ドラマ『ロビイスト』の中で、軍事ヘリの導入に関して、「アメリカ製」か「ロシア製」かのロビーが行われていた。
技術提携をしない「アメリカ製」は、機体そのものも高額な上、ライセンス料がかかると軍関係者から一蹴されていたw
同じ事がF-22導入に際しても起きていたようだ。
アメリカが、当初、提示していた条件は・・・
①F-22の日本向け開発費は、全て日本負担とする。
②全てブラックボックス(技術を模倣されたり性能を分析されないために意図的に装置の内部を見る事ができない様に封印する)とする。←つまり、修理もメンテナンスもアメリカ。サイドで行うって事。
③ソースコードは、全て不開示とする。←心臓部のプログラムも全てアメリカ依存って事。
この条件を飲むと言う事は、購入代金だけじゃなく、維持管理していくだけでも相当な金額がかかる上、何の改良も出来ず、アメリカ任せとなってしまう。
漠然と浮かんだ疑問・・・
かつて、世界を震撼とさせた名機「零戦」を作り出した日本で、独自の技術開発は無理なんだろうか?
先の大戦後、アメリカは日本から二つの産業の復興を阻害したと言う。
それは、軍需に結びつく「航空産業」と「船舶産業」。
確かに「大和」や「武蔵」を生み出した造船技術や「零戦」を開発した航空機技術は、侮れないだろう。
日本海軍は、終戦間近に「ジェット戦闘機<橘花>」や「ロケット戦闘機<秋水>」を開発していたと言う。
「橘花」は、終戦直前の昭和20年8月7日に初飛行に成功したものの、実戦には参加できなかった。
同様に陸軍でも、未完成ながら「ジェット戦闘機<火龍>」を開発していた。
枯渇する物資状況と女性や学徒動員で労働力を賄っていた軍需工場で作られていた「疾風」は、戦後、アメリカに持ち帰えられ、部品等のメンテを行い、良質なガソリンでフライト・テストをしたら、アメリカのどの戦闘機よりも、優れたデータをたたき出したと言う。
そんな技術を封印したのだ。
しかし、その後「船舶産業」は、平和的産業復興に不可欠と言う事で認められる。
以後、日本経済を支える大型タンカーや貨物船など、優秀な船を造り出す産業として「造船業」は復活した。
「造船技術」の伝統は、こうして後世につなぐ事が出来た。
技術の蓄積は継承され、戦後10年余の昭和31年には、造船量も世界一となった。
また、自動懸吊装置、重油疎漏防止装置など、当時の優秀な潜水艦設計も継承され、日本の潜水艦建造技術もトップ・クラスだと言う。
一方、「航空産業」は認められぬまま、「航空機」の技術の継承は途絶える事となった。
敗戦国である「ドイツ」も同様で、連合国側から飛行機の設計・製造は禁止された。
日本と同じく、「船舶産業」のくくりに入る「潜水艦」の建造技術は伝承され、世界のトップ・クラスの水準だ。
実際、アメリカは過去に2度、日本の航空産業に圧力を掛けたと言う。
それは、名機と言われる国産旅客機YS-11とそして早期退役を迫られた航空自衛隊の国産戦闘機F-1に関してだと言われる。
このような経緯の中、2007年、防衛省は8月10日、レーダーに映りにくいステルス性と高運動性を併せ持ち、エンジンも国産を使用した「国産戦闘機」の開発を視野に入れた「先進技術実証機<心神>」を開発する事を決め、5年以内の初飛行を目指しているそうだ。
日本では、↑の1970年代のF-1支援戦闘機以来、純国産戦闘機の開発援助を政府としては行っていない。
現在の主力戦闘機F-15は、アメリカとの「ライセンス契約」で国内生産されている。
なので実証機<心神>は、1995年、防衛庁技術研究本部で始まった戦闘機開発に必要な要素研究を集大成される事となる。
要素研究は、ステルス性と高運動性を備えた機体を意味する①「高運動飛行制御システム」②推力5tの「実証エンジン」③高性能のフェーズド・アレイ・レーダーに電子妨害装置を組込んだ「多機能RFセンサー」④機体に張り付ける薄いレーダーの「スマート・スキン」の四つの項目だそうだ。
中核となる機体は、フランスでのステルス性試験を終え、飛行試験を含む開発への移行を待つばかりだとか・・・。
外観は、レーダー反射を防ぐため曲線を多用、軽量化を図り、炭素繊維でつくられていて、双発エンジンの噴射口には、推力を上下左右に変更する三枚の羽がそれぞれ付き、急な方向転換も可能にしていると言う。
実証機開発の背景には、F-2支援戦闘機の製造がほぼ終わり、このままでは消滅する戦闘機の開発技術を維持、向上させる狙いもあるそうだ。
飛行試験は早ければ、2010年とみられ、順調にいけば、10年前後で純国産戦闘機が誕生する事になると言うが・・・
純国産を目指したF-2支援戦闘機が、アメリカの圧力によって日米共同開発になったかつての経緯をみても、日本が戦闘機開発には国内外の多くの障害は確実だろう。
防衛省は、F-22、欧州4ヶ国が開発したユーロファイター、米英などが共同開発したF-35など6機種を、後継候補として上げている。
しかし、有力候補だったF-22生産が中止となり、購入の見通しが立たなくなった今、<心神>の開発に改めて期待がもたれているそうだ。
関連過去記事 → ドラマ『ロビイスト』 ・ 戦闘機 ・ 潜水艦
技術提携をしない「アメリカ製」は、機体そのものも高額な上、ライセンス料がかかると軍関係者から一蹴されていたw
同じ事がF-22導入に際しても起きていたようだ。
アメリカが、当初、提示していた条件は・・・
①F-22の日本向け開発費は、全て日本負担とする。
②全てブラックボックス(技術を模倣されたり性能を分析されないために意図的に装置の内部を見る事ができない様に封印する)とする。←つまり、修理もメンテナンスもアメリカ。サイドで行うって事。
③ソースコードは、全て不開示とする。←心臓部のプログラムも全てアメリカ依存って事。
この条件を飲むと言う事は、購入代金だけじゃなく、維持管理していくだけでも相当な金額がかかる上、何の改良も出来ず、アメリカ任せとなってしまう。
漠然と浮かんだ疑問・・・
かつて、世界を震撼とさせた名機「零戦」を作り出した日本で、独自の技術開発は無理なんだろうか?
