読む日々

テーマばらばらの読書日記

ほのかなひかり

2012-08-22 | 
森 浩美「ほのかなひかり」

家族の物語8編

・聖夜のメール…夫を事故で亡くした妻と子が、2人で生きていく話。毎晩亡き夫に語りかける替わりに夫の携帯にメールを送っていたが、それに気づいた息子が、父に代わって母にメールを送る。 義弟亡くした事を思いだし、初っぱなから号泣。息子がまた当事の甥っ子位だし。

・想い出バトン…嫁ぐ娘への想いを、父が娘の夫となる人へ繋ぐ。 想い出のビデオをDVDに編集するアイデア、なるほど。

・噛み合わせ…5年前、一方的に別れを告げられた恋人と、歯科医と患者として再会。別れの理由を初めて知り、やり直す気配で終わる。 縁がある、って何をしてもまた繋がるのかなぁ。

・リリーフはいない…会社辞めたいという部下と野球の試合を見ながら思いを語る上司。何かを感じた部下は、
辞めるのを止める。 ジェネレーションギャップは、埋められる。人間同士だもんね。

・じゃあまたな…父が遺した会社だが、社長である義叔父が、専務たる主人公を追い詰めるため、主人公の仲良しの先輩が経営する下請けを切る。 社長、やなやつ。続きが知りたいわ。

・ワイシャツの裏表…アイロン掛けが好きな主婦。ワイシャツについた香りで夫の浮気を知る。ワイシャツは夫婦の想い出のアイテム。その領域を浮気相手が侵してないと知り安堵する妻。 そんなに浮気する生き物なのか?男って。

・褒め屋…職場でギスギスし過ぎて総すかんくらった女の人が、褒め屋という仕事の人に褒めてもらってたちなおる話。 実在する仕事なら面白いかも。

・トイレットペーパーの芯…娘と息子が結婚して家を出てのこされた夫婦。娘が妊娠し、同居をもちかけられる。その話をきくまえと後と、トイレットペーパーの芯に我が身を重ねる。 うちも娘が欲しかったかなぁ。


どれもホロッとくるいいお話ばかりでした。さすが作詞家。一瞬を切り取って描く世界がスゴい。

満足度95