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日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

財政破たんを考える その11 年金1.

2016-05-31 10:39:25 | 財政
財政悪化を考える上で無視できないのが社会保障
費の増加である。今回はその重要な構成要素である
年金についてみてみよう。

年金の支給額は約50兆円程度で、その財源は年金
保険料、年金運用益、年金積立取り崩しで賄われま
すが、それ以外に現在一般会計から11兆円支払わ
れている。

年金財政の危機が警告されているのは、高齢化で
年々支給する年金が増加するのに現役世代の支払
う年金保険料が追い付かず、年金積立金の取崩し
や一般会計からふりかえる金額が増加することが
不可避であることによる。

これに対し政府は収入面では保険料を毎年引き上げ
支払面では年金改正の都度減額するだけでなく、マク
ロ経済スライドを導入し、物価上昇時に支給額を抑え
ることで年金負担の圧縮を図っている。

団塊世代が完全に年金生活に突入し、寿命も延びて
いることから、年金財政は今後も赤字が拡大すること
から、更なる保険料上昇や年金削減は不可避と考え
られており、このことが高齢者の消費意欲の減退と
若者の年金不信をもたらしている。

財政的に見れば、この方向性は間違ってはいない。
しかし肝心なところが抜け落ちている。

それは現在日本で65歳以上の大部分の高齢者の
生活を支えているのが年金であり、その高齢者が
消費支出に占める割合が大きいという事実である。

平成25年度時点で厚生年金の平均月額受給額は
145,596円、65歳以上の単身世帯の月平均支出
額は146,979円となっている。

夫婦2人では一般的に月26万円が必要とされており、
単身でも夫婦2人でも退職前と比較し節約したとして
も年金だけでは足りず貯蓄を取り崩さざるをえないの
が実情である。

財政面だけを見て年金額を削減すれば、そのツケは
仕送りという形で子供の層の負担増につながるか、
生活保護の増加という形で政府の負担増に繋がりか
ねない。

また、年金保険料を大幅に増やせば若年層の可処分
所得が減少し、消費が減少するだけでなく、若年層が
退職後に必要な貯蓄をする余裕がなくなり、結果的に
彼らが高齢者になった時の負担を増やすことになる。

年金財政を改善するには退職後の生活をどう維持
するかという視点を忘れてはならない。

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財政破たんを考える その10 補助金

2016-05-27 13:22:09 | 財政
政府は多額の補助金を支出しており、その内訳は多
岐に及び、各省庁の管轄分野のほとんどで何らかの
補助金や助成金が設定されている。

身近なものとしては太陽光発電やエコカーに関する
補助金などがある。

補助金や助成金は国や地方公共団体が政策上の
るべき姿を目指して支給されるものである。

しかし、補助金に関しては効果を上げていないという
批判が絶えない。

農業分野については、長年様々な補助金を設定して
きたが日本の農業は一向に改善されていない。

スーパーコンピュータや半導体、太陽光発電、液晶等
産業分野でも多額の補助金が投入されてきたが、それ
らの産業分野で日本は敗退を余儀なくされつつある。

補助金は政府の目的設定が正しく、必要な資金が適切
な相手に適切なタイミングで支給されることで効果を上
げることができる。

しかし、実際はそうなっていない。

過去、高度成長期においては、官僚は欧米先進国
の実情を勉強し、それを日本に移植する計画を立て
それに必要な補助金を設定し、日本の産業を発展
させることに貢献できた。

しかし、現在では日本は既に欧米を手本とする段階
にはなく、海外を視察して日本に導入するという手法
はもはや使えない。

この段階で事業について何も知らない官僚が設定す
る目標の多くは実態とあっておらず、多くの補助事業
は多額の金を費やしても何ら目に見える効果を上げ
ることのできなかった。

