読む日々

テーマばらばらの読書日記

水に立つ人

2018-03-03 | 小説・現代
香月夕花「水に立つ人」



短編集

・やわらかな足で人魚は
孤児院でそだった女子高生。遠い日、心を通わせた年上の男の子との記憶。その記憶は書き換えられていて。なんだかドラマのanoneが思い出された。

・岸辺で私は歌を待つ
ペット探す探偵の、若い女性が体験した過去。何かを探すことに感じる安らぎ。

・彼女の海に沈む
中学校教師の落ちた罠。けれどそれは自分の深層心理の引き寄せなのか。

・水風船の壊れる朝に
災害で大勢が亡くなった地域で花屋を営む女性。本店を復活させるために売った分店を買う女性とのあれこれ。天真爛漫に見える女性の辛い過去。

・水に立つ人
辛い育ちの小学校教諭の女性と、学校向けの写真館に入社した男性。似た者同士なのか、3回話しただけで理解しあうが、彼は行方不明に。


どれも、ヤバいやつだ!心理描写が半端ない。泣けて泣けて泣けた。
ちょっとひねくれざるを得ない育ち方をした人には突き刺さるお話ばかり。

満足度100

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