あかまど(仮)

net初心者で自称ソフト技術者。Gamer属性。netは人の望み?それとも?

逆転裁判4。

2007-04-28 03:41:04 | games
逆転裁判4をやってみました。とりあえずエンディングまでは行きました。
やりこんでるわけじゃなく、ネタバレもアレなので、やってない人にはわからないような、すごく断片的なコメントになりますが…。


・おもしろかったです。部分的ですが、現場再現に3Dを使ったりとか、謎解き自体にも意欲的な仕掛けがあったりします。
・新システムの「みぬく」は、「ゆさぶる」のリスクを低減するヒント、といったような、「なければないで済む」、「見抜いてもそれだけでは無意味」という仕組みの方が納得しやすかった気がします。使わないと進行しない、という現在の仕様では、なんだか「魔女裁判で痣を探している気分」になります。非常に現実的な意味で、教育上よろしくない気がします。アップのハミガキ氏をみぬく場面でちょっと気分が悪くなったのはナイショです。

・主役交代はおっけーです。「昔を知ってる人にも4からはじめた人にも通る」話を作るためには主役に交代してもらうのは無難な気がします。1から3の物語はあの人たちじゃなきゃ演じられないように、新しい物語は新しい人じゃないと演じられないのだと思います。ただ、そんな意味で、しがらみの少ない無難目のキャラクターばかりが登場してる気もします。
・絵もきれいになってる気がします。ただ、ショックを受けたオドロキ君の「水木しげる口(ぐち)」だけは、正直、いただけません。

・タイムマシンみたいに時代を前後する部分があるのですが、「とてもわかりにくい」です。「過去の事件が現在に影響を与えていた!」という話じゃなく、「現在で得た手がかりを過去の聞き込みで使う」という場面が数箇所あったような気がするですが、わたしの勘違いでしょうか?「『プレイヤー』が何を知っていて、『主役』の立場で何を知り得るか」が混乱している。ミステリーとしてあんまりな部分があるように感じました。


・裁判員制度の話が出てきます。意欲的とも言えるし、今、逆転裁判を出すとしたら裁判員制度の話ははずしようがないとも言えそうです。出すこと自体は当然で、正しい選択と思います。

・ただ、作品として、制度にかなり否定的な印象を与えるような作りになっているように思えます。一人で作ってるものじゃないと思うので、ブレがあるような気もするのですが、これでは「法で裁けぬ○○を・復讐・私刑」に見えます。あの暗い目はそういう意味でしょうか。
このゲームをクリアして、「勝った!新制度万歳!」という気分になる人もいるような気もするのですが、多分しばらくしてから、「判決を個人がコントロール可能な余地がある」ことに気が付いて、暗澹たる気持ちになるように思います。ダイキギョウの作品ですし、考証に現役の法律のプロが参加してると思うのですが、その方が裁判員制度に大反対してるような気がしたのは考えすぎでしょうか。あるいは、現行制度でキャリアを積んだ人の反応としては当然でしょうか。
属人性とか実績とかの問題と思うので、実際の制度が「いい」ものになるのかについては、まだ誰も知らないのだと思いますが。

逆転裁判4の裁判員制度のエピソードを見て、わたしは、「律法学者」という言葉を否定的に使うある有名人が頭をよぎったり、あるいは全く逆に、同じ人のエピソードの「バラバだ!」というシーンを思い出したりしました。
裁判員、陪審員の制度って、キリスト教的にはどうなんでしょうか。


とりあえずゲームとして楽しみました。
逆転劇、かっこいいです。気持ちいいです。
「7年後の」逆転裁判を名乗るにふさわしい内容だったと思います。
謎解きに若干の疑問は残るにせよ、「あいかわらず」おもしろかったです。

後味は何とも微妙です。
が、プレイヤーに、「イマドキの裁判ゲームとしてハズせない裁判員制度」について「疑問を持たせる」、あるいは「考えさせる」という強い意図を持って作られたのだとしたら、「現時点でベスト」な提示の仕方だったんじゃないかな、という気もします。


オンラインで、PBMっぽいテンポで数日のセッションで終わる裁判のゲーム、あるいはシミュレーションというのも可能かも知れません。たぶんそれは「逆転裁判」じゃないとは思いますが。


関連:
CAPCOM: 逆転裁判4

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