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e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

足踏みするSOA?

2005-04-17 | ◆ビジネス
しばしば同じタイミングで全く異なる文脈から出たニュースが符号する。今回もそんなケース。

1つは日本IBMが天城にてソフトウェア会社やシステム・インテグレーターなど23社を集めてSOAの可能性について議論したという話。

『日本IBMが伊豆・天城にソフト会社/インテグレータ23社の幹部を集め、SOAの可能性を議論』 Nikkei ITPro

オンデマンド型ソリューションの展開を目論むIBMがパートナーへの啓蒙活動を行ったものと理解できる。ただ、記事では「参加したパートナの多くはSOAに関して、まだ勉強/検討フェーズ。関心は高いものの、採用には慎重な姿勢をとる企業が多かった」とあるように、IBMが望むスピード感で市場は動いていないという現状を映し出している。

もう1つは、SOAの重要な要素技術であるWebサービスが抱える課題に関する話。

"Web Services Still at an Impasse" Internetnews.com

例としてWebサービスのセキュリティーに関する仕様で、MicrosoftとIBMが中心になって進めるWS-Securityの仕様とSUNが中心となっているLiberty Allianceの策定する仕様に重複があり、開発者の混乱を招いていることが挙げられている。

Liberty Allianceの問題に関しては以前も取り上げたが、Webサービスの標準確立において大きな障壁となる可能性を孕む。Webサービスの標準策定はマーケット主導で進んでいるが、そこには主導者となれなかった者が離反して、独自仕様による顧客囲い込みに走る危険が付きまとう。今回もし同じことが起これば、SOAというビジョンの実現は困難となり、JAVAと.NETといった相容れないアーキテクチャーの共存を許すことになる。結果的にIT業界の利することにはならないであろう。

来週ガートナーのイベントがアメリカにて開催され、複数のベンダーがWS-Securityに準拠したシステム連携の実証実験を行うという。そこにはIBMもMicrosoftもSUNも参加する。是非表面的にだけでなく、実体としてもうまく連携してくれるといいのだが。

Gartner Application Integration and Web Services Summit

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