女性登用、数値化に反発 経営側「違和感」 新法審議会http://digital.asahi.com/articles/DA3S11346527.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11346527
女性の社会進出を進める新法を検討する厚生労働省の審議会が、11日開かれた。女性管理職を増やすため各企業がつくる「行動計画」で、数値目標を定めることに経済界は強く反発した。政府は成長戦略で女性管理職を「2020年までに3割に増やす」目標を掲げるが、法律で縛られることに経済界の抵抗は強い。
新法は国や自治体、企業それぞれに「行動計画」の策定を求める。企業の取り組みについては、経営者側、労働者側、有識者の3者で構成する厚労省の労働政策審議会(雇用均等分科会)で議論している。9月中にとりまとめて臨時国会への提出をめざす。
11日の会合では、厚労省の事務局が、(1)女性の採用比率など各社が女性登用に関する現状のデータを開示する(2)女性管理職の登用などについて数値などの目標を設定する――などの議論を求めた。
これに対し、経団連の出席者は「女性の活躍推進には前向きに取り組みたいが、義務化には違和感がある」と反発。「どんな取り組みをしていても、数値だけで判断されてしまう」と語った。
一方、労働者側は、育休取得率や職場復帰率、総合職や一般職の男女比率なども開示の項目に加えるよう求めた。「数値は大切な目安。自主性に任せると、女性登用は進まない」(情報労連)と目標設定に賛同する意見が相次いだ。
労働側はさらに、働く女性の6割が非正社員であることを指摘。「すべての女性の底上げにつながる施策を考えるべきだ」とクギを刺した。
日本の女性管理職の比率は世界に比べ低い。経団連は、会員企業に女性の管理職登用の目標などを盛り込む「自主行動計画」の策定を呼びかけた。7月に47社分を公表したが、取り組みは自主的なものにとどまる。
ノルウェーは、大企業の役員の女性比率を40%以上にするように定める。フランスも、17年までに40%以上にするように求めている。女性管理職の登用が遅れる韓国は06年から、大企業に対し、従業員や管理職に占める女性の割合を政府に報告することを求める。女性比率が業界平均より大きく劣れば、改善計画書の提出を義務づけ、少しずつ比率を上げてきている。
女性登用施策に詳しい山口一男・シカゴ大教授(社会統計学)は「現状把握や目標に数値は必要。そうでなければ、どれくらい努力したのか評価することは難しい」と話す。
国 女性管理職の割合%
米国 43.7
フランス 39.4
英国 34.2
ドイツ 28.6
日本 11.2
韓国 11.0
■女性活躍推進新法の主な論点 ( )内は例
<各企業の「行動計画」に何を盛り込むか>
◆女性の積極採用(採用目標値の設定など)
◆配置・育成・教育訓練(女性の職域拡大やキャリアの前倒し、選抜研修など)
◆就業継続(育休や時短などの利用促進、男性管理職に家庭との両立を意識づけ)
◆長時間労働の是正
感想;
女性の登用により、日本を活性化させようとの意見には賛同される方は多いかと思います。医薬品会社に勤めていた時に、海外医薬品会社を何社か訪問しましたが、約90%の会社の品質保証部長は女性でした。日本では1社だけで、割合で行くと5%くらいだったでしょうか。
多分掛け声だけでは、女性の幹部比率はそれほど増えないので、数値目標をかかげないと実現は難しとの議論だと思います。
米国ではマイノリティの収入が増えない、それは教育レベルの差によるとのことで、その大学の所在している地域の人種比率によって大学入学者の人種比率を決めているところがありました。これは、貧困の連鎖を断つためでした。この制度は学力を無視して入学させるので、逆差別だと主張していた人もいました。
数値目標を上げないと女性の登用は簡単には進まないでしょう。一方、女性の登用比率を設定すると逆差別だと言う人も出るかもしれません。登用するには、女性の業務を男性と同じように機会を提供して育てていくことも必須です。
障害者雇用納付金制度は、障害者雇用が法定雇用率(1.8%)に達しない会社は、1人不足する度に、5万円/月・人徴収して、障害者の雇用を促進する原資にする制度です。一方、法定雇用率を超えて採用している企業には、2.7万円/月・人支給しています。従来301人以上の企業だけが対象でしたが、平成22年からは201人以上、27年からは101人以上の企業が対象となります。
このような数字があっても、罰則や罰則の規定が緩いとなかなか目標数値は達成しないようです。障害者雇用の法定雇用率に達しない会社が多く存在しています。つまり罰金を払った方がよいと判断していることになります。
需要と供給の関係ですから、罰金を増やすことで雇用が促進されます。
企業が女性より男性を採用したがるのは、女性の出産・子育てがあるのも大きな要因だと思います。女性が出産・育休期間中に派遣を依頼するなどの費用の一部を負担するような仕組みもあれば、女性のフルタイムでの雇用も進み女性登用も進むのではないかと思いました。
上手く行かない時は制度にも問題がある場合があります。不法投棄が減らないのは、廃棄するのにお金がかかるからです。廃棄するとお金が貰える仕組みなら不法投棄は減るでしょう。女性登用によい仕組みができるのを期待したいです。