読む日々

テーマばらばらの読書日記

1950年のバックトス

2013-03-06 | 
北村薫「1950年のバックトス」


ほろりと泣ける、いいお話がすごくたくさん!

帯には「忘れがたい面影とともに、あのときの私がよみがえる」とありますが、まさにそんな感じ。

中でも、表題作がすごくよかった。
夫婦ともに大してスポーツができないのに、鳶が鷹を生んだかのように野球を始めてみたらとても上手で、4年生でレギュラーになった息子。

ライバルチームにも、4年生でありながら、とても上手でイケメンの男の子。

ある日、高崎から、おばあちゃんがやってきて、試合を見に行くことに。何故か野球に詳しいおばあちゃん。

そして、次の試合に出ていたイケメン君を見て、その子の祖母の名前はもしや、と口にする。

ドンピシャリ。じつは、おばあちゃんとイケメン君の祖母は、一時期日本に存在した、女子プロ野球のメンバーだった。

なんだかね、涙が止まりませんでした。こういうルーツものに弱いんです。

あと、洒落小町 というお話の中で、忙しい職場で働く母親のモノローグ、

子供と接する時間が減ったのは痛い。子供はいつまでも同じ子供ではいてくれない。小学1年の我が子は消えてしまって、いるのは殆んど変わらないように見えて、時間の階段を一段上がった二年生の我が子、

ってくだりが、普段自分が感じている事とまるっきり同じで、ほんの数行なのに目が離せず、号泣しちゃいました。


満足度100

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