あかまど(仮)

net初心者で自称ソフト技術者。Gamer属性。netは人の望み?それとも?

イース・ストラテジー。

2007-05-04 17:37:19 | games
nintendoDSの「イース・ストラテジー」というゲームを買ってみました。
久々に秋葉原を歩いてて、たまたま安売りしてるのを見かけたのですが、発売は2006/03ごろのようです。

イースと言えばアクションRPGの黎明期の代表作で、わたしだとPCエンジンのCDROM2版が印象深かったりするのですが、最近も続編とかいろいろ出てるようです。ただ。このイース・ストラテジー。全然違います。RPGじゃないです。って名前を見ればわかりますね。
シミュレーションゲームです。しかもリアルタイムの。

まだ数時間のプレイなのですが、現状での評価は「微妙」。です。良くも悪くもないというのではなく、とてもいいところもある、とてもわるいところもある。という感じです。


イースといえば赤毛の八方美男のアドル君なのですが、どうも勝手が違います。主役は赤毛だけど目つきの鋭いアデルさんだそうです。敵味方とも、どうも「やたら二枚目でムダに影がある系」とか「おヒゲで豪快おじさま系」とか「とりあえずサイコでわるいやつ系」とか。テイストがPCエンジンじゃなくXBOXかMagaDriveCDかという感じです。もっと適切な表現をするなら、最近の、「男の子向けゲームと見せてメインターゲットは大きい女の子向け系ファンタジーゲーム」のお約束なのかも知れません。まぁ、このあたりは時代の流れとして受け入れるのがよさそうです。


シナリオは、うーん。うなっちゃいます。いくら「他国にその名の響き渡る英雄」とはいえ、一国の国王が、国家や世界の命運を握るアイテムや人を、記憶をなくした一人の冒険者(しかもその活躍ぶりは物語でプレイヤーに対して描かれていない)に託してみたり、その人が護衛も操舵手も付けず(描かれてないだけかもしれませんが)にバルト海(仮)を、お姫さまと2人で知人の友人を助けるために船で渡ってみたり。
超絶英雄な話はキライじゃないですし、悪いとは言わないのですが、シミュレーションゲームのシナリオとしてどうなのかしらという気もします。
「姫がさらわれた!すぐ追わなければ!しかし船は襲撃で使い物にならない!」という場面で、「農民に指示を出して畑を耕させて作物を収穫したり、近隣の森を伐採して材木を集めて、国力を蓄えて港を建設し、輸送船を造船して旅立ってみたり」、溜め込んだ資源を消費して「さっきまで会話してた主人公を基地で生産」してみたり、なんかそういう、もしかしたらゲームに対する痛烈なパロディとして笑えばいいのかも知れない、よくわからないお話です。
「そういうおはなし」として、さまざまな、すさまじい量の脳内補完作業をしつつ「眺める」のも全く不可能とは言わないつもりですが、感情移入とか物語に「没入する」のは、多分どんな人にもムリだと思います。
このへんも、「イマドキ感情移入してゲームする人はいない!」、「物語は何となく流れてればおっけー!」、「美形キャラと名場面と名台詞以外に何が必要と言うのか!」、「ユーザーが望むものはこれだ!俺がおもしろいと思うものはこれだ!」という達観からのゲームデザインなのかも知れません。
一方で、背景世界とか登場する国々の設定とかはとても作りこんである印象です。あるいは、背景世界関係はイースの別作品と共有されてるのかも知れません。


ゲームシステムは、世間的には「RTS」と呼ばれてるらしいです。リアルタイムシミュレーション。それも戦略級というのでしょうか。
おおまかに言えば、「市民が主役で、食料、建材、武器素材を採集して蓄積、戦闘ユニットや施設の生産をして、最終的には他国を攻め滅ぼす」というゲームです。

わたしはこのタイプのゲームのことはあまりよく知らないのですが、コンシューマ系だと、ドリームキャストの「ハンドレッドソード」あたりがわりと近いです。DSだとロストマジックがやや近いかも知れません。
確かMSがWindows用に出してるAge of Empireあたりがこれにかなり近いシステムだった気もするのですが、わたしが一番似てると思ったのは、Windows用の「コサックス」というゲームです。
目立った違いは傭兵館と研究所がないぐらいでしょうか。コサックスはとても好きなゲームだったのですが、ちょっと売り方とか商品展開とかが、何かちょっと人に薦めにくいソフトでもあった気もします(同日訂正:コサックスそっくりは褒めすぎでした)。


操作系は、「あのコサックス」がペンで遊べる、という期待をしてたのですが、期待したほどにはよくありませんでした。
まず、アイコンの意味が解りにくく、覚えるまで全く行動できません。慣れれば済むという話ではあるのですが、せっかく2画面あるのですし、コマンド選択中はペン入力以外に十字キーもコマンド用カーソル移動に割り当てて別画面にでもToolTipsが出るとかしてもバチは当たらないと思います。最終的にペン入力に落ち着くにしても、学習過程が考慮されてない感じです。マニュアルを見ろといわれればごもっともなのですが、「マニュアルを見ないと事実上プレイにならないDS用ゲーム」は、個人的には、初めて、です。
ドラッグによるユニット選択操作はよいのですが、「複数種のユニットをまとめて選んで、その中の特定兵種のみにまとめて命令」、といった、既に他のゲームで提供されている入力方法がないらしく、事実上ユニット一つずつに命令を与えるとか、単一兵種は全マップで一箇所で運用するとか、何かしら「無意味」と思える工夫が必要となるようです。いっそ「ドラッグで矩形範囲選択」じゃなく「ドラッグでなぞって選択」の方がペンに馴染んだ気もします。
細かいところですが、ユニットの移動後も、手動でキャンセルするまで移動先を再選択できる状態になっているため、次々に命令を出していくのがムダに面倒な気がしました。
森のそばで戦ってると、「命令が出せるわけでもない木」も選択対象になったりするので、用兵がさらに困難になったりするようです。
ボタン一つで全ユニットの順次巡回はできるので、ユニット数が少ないうちはさほどの不自由ないと思うのですが、全体として、ユニット選択方法が洗練されてない印象です。
「十字キー、画面端でのドラッグでのスクロール」が妙に重くて不便です。一応「Lボタンで画面切り替えして縮小マップで該当地域を選択」すればいいのですが、それもかなり反応が鈍かったりでストレスは溜まります。