先の大戦後、アメリカは日本から二つの産業の復興を阻害したと言う。
それは、軍需に結びつく「航空産業」と「船舶産業」。
確かに「大和」や「武蔵」を生み出した造船技術や「零戦」を開発した航空機技術は、侮れないだろう。
日本海軍は、終戦間近に「ジェット戦闘機<橘花>」や「ロケット戦闘機<秋水>」を開発していたと言う。
「橘花」は、終戦直前の昭和20年8月7日に初飛行に成功したものの、実戦には参加できなかった。
同様に陸軍でも、未完成ながら「ジェット戦闘機<火龍>」を開発していた。
枯渇する物資状況と女性や学徒動員で労働力を賄っていた軍需工場で作られていた「疾風」は、戦後、アメリカに持ち帰えられ、部品等のメンテを行い、良質なガソリンでフライト・テストをしたら、アメリカのどの戦闘機よりも、優れたデータをたたき出したと言う。
そんな技術を封印したのだ。
しかし、その後「船舶産業」は、平和的産業復興に不可欠と言う事で認められる。
以後、日本経済を支える大型タンカーや貨物船など、優秀な船を造り出す産業として「造船業」は復活した。
「造船技術」の伝統は、こうして後世につなぐ事が出来た。
技術の蓄積は継承され、戦後10年余の昭和31年には、造船量も世界一となった。
また、自動懸吊装置、重油疎漏防止装置など、当時の優秀な潜水艦設計も継承され、日本の潜水艦建造技術もトップ・クラスだと言う。
一方、「航空産業」は認められぬまま、「航空機」の技術の継承は途絶える事となった。
敗戦国である「ドイツ」も同様で、連合国側から飛行機の設計・製造は禁止された。
日本と同じく、「船舶産業」のくくりに入る「潜水艦」の建造技術は伝承され、世界のトップ・クラスの水準だ。
実際、アメリカは過去に2度、日本の航空産業に圧力を掛けたと言う。
それは、名機と言われる国産旅客機YS-11とそして早期退役を迫られた航空自衛隊の国産戦闘機F-1に関してだと言われる。
このような経緯の中、2007年、防衛省は8月10日、レーダーに映りにくいステルス性と高運動性を併せ持ち、エンジンも国産を使用した「国産戦闘機」の開発を視野に入れた「先進技術実証機<心神>」を開発する事を決め、5年以内の初飛行を目指しているそうだ。
日本では、↑の1970年代のF-1支援戦闘機以来、純国産戦闘機の開発援助を政府としては行っていない。
現在の主力戦闘機F-15は、アメリカとの「ライセンス契約」で国内生産されている。
なので実証機<心神>は、1995年、防衛庁技術研究本部で始まった戦闘機開発に必要な要素研究を集大成される事となる。
要素研究は、ステルス性と高運動性を備えた機体を意味する①「高運動飛行制御システム」②推力5tの「実証エンジン」③高性能のフェーズド・アレイ・レーダーに電子妨害装置を組込んだ「多機能RFセンサー」④機体に張り付ける薄いレーダーの「スマート・スキン」の四つの項目だそうだ。
中核となる機体は、フランスでのステルス性試験を終え、飛行試験を含む開発への移行を待つばかりだとか・・・。
外観は、レーダー反射を防ぐため曲線を多用、軽量化を図り、炭素繊維でつくられていて、双発エンジンの噴射口には、推力を上下左右に変更する三枚の羽がそれぞれ付き、急な方向転換も可能にしていると言う。
実証機開発の背景には、F-2支援戦闘機の製造がほぼ終わり、このままでは消滅する戦闘機の開発技術を維持、向上させる狙いもあるそうだ。
飛行試験は早ければ、2010年とみられ、順調にいけば、10年前後で純国産戦闘機が誕生する事になると言うが・・・
純国産を目指したF-2支援戦闘機が、アメリカの圧力によって日米共同開発になったかつての経緯をみても、日本が戦闘機開発には国内外の多くの障害は確実だろう。
防衛省は、F-22、欧州4ヶ国が開発したユーロファイター、米英などが共同開発したF-35など6機種を、後継候補として上げている。
しかし、有力候補だったF-22生産が中止となり、購入の見通しが立たなくなった今、<心神>の開発に改めて期待がもたれているそうだ。
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