農業分野や商店街活性化等、何十年も前から補助金
を設定しながら、農村や商店街が衰退し続けているの
がその証拠である。

また、補助金の多くは、目的だけでなく、その中身も官
僚的であり実用的でない。

特に、補助金等を使って製造設備を作る場合、不必要
な設備や過度な安全設備の整備を義務づけられること
が多く、結果的に補助金を貰っても安くならないケース
も多い。

さらに、補助金で作った設備ついては、環境の変化で
時代遅れとなっても勝手に処分や廃棄ができず、経営
上大きな障害となることも多い。

また、補助金の受給先や窓口としては業界団体や協同
組合等が多く、官僚と業界の癒着の原因となっている。

現在では官僚が業界を主導するというのは現実的では
なく、それを前提とした補助金制度そのものも不必要で
ある。

貴重な税金を補助金のような非効率で効果の無いもの
に費やすよりは、規制を廃止し、事業者の自主性に委
ねる方が結果的に産業発展にはプラスである。

財政危機の中ですでに時代遅れとなった補助金に多額
の予算を費やすことは大いなる無駄遣いであり、補助金
は可能な限り削減すべきである。


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財政破たんを考える その9 財政政策

2016-05-26 11:16:12 | 財政
アベノミクスによる金融政策の大幅緩和にも拘わら
ず、景気の停滞が誰の目にも明らかになってきたた
め、政府に財政政策を求める声が高まっている。

しかし、この財政政策こそ過去に日本の財政状態を
大幅に悪化させた元凶でもある。

バブル崩壊が始まった1991年度にはわずか172兆円
だった国債残高は小泉内閣終了後の2007年度には
681兆円まで膨張しており、今日財政危機が叫ばれ
る原因はこの時期の国債多発にある。

この原因は社会福祉費の増加ではなく、景気回復の
為に投入されたの多額の財政支出にある。しかし、
多額の財政政策を実施したにも拘わらず今日に至る
まで日本経済は低迷したままである。

この事実をもって今回の安倍政権以前では、財政健全
化を優先する立場の者からは「財政政策は景気浮揚
に効果はない。」との主張がなされ、財政政策をしてで
も景気浮揚を図る立場より、何もせず不況を許容し増
税で財政再建を図る立場の方が有力であった。

これについて私の立場は、景気対策の後、十分に景気
が浮揚し安定軌道に入る前に、増税等の国民負担増
加策を実施した為、アクセルとブレーキを同時に踏む
ことになり、景気回復できなかった、というものである。

では財政政策についてはどう考えているかというと、
多くの場合財政政策は短期間で効果を上げることを
優先している為、十分に検討し乗数効果の高い事業
に資金を投入するというよりは、手間がかからずすぐ
に実施できるものに投入されることが多い。

その結果、投資した資金分は一時的に景気が浮揚す
るが、他に派生して乗数効果で加速度的に景気が好
転することがなく、その場限りの効果しかない場合が
多かった。

その証拠に、バブル崩壊後あれだけ多額の資金が
投入されたにも拘わらず、現在に目に見える形で
残っているものが何もない。

現時点で財政政策を実施することは否定しないが、
単にその場限りの景気浮揚を狙うのではなく、後々
日本経済にプラス効果を与えるような空港・港湾の
ようなインフラを整備する為に使用すべきである。

全国に分散して穴を掘って埋めるような公共投資で
は無駄遣いと言わざるをえない。

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財政破たんを考える その8 公務員

2016-05-25 10:41:28 | 財政
財政が悪いという警鐘を耳にした時、誰でも頭に浮か
べるのが公務員の給与である。

通常民間企業の場合、企業業績が悪化し将来倒産す
る危機に直面した時、給与カット等の人件費削減が実
施される。

しかし、日本国の場合、国も地方も財政危機が盛んに
叫ばれているにも拘わらず、公務員の人件費はカット
されるどころか、民間以上に引き上げられている。

また、勤労者平均年収が415万円程度に対し、公務員
の平均給与は国家公務員が662万円、地方公務以下
が728万円、独立行政法人が732万円に達する。

民間の正規男性の平均年収が532万円であることか
ら判断すれば、赤字財政で破綻がささやかれる日本
国の従業員である公務員の給与水準は高すぎると言
わざるをえない。

