態」
https://news.yahoo.co.jp/articles/84c2941b73bb91e2e236f48c236fc3c3a0a7b32a


国立精神・神経医療研究センターの精神保健研究所薬物研究部長、松本俊彦氏が話す。

 「昨年秋、週刊誌などで『トー横キッズ』が取り上げられました。トー横キッズとは新宿・歌舞伎町の映画館TOHOシネマズの周辺にいる子どもたちのことです。そこには10代後半の女の子も多くいて、彼女たちはリストカットをしたり、過量服薬(オーバードーズ、以下、OD)の情報を交換したり、薬をシェアしたりしています」

 彼女たちがシェアする薬は大麻やマリファナ、覚せい剤、脱法ハーブの類ではない。風邪薬や咳止めなど、ドラッグストアやインターネットなどで誰でも簡単に買えるような、ごく普通の市販薬だ。
・・・

「人はなぜ依存症になるのか 自己治療としてのアディクション」エドワード・J・カンツィアン&マーク・J・アルバニーズ共著/松本俊彦訳 ”快楽のためではなく苦痛を緩和させるために依存症に”

「死にたい感情、異常ではない」松本俊彦医師 #こころの悩みSOS
https://news.yahoo.co.jp/articles/e96ed3dc665d3aa9041f2ad31917d24ac1e4ef22


感想
アルコールが飲酒が自殺にも大きく関わっていることをあらためて知りました。

自殺したい。
でも自殺は怖い。
自殺する勇気がない。

自殺を逡巡する気持ちで揺れ動いています。
そこにアルコールがあるとついやってしまうのでしょう。

確かに自殺は一つの選択肢だと思います。
でも他に選択肢はないの?
あるのでは?
視野狭窄になっているから、選択肢が自殺しかないと思い込んでいるとのことです。

先ずは話しをする。
聴いてもらう。
それだけでも何かが変わってくるのでしょう。

誰かの為に、何かの為にがあると、苦しくても自殺を留める力になるのでしょう。
どんな状況になっても生きていれば必ず道は開けるのですが、そう思えないから辛いのでしょう。
普段から死ぬ前にやれることを考えておくのも役立つかもしれません。
1)食べるものが亡くなったら、コンビニ入って盗みをすると言って警察を呼んでもらう。
2)厚労省の前で看板「生活できません。食べていません。日本は私を救ってくれないのでしょうか?」を持って居座る。
3)病院のロビーで倒れる。
4)NPO法人の人と一緒に生活保護申請をする。
5)ホームレスの人からホームレスの生き方を学ぶ。
日本はまだ放ってはいない社会だと信じたいです。

今抱えている悩みは死んでも死ななくても解決しなくてもよい問題なのです。
死んでも問題は解決しません。
だったら生きていたいです。
周りからどう思われても、生きていることが大切なんだと思います。

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