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変化するアマゴ 毒キノコアマゴ
田中 篤
最近、アマゴが変わりつつある、
それも劇的に!
アマゴと言えばヤマメから派生した亜種、
アマゴの特徴と言えばヤマメにはない朱点です。
生息地域は酒匂川以西の太平洋側河川、 四国及び瀬戸内海にそそぐ河川です。
くわしくはこちら。
https://enoha-tei.com/amago-seitai/
最近はこのアマゴの放流魚の朱点がおかしい!
ここ数年の間に大きな変化が見られる、
朱点がより多く、より大きくなっている、それも極端に、
色がより赤く濃くなったり、盛り上がったものもいる、
これらの魚は四国や紀伊半島、木曽川水系でも見られる、もっと調べればさらに沢山いるかもしれない。
魚の模様、外見なんて、個人的見解や趣味によって違う曖昧なものと思っていたが、以下の写真を見比べて欲しい、明らかに今までのアマゴとは明確に違うのが分かると思う。
私の釣りのテリトリーは主に木曽川なので、まず木曽川水系で釣れた朱点の多いアマゴの写真を紹介したい。
ちなみにこの系統のアマゴを我々の仲間内では勝手に「毒きのこアマゴ」と呼んでいる、
とはいっても 食べて毒があるわけではありません。
毒きのこは派手なベニテングタケのように赤い色で自身の毒性をアピールしているものがあるが、この派手さが毒きのこに似ていると感じるからだ。
1毒アマ1
2毒アマ2
3毒アマ3
4毒アマ4
5毒アマ5
6毒アマ6
7毒アマ7
8毒アマ8
9毒アマ9
これら、放流アマゴの特徴はとにかく朱点が多い、大きい、
それもパーマークに匹敵するほどの巨大なものもあり、すでに点とは言い難い個体もいる、
朱点の数が非常に多く、背びれや尾びれの付け根や目玉の部分、目の前にまで付いているものもいる。
(パーマークもかなり乱れている。)
こちらは三重県に住む友人が釣ったもの。(釣り人M氏)
10三重1
11三重2
12三重3
13三重4
14三重5
15三重6
16三重7
朱点が非常に多くて、その色も血のように赤い。
良く見ると朱点の部分が盛り上がっているものがいる、まるで病気の腫れものだ。
ちなみにこちらは過去に釣れた普通のアマゴ、
朱点はあるがサイズは小さく、数も少ない。
17普通
18普通
19普通
20普通
21普通
アマゴはイワナに比べて養殖の歴史も長く、生息域も人間の生活圏に近いので、
河川のアマゴは養殖魚の影響を受けやすく、養殖魚の影響のない天然アマゴと言える魚は少ない、
私の知っている中では放流されていない可能性が高い所が2か所あるので紹介したい。
ここは木曽川水系の支流の支流の堰堤の上、
近くには林道が無く、堰堤の上はアマゴしか生息していない、
堰堤の下までは放流イワナとアマゴが釣れる、
つまりこの堰堤の上は放流されていない可能性が高い。
特徴は黒点も朱点も少なく、朱点の無いものもいる、
パーマークも丸くてくっきりしている。釣り人 小川氏。
22小川
23小川
24小川
25小川
26小川
こちらは奈良県熊野川水系のアマゴ、
近くに林道も無く、簡単には到達できない山奥の川、
なので放流はされていないと思われる。釣り人 荒谷氏。
27荒谷
28荒谷
29荒谷
30荒谷
ここも少ない朱点と丸いパーマークが特徴だ、
これらが在来のアマゴだとすると、在来のアマゴは朱点は少なく、中には朱点の認められない個体も存在するという事だろうか?
