熟年ドラキチ  さぁ人生はこれからだぁ^^ 

ドラキチ歴50年、 熟年・「オレ竜」の今日の”脳ミソの中身”

将来のために一歩先を行く“英知”

2008-06-20 | 世の中のこと アレコレ

名古屋の中心部栄にそびえたつ“テレビ塔”が、2011年の地デジ放送への
完全切り替えでその基本的使命を終えるとのニュースが。
役割が終わるからと言って、撤去になるわけでない。

テレビ塔は正式には“集約電波塔”と言うらしい。
普段は誰もそういう風には呼ばないが。
戦後ラジオやテレビの放送が始まり、放送電波を各家庭や企業に伝えるために、
各放送局が独自に自分たちの局の電波塔を色々なところに小規模に建てていた。
これは放送範囲を広げたり、また、経済の発展に伴い建物の高層化が
順次起こってくるたびに,
電波受信状況を改善するために
新たな小規模電波塔の設置を各放送局は強いられていた。
設備投資だけでも、なかなか頭が痛い問題であったし、
将来はもっと規模の大きい
高層ビルが建ち始めたら、“どうなるんだろうか?”
と恐怖にも襲われたのでは。  

そこで今から約50年前に、普段はお互い競争相手である東海地方の放送局が
お互いの小さなこだわり・プライドを捨て、将来のあるべき姿を相談しあって
生まれたのが、全放送局が使える共同の大規模な“集約電波塔”の建設であった。

これは出来そうで、なかなか出来ない事だと思う。
まして競争相手と一緒に問題を解決しようということは。
厳しい競争にさらされていると、つい小さな視界の中で少しでも競争相手を
出し抜こうとするのが常である。 これは必ずしも国民や消費者にとって悪いことではないが。 それによってより良い商品も提供されるといういい面があるから。

しかし、問題の抱えている本質や性格によっては、普段の競争意識から抜け出した
大局的かつ将来を見据えた解決方法も要求される問題もある。
この名古屋のテレビ塔(集約電波塔)の建設はまさにその良い例であると私は思う。

名古屋の中心部に当時では名古屋のどこからでも見えるくらい、高い塔を
放送局全社で協力して建設。 放送局1社ではとても建てられるものではない。
たとえ至る所に5階や10数階のビルが建っても、それらより遥かに高い所から
電波を発信してるから、全く電波受信に問題もない。
それは私たち受信者にとっても利益である。

この画期的集約電波塔は、実はこの名古屋のテレビ塔が日本で初めてで、
その後、大阪の通天閣タワー、東京タワー、札幌のテレビ塔と続いたのである。
日本にあるそれらの塔は“先駆者 名古屋のテレビ塔”の後続ランナーである。 

全く前例が無い時に、決断をするのは誠に勇気もいるし、障害も多い。
子供の時からテレビ塔は当たり前の建物にしか思っていなかったが、
その使命を終える時に、その使命や意義そして建設の経緯を知り、
改めて今となってテレビ塔を私が評価するというのも、何か可笑しな気もするけど。

こんなテレビ塔建設の決断が出来たのも、やはりこの地方が
有する気風もあるのかな?

“もの作りは一生懸命だけど、あまり消費は活発じゃない。” 
“名古屋での商売はやりにくい”   
“名古屋はケチで、節約が大好き”  

いずれにしても、時代の先を見越して、また、小さなプライドも捨てて行った
この“英断”はその使命を終えても撤去されない“テレビ塔”とともに、
今の私にも伝えられた。 当時のこの英断をした人たちに喝采の拍手を。  

このテレビ塔、とは言うものの実は、なんと“違法建築”
道路の上に建築物を建てちゃいけないんだけど、何故か建っている。
その上、違法建築にも拘わらず、なんと“国の有形文化財”にも。   

普段は何かと役人さんたちの“いい加減さ”に口うるさい私だが、
この何とも言えないファジーな役人サン達の“見て見ぬ振り”と“事なかれ主義”は
今回だけは私も“見て見ぬ振り”を。 ()  



にほんブログ村 オヤジ日記ブログ ちょい悪オヤジへ     世の中にはイロイロな ” オヤジ ”さんが、ブログを書いてますね~^^ 


最新の画像もっと見る

post a comment