グラフィックはDS用RTSとして個人的には文句がないのですが、何と言うかこの8頭身ドット絵の農民たちに「イース」というタイトルを着せることにものすごい違和感はあります。「一昔前感」、「PC98感」がイースっぽいということでしょうか?


RTS(というより端的にコサックス)がDSで、ペン入力で、しかも対戦でできる(P2Pのみでマッチングのサービスはないようです)というのは画期的・感動的な気もしたのですが、どうにもいろいろちぐはぐな印象はぬぐえません。
対戦ゲームとしては「確実におもしろそう」です。もう最強クラスの期待度です。実際プレイできる相手と環境がないので「おもしろそう」止まりなのがとても残念です。


「イースの名とRTSの画面」という組み合わせがなければ、わたしが手に取らなかったことも確かな気がするのですが、その一方でイースの名を冠するにこれほどふさわしくないゲームシステムもないという気もします。
あえて総評するなら、キラリと、あるいは燦然と光る同人ソフト。という感じでしょうか。弱点に目を瞑れる人、いいところにひたすら喜べる人向け。
遊ぶ人を選ぶゲームであることは断定してよいと思います。
うーん。やっぱり「微妙」です。


関連URL:
MMV: イース・ストラテジー
Amazon: イース・ストラテジー

Diska

理力の杖。

2007-05-04 10:22:53 | cyber
脳インターフェイス話(参考)の続報です。
ITmedia: 脳波で光るライトセイバー 来月日本で初公開

見出しのライトセイバーは別の企業のものなのですが、先日のEmotive Systemsの話も記事後半で触れられてて「来年発売、18個のセンサー、Wii用ほか、格闘ゲーム、感情を拾うものであって直接操作するものではなさげ」とかいう情報が出てきてるようです。

ライトセイバーの方はNeuroSkyという会社のものだそうで、試作品が2007/06/28に東京ビッグサイトで見られるようです。
ダースベーダーのヘルメット内でセンサーが感知した脳波を無線でライトセーバー(剣)に送る仕組み

とのことなのですが、これは「センサーにある程度の体積が必要」だとか、「それを逆手に取って大きさがあっても使いたくなる(?)デザインに落ち着けた」とか、「だからライトセイバー」にしたとか、読み取れたりします。実際どうかは不明ですが。
あとは、「医療用センサーが元になってて、センサー自体は約20ドル」とかいうあたりが目を引きます。20ドルだとマニア向けオモチャとしては充分すぎるほど成立すると思いますし、これが2ドルとかになるとたぶん「ハズしても話題になれば勝ちだからとりあえずつけちゃえ」が始まりそうです。
原理とか全然知らないので多分にあてずっぽうですが、世の中のエネルギーが集中すると、こういう技術開発、コストダウンはとんでもない速度で進む気がします。

このライトセイバー自体がヒットするかは、微妙(というかどちらかというと否定的)な気もするのですが(今、あるいは数ヶ月とか1年とか後で商品化というタイミングでのダースベイダーデザインのマスクの需要が疑問)、どんな形であれ、目に見えるバイオフィードバック機器、心の可視化技術が家庭が入ってくる(それが製品とか技術にフィードバックされる)というのはインパクトが大きいような気もします。

おもしろそうではあるのですが、具体的にどんな形になるとおもしろいかは何とも想像力が追いつかなかったりします。

逆に、これがディストピアの入り口になったりする可能性は、戦争をやりたい人が増えてる現状では、結構具体的に見えたりもします。
「集中力を付けさせるために特区の小学校で試験採用!」あたりから始まって、「効果が上がったので教育機関で順次採用」、「経営者が支持、サービス業や工場で採用」、「犯罪抑止効果が期待されて、外出時はピポサルヘルメット(仮)の着用が義務化」とか。えらい人は交渉に不利になるのでつけなくておっけーです。

フィードバック機器が普及することで、マインドコントロールとかの技術や、バベルの塔の催眠ランプみたいな精神系の兵器開発も進みます。逆に、防御するためのセルフマインドコントロールだとかの技術も発展して、表情筋が退化したりとか、感情をコントロールできないことが無作法と見られるようになったりします。
機器の技術と個人の利用技術が上がってくると、電光表示なり直接電波とか導体を通じて会話できるようになるので、声帯を使う機会もなくなって、声を出すのが特殊技能になったりしそうです。

…ああ、やっぱりおもしろそうです。
うれしいかどうかはともかく。

まぁ、だいじょぶです。むこう5年ぐらいに起こる話じゃないです。たぶん。
10年後は知りませんが。


参考:
あかまど(仮): ゲーム用脳インターフェイス。

Diska