こうしてみると在来のアマゴ、あるいは旧来の養殖アマゴは朱点は控えめだ、
それが近年、急激に変化しつつある、
朱点がより多く大きく派手派手になっている、
我々の言うところの、アマゴの「毒きのこ化」が進行している。
以前、ヤマトイワナの生息圏である木曽川水系にニッコウイワナが放流され、ヤマトイワナが激減したが、現在ではアマゴで同様の入れ替わり現象が起こりつつある。
アマゴの生息域は日本の中では比較的狭い地域なので、渓流釣りをやる人でもアマゴを良く知らない人も多いようだ、
そんな人達ならこの養殖アマゴを見ると朱色が綺麗だしアマゴらしいと思うのかもしれないが、昔からアマゴを知る我々にとっては全くの別種の魚に見えるのだ。
なぜ、このようなアマゴができたのか、噂で聞いた話だが、アマゴの特徴と言えば朱点、
なので特に朱点の多いアマゴを親魚にして継代飼育を続けると、だんだんと朱点の多いアマゴができるらしい、
家畜の品種改良と同じだ、ただ過ぎたるは及ばざるがごとし、だと私は思う。
家畜であれば生まれてから死ぬまで人間の管理下にあり、品種改良した種が野生化する事はない、だから極端な品種改良をしても人間の役に立ちさえすれば良い、
しかし養殖魚は自然河川に放流する、するとそこに棲む魚と混じり合ったり置き換わったりして生態系を変えてしまう、
養殖魚はたんなる家畜とは違うのです。
実は木曽川水系でもすべての川でアマゴの毒きのこ化が進行しているわけではない、
養魚場も沢山あって養魚場によって飼育しているアマゴの形態に差が生まれているようなのです、
特に朱点を多くする努力をしている所もあれば、そういう目的の選択飼育はしていない所もあるようです、
つまり養魚場によりやり方が違う、魚が違う、品種改良の方向性が違う、
そして、それぞれが自然河川に放流されている、
ここに何らかのガイドラインが必要ではないだろうか?
この項、続く。
これまでも色々とご教示いただいてきた本州の渓流魚研究家の田中篤さんんから、貴重な情報が寄せられました。
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変化するアマゴ 毒キノコアマゴ
田中 篤
最近、アマゴが変わりつつある、
それも劇的に!
アマゴと言えばヤマメから派生した亜種、
アマゴの特徴と言えばヤマメにはない朱点です。
生息地域は酒匂川以西の太平洋側河川、 四国及び瀬戸内海にそそぐ河川です。
くわしくはこちら。
https://enoha-tei.com/amago-seitai/
最近はこのアマゴの放流魚の朱点がおかしい!
ここ数年の間に大きな変化が見られる、
朱点がより多く、より大きくなっている、それも極端に、
色がより赤く濃くなったり、盛り上がったものもいる、
これらの魚は四国や紀伊半島、木曽川水系でも見られる、もっと調べればさらに沢山いるかもしれない。
魚の模様、外見なんて、個人的見解や趣味によって違う曖昧なものと思っていたが、以下の写真を見比べて欲しい、明らかに今までのアマゴとは明確に違うのが分かると思う。
私の釣りのテリトリーは主に木曽川なので、まず木曽川水系で釣れた朱点の多いアマゴの写真を紹介したい。
ちなみにこの系統のアマゴを我々の仲間内では勝手に「毒きのこアマゴ」と呼んでいる、
とはいっても 食べて毒があるわけではありません。
毒きのこは派手なベニテングタケのように赤い色で自身の毒性をアピールしているものがあるが、この派手さが毒きのこに似ていると感じるからだ。
1毒アマ1
2毒アマ2
3毒アマ3
4毒アマ4
5毒アマ5
6毒アマ6
7毒アマ7
8毒アマ8
9毒アマ9
これら、放流アマゴの特徴はとにかく朱点が多い、大きい、
それもパーマークに匹敵するほどの巨大なものもあり、すでに点とは言い難い個体もいる、
