母の言葉を胸に宿命に勝ち70年
浜松市中央区 吉川妙子(主婦 70歳)
私は、生まれつき弱視で、右目は明暗の違いが分かる程度の視力しかなく、左目は物がはっきり見えません。母自身も目が不自由であり、生まれた子も同じと知った時、どんなに悲しく苦しかったことでしょう。
幼少期から差別といじめの連続でした。外へ出るといじめられるので、いつも家の中にいました。母は、そんな私をいつも優しく見守り、「小学校へ上がったら、100人の友達ができるよ」と毎日のように励ましてくれました。しかし、待っていたのはいじめでした。
いっぱい泣いたけれど私は負けなかった。「あなたを傷つける言葉やつらい経験は、あなたの心の中にある、いやなものを一つ一つ消してくれているのよ」と励ましてくれる母がいたから。その言葉に“何があっても前を向いていこう”と、大きな希望と勇気をもらいました。どんな時も自分の力、父と母を信じて歩み抜いてきました。結婚し、子育てに奮闘する中でも宿命の嵐に負けず、乗り越えてきました。
そんな私も、今年1月に、入会して70年を迎え、霊山の母に大勝利の報告をしました。
「お母さん、今はね、100人どころか、世界192カ国・地域に友達がいるのよ。人が大好きで、思いやりを大切にする自分になりました。お母さんが教えてくれた信心のおかげで、小さい時からの悲しみや苦しみを、全て人生の宝物にすることができました。お母さん、信心を教えてくれて本当にありがとう! 今、最高に幸せです」と。
母のうれしそうな笑顔が、優しく温かく私を包んでくれたような気がしました。
「声」欄より