ハイリスク 超ローリターン

家づくりの仕事をしていると、ほんとうにいろんな　『出来事』　に遭遇します。

昨日書いたような　『つながり』　の学びであったり、『ハクビシン退治』　であったり、子育てであったり、教育であったり、技術であったり、企業の論理であったり、お金や保険のことであったり、、、、、、今日から始まるような　『雨漏れ』　であったり。

ことの始まりは６年位前にさかのぼります。

北澤工務店事務所の近くに住むＹ様からのご相談でした。地元のＯハウジングで立派な新築工事をされた方です。

が、当初より雨漏れが発覚し、再三再四Ｏハウジングに問い合わせるが、始めのうちに来ただけでその後はなしのつぶて。消費者生活センターを通して圧力を加えても、なかなか動かない。やがてＯハウジングの業績が悪化し、電話にも出ない状況に・・・。

で、北澤工務店に白羽の矢が立ったのです。

始めは、カンタンに修繕できるかと思ったんです。

でも、何度修繕しても雨漏れは止まりませんでした。サッシメーカーの雨漏れのプロ集団がきても、様々な試験をした後　『弊社の製品には異常ありません』　の一点張り。板金屋さん、防水屋さん、コーキング屋さんを投入しても、止まらない。

何がしかの処理をして、散水試験をしても、雨漏れの再現ができないんです。ジャージャー水をかけても落ちてこない。２年くらい何事もなかったとしても、３年後にまた雨漏れしてくる・・・・。

で、決断したんです。

外壁を壊して、ベランダ防水を壊して、原因を突き止めようと。

これほどに困難な雨漏れ工事は初めてです。

で、問題になるのがその工事代金です。当然ながらＹ様が支払う必要はない費用です。

たまたまぼくはそのＯハウジングの社長さんを知っている。さじを投げてしまったその社長になんとかかんとか連絡をとり、状況を説明し、費用の負担をお願いしました。もちろん、『それならきたざわくん、よろしく頼むよ』　ということになりました。そうなればもはやＹ様宅は、Ｏハウジングの手を名実共に離れることになるからです。たぶん、その社長さんからすれば、願ったりかなったりに近いかもしれません。

北澤工務店にとっては、『ハイリスク　超ローリターン』　です。もしかしたら治らないかもしれない。それでも今後発生する雨漏れに対しては、北澤工務店が全て責任を負わなければなりません。ぼくが目に見えない壁の裏側の他社の仕事に対して責任を持たなければならない。

フツーの工務店なら、絶対やらないね、たぶん。

でもぼくは、やってみたい気持ちが強いんですよ。逃げるのはカンタンですけど。

こんなにぼくを手こずらせた原因を知りたい。確かに　『ハイリスク　超ローリターン』　だけれども、それよりもＹ様のお家の雨漏れの原因が知りたい。

今日からＹ様宅の現場の解体をします。ぜひ写真に撮って報告させていただきますね。楽しみにしていてください。

ではまた。

おさむ