特に地方公務員においては、民間の同種の仕事と
比較し極端に給与水準の高い場合が多く、これにつ
いては緊急に是正が必要である。

また、退職後についても民間に比べ大幅に優遇され
ては問題である。

年金額についてもようやく厚生年金と一本化されたと
はいえ、平成27年10月まで共済加入していた分に
ついては職域部分が従来通りされる。

民間企業の場合、3階部分の企業年金は自分の退職
金が原資であるが、3階部分である公務員の職域加算
部分は税金が原資となっている。

破綻寸前と言われる日本国の従業員である公務員が、
健全な財政状態を誇る日本の国民より優遇されている
のは納得できない。(日本国は借金まみれだが、民間
を加えた日本全体では世界最大の債権国で超優良)

また、天下りについても一向に無くならないどころかむ
しろ増加している。特にキャリア官僚が税金で賄われ
る外郭団体に天下りし数千万円もの退職金を何度も
受け取る制度は公務員の悪しき利権と言うほかなく、
税金の無駄遣いであり、財政難を強調し国民に負担
を求めるなら即時止めるべきである。

また、2000億円もの巨額の税金を投入しながら何の
成果もなかった住基ネットや、これをごまかすために
さらに巨額の税金を投入しながら、今だにトラブルが
多発し実用の目途がたたないマイナンバー等、自省
の権益を確保する為の無駄遣いと、無責任体質によ
る失敗等の公務員による税金の無駄遣いが後をたた
ない。

さらに、天下り先を確保する為、必要もないのに多くの
箱物や外郭団体を作ったり、不必要な規制を設置し、
民間でのポスト確保に余念がない。

このような公務員の権益優先体質と責任を追及され
ないことによる無責任体質を放置したまま、いくら増
税しても財政再建など実現できない。

国民負担を求める前に、少なくても公務員出身者に
ついては天下りした外郭団体での退職金を廃止す
べきであり、仕事の実態に応じた給与水準にすべき
である。新聞を読むだけで1000万円以上の年収と
いうのはあまりにも国民をバカにしている。

公務員については、破綻企業の従業員らしく、低賃
金を甘受すべきである。

少なくとも、公務員の平均年収は正規男性の平均年
収532万円以下にすべきである。また、賃上げにつ
いては名目GDPの上昇・下落に準拠すべきである。


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財政破たんを考える その7 特別会計

2016-05-24 10:20:47 | 財政
まとめでも記載した通り、ここ数年で手を打たない
限り日本の財政は破綻する、というほど切羽詰まっ
てはいないが、このまま放置すれば20年程度で日
本の財政は危機的状況に陥る。

財政再建の為には継続的に収入を増やし支出を減ら
すことが必要であるが、ここでは支出を考えてみる。

日本の予算はいくらか、という質問をすれば多くの国民
は96兆円という一般会計の金額を思い浮かべる。

しかし、日本の実際の予算額は特別会計403兆円を加
えた499兆円にも達します。(会計間の重複を含む)

この内、国民の代表である国会議員が審議するのは一
般会計だけですから、日本の予算の大部分は国民の
チエックを受けないところで使用されていることになりま
す。

民主主義国家の予算は最低限以下の三つを見たし
ている必要があります。
公開の原則:国民に公開されなければならない。
明瞭性の原則:国民にとってわかりやすくなければな
          らない
事前議決の原則:会計年度の始まる前に国会の議決
           を得なければならない

この意味で言えば日本は国民主権の民主主義国家
ではなく、その本質は官僚主権国家であると断言で
きます。

単一予算主義の例外は、他の先進国では多いとこ
ろでも0.5倍程度と言われており、一般会計の4倍
もの特別会計を持つ国は異例です。

特別会計については無駄遣いの温床とか、官僚利
権の為の予算とか様々なことが言われています。
実態は知りようがありませんが、少なくとも特別会計
についても一般会計と同様に国会で審議すべきでは
ないでしょうか。

予算を削減する時に96兆円にすぎない一般会計の
中から削減できる項目を捜すのではなく、特別会計
を含む499兆円から削減できる項目を精査するのが
当然の対応です。

政府や官僚が財政危機を認識しているのであれば、
最初に手をつけるべきは特別会計であり、まず特別
会計と一般会計を合算し、国会で国民の目に見える
ように審議すべきです。



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