片山恭一「もしも私が、そこにいるならば」
10年前に大ヒットした「世界の中心で、愛をさけぶ」の作者の、セカチューより前に書かれた本。
こういう題名が多いのね。
3編収録
・もしもわたしがそこにいるならば
・鳥は死を名づけない
・九月の海で泳ぐには
1編目(表題作かと思ったけど、漢字と句点がない)
自分の趣味であるダイビングに母を巻き込み、母は水中の事故で集中治療室に。そこへ母の昔の恋人らしき男が見舞に訪れる。母と男との過去を知らないと落ち着かない主人公の様子。
2編目
肝臓の病気で入院している主人公の男性。同室の同年齢との男との友情を深めて行くなかで、生きる事と愛することについて考える。
同室の男の時枝の言葉のみが唯一の収穫か?
曰く
「好きという気持ちは自分のものではなく、自分の中にあるように気がするけど、本当は自分の中にはなくて、どこか別の世界からやってくる、だから捨てようと思っても捨てられずに、いつまでも残り続ける。たとえ僕が死んでも残り続ける。だってそれは、もともとぼくのなかにはにくて、肉体とは無関係に存在しているものなんだから」(いくつかのセリフをつなげてある)
これだけは納得できた。
3編目
中学教師の男が主人公。最近生まれた次男が障害があるかも?
同僚教師に誘われてクライミングを趣味としている。
日々の暮らしの中、少しずつ何かを受け入れるまで。
うーーーーーん。
という感じですね。
セカチューも、ドラマは凄かったけど、原作は映画で話題になるまで、読んだことすら忘れてた気が・・・

映画は原作に近くてイマイチだったけど、ドラマは原作のストーリーの裏を探って丁寧に描いててすごかった。DVD-Box買っちゃった位。
あ、関係ないか。

満足度60