オショロコマの森ブログ5

渓流の宝石オショロコマを軸に北海道の渓流魚たちと自然を美麗画像で紹介します、

イトウ皆殺し大作戦

2023-12-02 15:56:15 | イトウ
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イトウ皆殺し大作戦





報道各社によれば、我が国におけるイトウの国内最大繁殖地であある猿払川・手塩川水系上流域などに59基もの巨大な風力発電用風車を建造する恐ろしい事業計画が発覚しました。



現在我が国でイトウの自然状態でなんとか繁殖が行われている6水系のうち最重要地域である猿払川水系と天塩川水系の上流域がこの風力発電用風車建造域に含まれる。別の視点から言うとこれはまさに イトウ皆殺し大作戦 と言い換えることができる。この恐ろしい計画は石油元売り大手ENEOS(エネオス)の子会社ジャパンリニューアブルエネジー( JRE )が立案。2027年春着工し2032年秋運転開始という。






温暖化の影響か、昨今の猛暑の夏では猿払川水系の水量減少、水温上昇のため親イトウの大量死といった悲劇が報告されていました。



もし、この事業計画が進めば、大規模な工事用作業道の造成やビルほどの高さのある巨大風車設置場所の造成などで大量の樹木伐採が行われることは必至。その結果、大雨時の土砂流入や一帯の保水力低下による川の流量減少などに引き続き発生する水温の上昇などで上流域のイトウの繁殖水域に必要な種々の環境のほとんどが荒廃してしまうことは明白です。



このような環境は長い長い年月を経て、きわめて精緻な種々の要素で構成されているものであり、ちょっと触れただけで崩れ壊れるはかないガラス細工のようなものです。このガラス細工は渓流環境を変える伐採、土木工事、河川改修、ダム建設その他でいとも容易に消滅し、そのためオショロコマなどの渓流魚が消えてしまった例を数限りなく見てきました。



イトウの産卵場所や稚魚生育環境は、まさに同様なガラス細工です。














絶滅危惧種、幻の巨大魚イトウの聖域ともいうべき繁殖水域に壊滅的影響が出ることは避けられない。




地球温暖化を防ぐために脱炭素・再生可能エネルギーが必要という錦の御旗のもとに急遽出現したビジネスチャンスに、なりふり構わず便乗しようとした粗悪・粗雑・ずさんな事業計画と思われます。この無謀な計画が管轄の経済産業省や環境省などの再検討で消えることを強く期待します。風力発電は関係する立場によっては長期にわたる大儲けの期待があり、昨今、きな臭い汚職事件も報道されています。過疎の町村によっては景観その他を犠牲にしてでも毎年間違いなく入ってくる多額の固定資産税等に大きな魅力を感じるかも知れません。




地球温暖化を防ぐ目的は、すこしでも温暖化の速度を落として、まずはホッキョクグマ、イトウその他の絶滅危惧種たちが消滅するのを、ひいては人類に壊滅的影響が及ぶのをできるだけ先延ばしにして生物多様性を守り、最終的に危機を回避することです。




近年、地球温暖化の影響はなんとなく肌に感じるものの、今現在は、イトウ皆殺し大作戦 を遂行しなければならないほど逼迫した状況では無いと思われます。錦の御旗に名を借りた本末転倒はよろしくないと思います。




未だ未知の問題が起こる可能性も高い風力発電といった自然再生エネルギーの普及が、バードストライクや イトウ生息環境破壊など 皮肉にも思いがけない自然破壊や、もしかすると将来でてくるかもしれない(地域住民の)未知の健康被害などにつながらないようとりわけ慎重な姿勢が要求されると思います。


防衛上の問題もあります。我が国では全国28か所に自衛隊の警戒管制レーダー基地があり、海上低く飛来する巡航ミサイルや航空機などを警戒しています。これら基地からのレーダー波が背の高い風力発電設備に当たると反射波とミサイル等の鑑別に手間取ることが予想され事態は深刻です。自衛隊レーダー基地のほか在日米軍のレーダー基地も含めると、現実問題として、風力発電設置場所にはかなり制約が出る可能性があるのです。



とは言っても、北海道では風車建造に適した環境は洋上風車発電も考慮するともっと適したところが多々あるのではないでしょうか。イトウ絶滅の危険をおかすほど、設置場所に困窮してはいないと考えます。





風力発電と環境保全は必ずしも全て相反するものではない例もあるようで、この方面の先進国オランダでは国内必要電力の50%を洋上風力発電に頼っており、その電力を使って次世代燃料水素を量産する計画も進んでいるという。






しかし、オランダの原風景は もともとまともな大自然とは無縁。 ドンキホーテと大型風車 の世界です。 まだ奇跡的にせよ イトウが生息し、原始のオショロコマの森 が残っている我が北海道とは比較する対象としては不適です。







ところで話は変わりますが、新聞などによれば岸田内閣は、最近、原発回帰政策を打ち出しているらしい。



先行き、いったいどのような不都合が出てくるのか、全く不明な風力発電政策と比べると、東日本大震災の例を思い出すまでも無く、原発の場合はいったん大地震や自然災害、テロ、戦争などで事が起こると言わずと知れた大惨事は想像を絶することが、誰にもわかりきった事実としてあります。



原発回帰は、バードストライク、やイトウ全滅や オショロコマがいなくなるかも知れないといった 些細なこと ???  に 頭を悩ませることなどアホくさくなるほどの壮大な危険をはらんでいる。



そんな危険を知りながらも、背に腹は変えられないといった裏事情でもあるのでしょうか。



みなさんよくご存知のように太古の昔から にんげん という生き物は危険を犯すのがとりわけ大好きな生き物なので、そういった特性に対し現代においては相当な自制心が必要だと思います。



イトウがいなくなっちゃうじゃないか といった義憤から話が随分それてしまいましたが…。   きりがないのでこのあたりで おしまいにしましょう。



新聞記事の写真は我が家で購読している北海道新聞から引用させていただきました。風力発電の画像は著作権フリー画像です。



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