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日本の国はここがおかしい

将来の希望を失いつつある日本。国民が安心して生活できる国になるにはどうすればいいか

年金の繰り下げ支給年齢を75歳まで拡大、しかし政府の思惑にのるのは危険

2020-07-10 09:36:20 | 年金
年金を受け取り始める年齢は原則65歳からで、今は60~70歳から選ぶことができる。今回の法改正によって、2022年4月からは60~75歳の
好きな時期から受け取り始めることができるようになる。

受け取り開始を66歳以降に遅らせる「繰り下げ受給」をすると、年金額は1カ月遅らせるごとに月0・7%ずつ増える。受け取り始めるのが70歳からだと、
原則の「65歳スタート」と比べて毎月の年金額は42%増え、75歳から受け取り始めると同84%増える。

これだけ見ると健康に自信があり、65歳時点で貯蓄等があり生活に困らなければ繰り下げ支給をした方が有利に思える。
また、今回75歳まで受給可能年齢を伸ばしたのもできるだけ繰り下げ支給を増やしたいという政府の狙いもある。

しかし、繰り下げ受給は必ずしも有利とはいえない。年金額が増えれば税金や社会保険料の負担もまた増えるからである。特に国民健康保険の場合、
収入が少し増えただけで大きく負担が増加する。

政府は支給開始年齢を遅らせることを狙っており、今回の改革もその下準備である。政府の思惑に乗って目先の金額につられ
安易に繰り下げ支給することは推奨できない。
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マクロ経済スライド適用による年金減額は日本の衰退を早める

2020-01-27 10:26:45 | 年金
「マクロ経済スライド」が2年連続で発動され、2020年度の年金支給額が実質0・3%減となることが分かった。
安倍政権の7年間の合計では実質6・4%減になる。
20年度の改定では物価が0・5%増、名目賃金が0・3%増だったため、名目賃金が指標になった。
その上で、マクロ経済スライドによって0・3%から、公的年金の被保険者数と平均余命の伸びから
算出した削減率0・1%を引き、名目の改定率は0・2%増となった。しかし0・2%増といっても、
物価変動率0・5%増を下回っており、年金支給額は実質では0・3%減となる。

財政改善を名目とし、消費税増税に加え年金の減額が、経済優先のはずの安倍内閣の下で実施されているが、
これは日本経済をさらに悪化させ結果的に財政を悪化させる悪手である。
日本経済は金融面でも消費面でも高齢者世帯に依存していることを忘れている。現在65歳以上の高齢者世帯は
全世帯の半分に達している。さらに高齢者世帯の1/3が2500万円以上の金融資産を有している。

安倍総理が賃上げを叫び、仮にそれが実現できたとしても、高齢者の消費意欲を抑えては個人消費は拡大しない。
消費税の増税や年金が実質減額されつづけることが、高齢者の将来不安を煽っており、金融資産があっても
消費をますます抑える傾向にある。これが個人消費を抑え日本のGDP成長を妨げている。

政府も高齢者の金融資産を使わせようと住宅資金贈与枠1200万円、教育費枠1500万円等の制度を設けているが、
これを利用できるのはごく一部の金持ちの高齢者であり、金融資産5000万円に達しない高齢者では利用できない。
こんな特別な制度よりも年金を安定させることで高齢者の将来不安を解消する方が消費を増やすうえでは余程効果的である。

バフル崩壊後経済を停滞させてきたのは将来不安であり、最も効果的な経済政策は国民の将来不安を
解消できるビジョンを政府が示すことである
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厚労省による勤労者からの搾取、厚生年金と国民年金の積立金一本化という非道

2019-12-12 09:50:35 | 年金
厚生労働省は、いまは別々に管理している国民年金と厚生年金の積立金の統合を検討している。

17年度末の国民年金の加入者は約1505万人で、18年度末時点の積立金は約9兆円。
一方、厚生年金は約4358万人で約157兆円だが、相対的に財政が安定している厚生年金の積立金を活用し、
将来の年金水準が大きく下がる国民年金の底上げを図るのが狙いである。

これは勤労者からの搾取である。

年金制度を巡っては、多くの勤労者は気づいていないが、勤労者が営々と払い続けた年金保険料が搾取され続けている。

元々厚生年金と国民年金は完全に分離しており、勤労者は厚生年金保険料と積立金から年金の全額を受け取っていた。
国民年金は発足当初から赤字体質であったが、厚生年金は十分に余裕があった。

