花と徒然なるままに

四季の移り変わりは植物が一番感じさせてくれます、
少しでもそれに触れられたらと思っています。

春の黄色い野草達、クサノオウ、ケキツネノボタン、カタバミ、ヤマブキソウ、他

2020-04-18 | 花の写真
春には木々を含めて黄色い花が目立ますね。
その理由は、花の色は人間の鑑賞の為にだけある訳ではなく、
植物の生殖戦略と関係がある為の様です。補足は後述。 

クサノオウ(瘡の王、草の黄)
ケシ科クサノオウ属、越年草、有毒植物、花期:5月~7月 、野原に生育、
全体がやわらかく粉白色を帯び、傷付けると黄色の汁がでる。
葉と茎に縮れた毛がある。枝先に黄色で径約2cmの4弁花が数個つく。
 

ケキツネノボタン(毛狐の牡丹)
キンポウゲ科キンポウゲ属、越年草、有毒植物、花期:4月~7月
萼片は5、花時に反り返り、広卵形、長さ3.5mm、背面に毛がある。花弁5、黄色、長さ4〜5mm。
集合果は球形径約1.5cm 、コンペイトウのような実の先に付いている棘のような部分が、 
ほとんど曲がっていない、そっくりに似た花のキツネノボタンとの違いが、
毛が多いことと、キツネノボタンほどに鈎のように曲がっていないことです。
 

ミツバツチグリ(三葉土栗)
バラ科キジムシロ属、多年草、花期:4月~5月
葉は3小葉からなり、頂小葉は長楕円形 、表面は光沢ない。
花は直径約10〜15mmの5弁花。花床には少し毛がある。

ヘビイチゴ(蛇苺)
バラ科ヘビイチゴ属、多年草、花期:4月~6月、
茎は長く地を這う、葉は3小葉、花径1.2~1.5cm、5個の萼がある。
花弁(花びら)と花弁の間に隙間が開いて萼が見えるのが、特徴です。
また真中の雌しべの塊がこんもり丸いのも特徴の一つです。
また雌しべは熟す前にオレンジ色になります。
葉の3小葉はミツバツチグリと同じだが、三つ葉がすき間なく、ツチグリは開いている。

カタバミ(片喰)
カタバミ科カタバミ属、多年草、花期:5月~9月、普通にどこにでも見られる。
茎は地をはい、葉は3小葉、小葉はハート形。花は黄色。さく果は円柱形。
カタバミの種類もあるが、黄花とのことでこれだけとしておきます。

アカカタバミ(赤片喰)
花の中心部も赤くなる。
 

コメツブツメクサ(米粒詰草)
マメ科シャジクソウ属、1年草、ヨーロッパ原産、花期:5月~7月、
葉は3小葉からなり、葉柄は長さ2〜5mmと短い。小葉は長さ0.5〜1cmの倒卵形。
花序は直径7mmほど。花は黄色で長さ3〜4mmと小さく、5〜20個が球状に集まる。
非常によく似たコメツブウマゴヤシがあるので、正直見ただけでは分からない。
葉に毛が多く、花が終わると花弁が落ちるとあるので、花後の方が見分け易い?


ヤマブキソウ(山吹草)   別名:クサヤマブキ
ケシ科ヤマブキソウ(クサノオウ)属、多年草、花期:4月~6月、山麓や林下に群生。
花がヤマブキに似ていることによる。
小葉は長さ1~5cmで縁は不規則に切れ込み、鋸歯がある。3~5枚の小葉がある。
上部の葉腋に黄色で径4~5cmの4弁花をつける。
 
 

黄色い花が多い理由:
虫媒花の花にとって、昆虫が花粉を運んでくれるかどうかが 非常に大事です。
昆虫を引き付ける為には、香りと色がかかわっていて、花と昆虫の良い関係から、
早春にいち早く活動を始める昆虫にはアブやハエの仲間が多く、黄色い色に敏感の様です。
因みに、紫外線を含む青や紫の短波長の光には昆虫は反応し易く、赤色の様な長波長の光には
反応が鈍いのです。人には黄色い花や白い花も昆虫には淡い青色に写ると言われている。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



似た花同志、ムラサキケマン、キケマン、ジロボウエンゴサク、ヤマエンゴサク、他

2020-04-18 | 花の写真
花のが似ていて良く名前を間違えてしまうものがあります。
ケシ科キケマン属を中心に近所から撮ったものです。

ムラサキケマン(紫華鬘)
ケシ科キケマン属、越年草、花期:4月~6月、野や丘の藪陰に咲く。
セリに似た葉は、夏には枯れてなくなる、
花は茎の上部にびっしりと総状につき、紅紫色で長さ1.2〜1.8cm。 
花弁は4個で、外側の2個と内側の2個は形が異なる。外側の上の花弁は後ろが袋状で突き出る。 
名の由来は、ケマンは花を糸で通した飾りで、これに似て紫の花が咲くと言う意味から。

シロヤブケマン(白藪華鬘)
ムラサキケマンの品種として分けられる。 
先端に紫色があっての白花をいい、完全な白花をユキヤブケマンという。  

キケマン(黄華鬘)
ケシ科キケマン属、越年草、花期:4月~5月、
花は総状花序につき、黄色、長さ15〜20mm。苞は披針形。 
果実は長さ約3cmで種子が2列に並んでいる。


ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)
ケシ科キケマン属、越年草、花期:4月~5月、山麓の林の中。
丈は15cm程のひょろひょろした草、エンゴサクの仲間は、花や葉に変化が多く、一見では見分け難い。
左右相称で唇状の花で、上部の花弁は後が袋状の長い距になっている。 
エンゴサクは この仲間の中国名で(漢方では薬草)、ジロボウの名は、スミレを太郎坊、
これを次郎坊と言った伊勢地方の方言からでている。因みに三郎坊の花はないようです。
 

ヤマエンゴサク(山延胡索)
ケシ科キケマン属、越年草、花期:4月~5月、
ジロボウエンゴサクより青味が強いのが普通です。
 

ジロボウエンゴサクとヤマエンゴサクの見分け方で一番分かり易いのは、
ヤマエンゴサク(左)の苞(花のすぐ下にある小さな緑のもの)は歯牙か欠刻がありますが、
ジロボウエンゴサク(右)は丸い形をしています。 
分かり難いと思います、不要不急の外出自粛ですので機会が有れば撮り直しておきます。

セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)
キンポウゲ科ヒエンソウ属、1年草、有毒植物. 中国原産、花期:5月~6月、
セリのような葉、ツバメが飛んでるような形の花からついた名。
長さ1~2㎝、花はまばらな総状花序につく 。
萼片は5個で花弁状、 最上部の萼片には長さ約1㎝の距がある。  

普通は青い色が多いですが、家の周りには白いセリバヒエンソウも多く見られます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー