シカゴⅢからのシングル第2弾「ロウダウン」(3:33)
この頃のシカゴはアメリカン・ロック史において人気の頂点に達していたので、シングルカットを次々に敢行
アルバム、ライブ、シングルと、どの分野においても注目の的でした
これは珍しくリズム隊のピーター・セテラ、ダニー・セラフィンの作品
よって曲の構成もリズムアンサンブルに徹底したこだわりが垣間見えます
ピーターお気に入りのミディアムテンポで乾いたフィーリングのカントリー・フレイヴァーが散りばめられたご機嫌ロック・ソング
テリーのコードカッティングから軽快なイントロがスタート
ワウを駆使したギター・ソロからお馴染みのかっこいいブラスセクションに受け継がれていくという完璧で高度な流れを余裕でさらっと披露してくれちゃうのですよ
歌詞の内容はピーターらしく「人生、恋人、故郷に絶望して落ち込んでいる男の心の叫び」という切ないもの
そして当時の話題を独占したのは、ここ日本のみでなんと日本語シングルが英語盤と同時発売されたことです
日本のロック専門誌でもそのレコーディング風景が白黒写真で特集が組まれていました。
アメリカでは1971年4月リリース
(全米最高ランクは35位)
日本では7月1日発売で50位をマーク
写真の青ジャケットは、シカゴ初のベストアルバム(日本独占発売企画)「栄光のシカゴ」から引用
英語盤のB面はジャズ・テイスト満載のファスト・ワルツ「孤独なんて唯のことば(LONELINESS IS JUST A WORD)」(ロバート・ラム作2:37)
輸入シングル盤も同様…
来日記念盤の日本語EPは訳詩を何とフォーク・クルセイダーズのメンバーでもあった北山修氏が担当(ジャケットの上下は白抜き)
この後に日本語EP第2弾「クエスチョンズ67&68」も発売されますが、そこでは2番の日本語歌詞は存在するものの歌われていません
でも「ロウダウン」は収録時間に余裕があったため全て日本語でカット無しで歌われています
B面はテリー・キャス&ロバート・ラム作のハード・ドライヴィング・ブラスナンバー「欲しいのは君だけ(I DON’T WANT YOUR MONEY)」を収録
普段は甘い歌声でリスナーを魅了しているボビーがここではドスを効かせたワイルドなお兄さんをがなり声で演じています
一発録り演奏の前後に聞かれるメンバー達のスタジオにおけるやりとりがユニーク
他はそれらのシングル「ロウダウン」を両面に収録した非売品盤
英語&日本語のカップリング
ジャケットは「シカゴⅢ」のロゴを代用
ぎこちない手書きでタイトルと発売日をコピーした用紙が封入されています
