小千谷から(Ojiya kara)

新潟県中越大震災の、とある被災者からのメッセージ
(リンクはご自由にどうぞ。ただし転載はご遠慮ください。)

【旅館「木津の湯 篠田舘」のテレビ報道について思うこと】 「自己満報道はよせ!」

2005年01月27日 23時39分28秒 | 新潟県中越大震災・地震
今日の小千谷は・・・・。
朝っぱらから木造住宅を家族総出で雪下ろしする光景が目立った。

昨夜、小千谷市内の旅館の浴室部分が雪の重みで倒壊。
二人の尊い命が奪われた。
雪の倒壊による死亡事故は初めてということでテレビ局はこぞって現地や本町で取材合戦。
ヘリも飛ぶ飛ぶ。

あの・・・・・
雪による倒壊なんて今はじまったことじゃないんですけど。
それとも人が亡くならないと現地には来ないんでしょうか??


昨日まで静かだった小千谷が今日急に騒がしくなった。

ワイドショーだのニュースだのテレビで一斉に取り上げられたからか全国から心配メールが何通かきたけれど、【今までそれだけ報道がなされてなかった】ということが身にしみた。

そしてまた彼らは慌しく去っていく。
欲しい絵が撮れて満足して帰っていく。

どうしてもう一歩踏み込んで取材をしないのかと腹立たしくてしょうがない。

雪下ろししたくても仕事や病気などの理由でできなくて、家族に気をつかって体重が激減した働き盛りのお父さんの気持ちとか
人にやすやすと頼めない辛さとか
雪下ろしを誰にどうやって頼めばいいのかわからなくてただただ心配しているだけのお年よりとか。
家に帰りたくても帰れない人のこととか。
遠くにいる家族から「うちは大丈夫か?」と雪下ろしのプレッシャーをかけられたお嫁さんの気持ちとか。

そういう人はどうしたらいいのか???
へんなテロップ出す前に有益な情報をテロップに出そうよ。
雪下ろししますよ というボランティアセンターの電話番号を大きく載せてあげてくれよ!!

そこまでつっこんで取材しろと今のテレビ番組関係者に要求するのが無理なのか。

撮りました ハイあとは自分らでがんばってね~~と。
被災地は見世物じゃねーんだよ!

丁寧に取材されている方もいらっしゃいます。
神戸の震災での教訓が中越に生かせたか、そしてこれからの課題は?と理論立って考えて取材されている方。
そういう方に失礼です!
ひっくるめて「マスコミは・・・」っていわれちゃうんだから。

私が見たわけじゃないけれど、
旅館関係の方と思われるおばあちゃんに「お風呂はどうでしたか?」「おかしくなかった?」とかマイクを向けてるバカリポーターがいたらしい。
亡くなった方のお兄さんにアポ無しでマイク向けてた局もあった。

そのリポーターの首とっつかまえて「あんたの家族が亡くなったらカメラ向けてやろか?」って思っちゃうね。ほかにやることあるだろ ばーか。リポーターだけが悪いわけじゃないけどね。
視聴者だって不快だってことに気づかないんだから つける薬ありませーーん。

週末また雪マーク。
ぼやぼやしていられない。

ここがまさか?ってところが雪の重みで倒壊している。
1メートル×1メートル×1メートル の雪の重みは200-300kgだというよ。


これは昨日の午前の写真です。
小千谷駅のプラットホームの屋根を大の男が5人がかりで雪下ろしです。<ひとりは写ってない(^^ゞ






赤信号で止まってるトラック。
雪の捨て場に困ってどっかに捨てに行ってるんだね。



被災者の生の声を発信しなくちゃ。
マスコミを頼らずに自分たちでやらなくちゃ。




昨日今日はこのブログを通じてすごく刺激的な出会いがありました。
がんばろう!
元気が出てきたよ!

【心のケア】 チビが笑った

2005年01月27日 11時29分06秒 | 新潟県中越大震災・地震
震災直後からPTSD(心的外傷後ストレス障害)気味だったうちのチビ。
だんだんと快方へ向かってはいたんだけど、それでも毎朝毎朝保育園に預けるとき・・私と離れるときにはわんわん泣いていました。
抱っこしたまま先生に押し付けるようにして、シャツをひっぱるチビから逃げるように離れることに罪悪感を感じていました。

でもねでもね
そのチビが・・・
じゃじゃーーーん!
今日はじめて私から離れて泣かずに笑顔でバイバイしたんですぅ!
おちょうめんに自分でスタンプを押して(←これもはじめて)その場でにっこり「バイバイ~~」って手を振ったんですぅぅ。

なんかうれしくてうれしくて・・・また泣いております(ノ_・、)

昨日も震度3の地震がありました。
ほかにもちょっと気になる退行現象のような仕草がみられたので、また後退したかな・・と心配だったんです。

チビは10月23日の地震のときには特に変わった様子はありませんでした。
おびえることもなく翌日はお兄ちゃんたちと元気に遊んでいました。
常に家族がいっしょにいたから怖いことなんてなかったのです。
ところが・・
11月8日の震度5の余震のときに チビはたまたまひとりでいました。
私が駐車場に車を停めてカギなんかかけたりしているときに、チビは自分だけ先に自宅に戻ろうとダーーーッと走っていきました。
強い強い揺れがありチビは泣きじゃくりながら「ママーーー!」と私のところへ駆け寄ってきました。
いつもそばにいたのにそのときだけはそばにいてやれなくて。
それからチビはおびえるようになりました。

余震が憎いのはそのせいです。
たいしたことない揺れなのにいつまでたっても「また余震がきた」と騒いでいるのもみっともないけれど
チビの心を揺さぶるのはもうやめていただきたい。


♪泣いたりしないでこっちへおいでよ
 あなたの全部を抱きしめるよ

 ひとりぼっちで怯えたりしないで
 あなたの心にさわっているから

 あしたの話をたくさんしようよ
 そう やっぱりあなたの笑顔が大好き
 ねぇ 笑って                 福山雅治「泣いたりしないで」