朱点の数が非常に多く、背びれや尾びれの付け根や目玉の部分、目の前にまで付いているものもいる。
(パーマークもかなり乱れている。)
こちらは三重県に住む友人が釣ったもの。(釣り人M氏)
10三重1
11三重2
12三重3
13三重4
14三重5
15三重6
16三重7
朱点が非常に多くて、その色も血のように赤い。
良く見ると朱点の部分が盛り上がっているものがいる、まるで病気の腫れものだ。
ちなみにこちらは過去に釣れた普通のアマゴ、
朱点はあるがサイズは小さく、数も少ない。
17普通
18普通
19普通
20普通
21普通
アマゴはイワナに比べて養殖の歴史も長く、生息域も人間の生活圏に近いので、
河川のアマゴは養殖魚の影響を受けやすく、養殖魚の影響のない天然アマゴと言える魚は少ない、
私の知っている中では放流されていない可能性が高い所が2か所あるので紹介したい。
ここは木曽川水系の支流の支流の堰堤の上、
近くには林道が無く、堰堤の上はアマゴしか生息していない、
堰堤の下までは放流イワナとアマゴが釣れる、
つまりこの堰堤の上は放流されていない可能性が高い。
特徴は黒点も朱点も少なく、朱点の無いものもいる、
パーマークも丸くてくっきりしている。釣り人 小川氏。
22小川
23小川
24小川
25小川
26小川
こちらは奈良県熊野川水系のアマゴ、
近くに林道も無く、簡単には到達できない山奥の川、
なので放流はされていないと思われる。釣り人 荒谷氏。
27荒谷
28荒谷
29荒谷
30荒谷
ここも少ない朱点と丸いパーマークが特徴だ、
これらが在来のアマゴだとすると、在来のアマゴは朱点は少なく、中には朱点の認められない個体も存在するという事だろうか?
こうしてみると在来のアマゴ、あるいは旧来の養殖アマゴは朱点は控えめだ、
それが近年、急激に変化しつつある、
朱点がより多く大きく派手派手になっている、
我々の言うところの、アマゴの「毒きのこ化」が進行している。
以前、ヤマトイワナの生息圏である木曽川水系にニッコウイワナが放流され、ヤマトイワナが激減したが、現在ではアマゴで同様の入れ替わり現象が起こりつつある。
アマゴの生息域は日本の中では比較的狭い地域なので、渓流釣りをやる人でもアマゴを良く知らない人も多いようだ、
そんな人達ならこの養殖アマゴを見ると朱色が綺麗だしアマゴらしいと思うのかもしれないが、昔からアマゴを知る我々にとっては全くの別種の魚に見えるのだ。
なぜ、このようなアマゴができたのか、噂で聞いた話だが、アマゴの特徴と言えば朱点、
なので特に朱点の多いアマゴを親魚にして継代飼育を続けると、だんだんと朱点の多いアマゴができるらしい、
家畜の品種改良と同じだ、ただ過ぎたるは及ばざるがごとし、だと私は思う。
家畜であれば生まれてから死ぬまで人間の管理下にあり、品種改良した種が野生化する事はない、だから極端な品種改良をしても人間の役に立ちさえすれば良い、
しかし養殖魚は自然河川に放流する、するとそこに棲む魚と混じり合ったり置き換わったりして生態系を変えてしまう、
養殖魚はたんなる家畜とは違うのです。
実は木曽川水系でもすべての川でアマゴの毒きのこ化が進行しているわけではない、
養魚場も沢山あって養魚場によって飼育しているアマゴの形態に差が生まれているようなのです、
特に朱点を多くする努力をしている所もあれば、そういう目的の選択飼育はしていない所もあるようです、
つまり養魚場によりやり方が違う、魚が違う、品種改良の方向性が違う、
そして、それぞれが自然河川に放流されている、
ここに何らかのガイドラインが必要ではないだろうか?
この項、続く。
これまでも色々とご教示いただいてきた本州の渓流魚研究家の田中篤さんんから、貴重な情報が寄せられました。
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