それが1985年の改悪で全国民共通の基礎年金制度の創設され、厚生年金の一部が基礎年金に分離されることになった。
その過程で勤労者の厚生年金保険料が赤字の国民年金を埋める為に搾取されることになった。

現在、年金制度は財源不足で毎年のように年金保険料が引き上げられているが、
基礎年金制度による国民年金への拠出がなければ厚生年金はもっと余裕があり、
より少ない保険料で今より多くの年金をもらえたはずであった。

今回の改悪計画はそれに輪をかけたものである。勤労者が長らく蓄えてきた積立金を勤労者の為でなく
勤労者以外の年金を支払う為に流用しようというものである。

これはあきらかに勤労者からの泥棒行為であり搾取である。

勤労者はこれからも多額の保険料を取られ続け、受け取るときは他に流用したため財源がないから我慢せよと、
支払いに見合わない年金しか受け取れない現状に甘んじなければならないのか。
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マクロ経済スライドの実施は個人消費減少の起爆剤

2019-11-25 09:53:00 | 年金
毎年度実施する年金額の改定で、支給額を抑える「マクロ経済スライド」が
2019年度に続き20年度も発動される公算が大きくなった。発動の条件となる
今年1年間の物価などがある程度上昇する見通しとなったため。高齢者にとって、
今年度と比べた支給額は横ばいか増加となるが、増えたとしても物価や賃金の
上昇ほどは伸びず、実質的に目減りする。

安倍政権は賃上げを後押しする等の経済対策を実施してきたが、個人消費は
拡大せず経済対策の効果は上がっていない。

その原因は最も根本的なことをことを見落としているからである。
それは60歳以上の高齢層の個人消費は日本の個人消費の半分に達しているという事実である。

いかに賃上げや最低賃金を引き上げても高齢層の消費が増えないと日本の経済は成長しない。

ところが、安倍政権の実施してきたことはシニア層の消費意欲を減退させるものばかりである。
マクロ経済スライドの実施による年金の削減政策はその最たるものである。

年金が将来的に物価上昇をカバーできず目減りすることと、消費税増税等による可処分所得の
減少に対する恐怖はシニア層の消費行動を強く抑制している。これでは他でどんなに経済対策を
実施しても効果は期待できない。

年金を削減し続けても年金生活者が生活保護対象者に代わるだけであり、税金の節約には寄与しない。
それよりはマクロ経済スライドを廃止し年金生活者の将来不安をなくすことで
消費拡大を図った方が景気対策としても財政対策としても余程効果的である。
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厚労省の年金財政検証に潜む嘘、これだから政府の年金発言は信用できない。

2019-08-28 10:01:28 | 年金
年金財政検証でモデル世帯とされているのは、夫が40年間厚生年金に入り妻が40年間国民年金に加入している
専業主婦の世帯である。夫の厚生年金報酬比例比例部分が11万円、基礎年金および国民年金部分がそれぞれ
5万5千円の合計22万円を想定している。

実際は専業主婦の家庭は少数派であり、共稼ぎの家庭が主流となっており、この場合夫婦共正社員だとすれば
月額は33万円になる。一方で夫婦共非正規社員の家庭も多くこの場合は月額11万円となる。

このように、世帯によって、あるいは単身者か否かで老後生活は大きく異なり、一律にモデル家庭で論じる
こと自体が実態にあっておらず、これらの検証は国民を誤魔化す手段と化している。

また、厚労省は19年度のモデル世帯の年金額は現役の平均手取り月額の61・7%とし、今後も経済が
マイナスにならなければ公約の50%を割ることはないと主張している。

これなどは官僚の得意な数字を悪用した嘘である。手取りと年金支給額を比較して61.7%とか50%は維持する
といっても意味はない。手取りと比較するなら年金も手取りで比較すべきである。介護保険や健康保険、税金で
最低でも月2万円以上の負担になることから、61.7%という数字自体が嘘である。

現役世帯の50%を割らないと額面と比較しても意味はない。手取りで比較して初めて意味を持つ。このように昔か
ら年金に対する厚労省の発言は国民を騙すことばかりに注力しており、根本的に国民の老後生活を守る為にはどう
あるべきか、という視点で真剣に検討されることはなかった。
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