エコ・ニュージーランド Eco New Zealand

ニュージーランド発。エコライフ、環境保護、山、森、動物、アウトドア、山歩き、猫についてのブログ。

マウントクックとコップランド峠

2009年08月28日 | トレッキング



8月24日の記事の続き)

 さて、温泉で気持ちよく暖まり、クスクスとスープで軽く夕食を済ませると、外はもう真っ暗。室内もろうそくの炎で薄暗く、何となく落ち着きます。客はキーウィ(=ニュージーランド人)のおじさん2人と、アメリカ人青年1人、そして自分という、たった4人だけ。談笑がふと途切れると、全くの静寂が辺りを包みます。途中からは、ボランティアで10日間だけ小屋の管理をしに来ているという、イギリス人青年ジョッシュ君も会話に加わり、夜がふけていきました。

 翌朝も抜けるような快晴。良く冷え込んでいます。キーウィのおじさん2人は朝から温泉へ入りに行きましたが、自分はコースのさらに奥まで進む為、手早く朝食を済ませ、出発です。谷も奥へ進むにつれて登りが多くなり、道も荒れ気味。四苦八苦しながら、深く深くと分け入っていきました。もういい加減嫌になった頃、突如視界が開けて、ダグラス・ロック小屋の可愛い姿が見えてきたところでお昼。こちらに覆いかぶさってきそうな絶壁を見上げながら、さらにもう少し奥まで進むと、森林限界の上に出ました。





 ふと見ると目の前に、いつ起きたのか、巨大な雪崩跡が横たわっています。幅30メートル、高さ(というか厚み?)10メートルくらいありそうです。小屋からいくらも離れておらず、もしこの雪崩が落ちてきたときに小屋で寝ていたとしたら、物凄い音に、生きた心地もしなかったことでしょう。





 その先には白銀に包まれたコップランド峠と、その上方に高くそそり立つマウントクックの姿が、ごく一部ですが見えました。気候の温暖化で氷河が後退したため、昔よりアクセスが難しくなったというコップランド峠。真冬の今の時期は、自分にはハードルが高すぎる為、遠めに見るだけで満足することに。





 もと来た道を引き返し、へとへとになって再びウェルカム・フラット小屋に帰りました。今日は往復で16キロほど。この程度でこんなに疲れるなんて……と、冬場の運動不足を反省です。宿ではもちろん温泉へと直行。日によって多少温度が変わるらしく、今日はあまり長時間浸かっていられないほど熱くて、何度も湯から出たり入ったりを繰り返しました。

 最終日は、どんよりと曇って今にも泣き出しそうなお天気。ボランティアのジョッシュ君に別れを告げ、駐車場目指してまた17キロを戻ります。なんでも翌日の天気予報は大雨らしく、今日これから山へ入ってくる物好きはいないだろうと思っていたら、向こうから若くて明るい(しかも可愛い!)女性が1人、楽しそうにやってきました。ちゃんと翌日の大雨警報の事も知っていて、「何とかなるわよ、平気、平気」と頼もしい言葉を残して奥へ進んでいきました。ジョッシュ君は楽しい会話相手か出来て、きっと喜んだ事でしょう。

 夏のトレッキングシーズンには、30人以上の人が泊まって混雑する事もあるという人気コースも、さすがに真冬の今は静かなもの。寒ければ寒いほど、温泉のありがたみも身に染みます。秘境ムードと、大自然の恩恵を存分に感じることの出来た、2泊3日のトレッキングでした。




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