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読む日々

テーマばらばらの読書日記

レーナ

2016-07-05 | 絵本
「レーナ」ジャクリーン・ウッドソン作 さくまゆみこ訳



オハイオ州チャンシーでは、白人が虐げられている。
そこへ転校してきたレーナと、黒人のマリーの友情。

母を亡くし父から性的虐待を受けているレーナと、裕福だけど、こここにいたら死んでしまう、と母が伊江を出ていってしまったマリー。二人には黒人も白人も同じ人間だという思いが根底にあり、同じく母がいないという共通点もあり距離を縮めていく。
しかし妹へも父の魔の手が伸びつつあるようになった時、レーナは妹をつれ姿を消した。

国全体が貧しい国はまだ幸福なのかも?等考えさせられた。日本にも今、貧富の差が忍び寄りつつあるし、児童の6人に1人が貧困家庭だと言われている。

政治、なんとかならないのか?

水のねこ

2016-06-15 | 絵本
「水のねこ」テルサ・トムリンソン作/久慈美貴訳/高橋常政絵

写真撮る前に返却してしまった。

終戦後間もなくのイギリス、カーリングローブが舞台。
母の出身地であるこの土地に引っ越してきた姉弟。川で遊んでいた時、緑の目の猫に出会う。その場で母の友人の息子と知り合い、その猫は連れて帰れないと聞かされ、実際ある場所まで行くと重くて運べないことに気づく。

この地には、昔飢饉から救われた史実に乗っ取り、カーリング豆を年に一度食べるお祭がある。
その伝説と、猫の正体である男の人魚の行動にはある関係が。

人魚を海へ返すべく奮闘する3人と、人魚を昔助けた少女の亡霊からの手助け。

どんどん引き込まれるし、お話の展開も自然だし、とても面白い本だった。

銀のスケート

2016-06-03 | 絵本
「銀のスケート ハンス・ブリンカーの物語」M・Mドッジ作 石井桃子訳



19世紀のオランダ。働き者の父が事故で頭をやられ、おかしな言動を取るので母もロクに働きにも出られず貧しい暮らしを強いられているハンスとグレーテル兄妹。
冬、スケートが交通機関のようなオランダの街で、木のスケートしか持てていない兄妹。
大会で優勝すれば銀のスケートがもらえる。

偏見、イジメ、手を差し伸べる見識ある子どもたち。
父の病、医者の秘密、父と医者の息子との秘話を経て大会まで。

父の快復でいろいろスムーズに展開し、とても幸せな気持ちになれた。その為の前半の辛さなのかな。

昔書かれたお話で訳も古いので現代の子が読むのはよほど読書好きじゃないと難しいかも。内容はとても素敵だし、この訳ですらかなり端折ってあるとのことなので、さらなる簡易的な訳の本があってもいいかも。

ネコのグリシーをさがしたら・・・

2016-05-14 | 絵本
「ネコのグリシーをさがしたら・・・」メアリー・フランシス・シューラ作 ホゥゴー政子訳 石井祐佳里絵



田舎からブルックリンへ越してきた一家。兄のピーターは街にも学校にも馴染めない。片や妹のディディは天真爛漫、誰とでも知り合いに。ある日、キャプテン・ジンクスという老人から灰色の猫を渡されたディディ。グリシーと名付けられた猫はあっという間に一家のアイドルになるが、犬に追いかけられて行方不明に。ディディと共にグリシーを探しまわる日々でピーターは街にも学校にも馴染んでいく。

ディディが魅力的だけど確かにこんな妹がいたら少し控えめな性格の兄弟はなんとなく嫌に感じるかな。でもピーターが街の人や先生に心を開く様子や、自分の絵の才能を恥ずかしがらなくなっていく辺り、心の動きが自然です。

翻訳の児童書に日本で絵をつけるのは好きではないけど、今回のはピッタリハマってた(^ー^)b

忘れないよリトル・ジョシュ

2016-04-27 | 絵本
「忘れないよリトル・ジョシュ」
マイケル・モーパーゴ作 渋谷弘子訳 牧野玲子絵



イギリスの畜産農家が舞台。
主人公の少女の農場に迫る口蹄疫。
自分の羊が産んだ双子の1頭をさらに自分のものとしてもらい、可愛がって育てていた少女だが、とうとう農場に口蹄疫が発生してしまう。
隣の農場で発生する前、自分が馬に乗って隣の農場の羊の群れの中に入り込んでしまったことでウイルスを持ち帰ったのでは、と悩む少女。両親は原因はどこにでも散らばっていると慰める。

可愛がってたリトル・ジョシュを処分から隠したものの見つかってしまう。

そして父は鬱病に。

そんな中でも生きてさえいれば光は見えてくる、というストーリー。

とっても泣けました。
うちの猫達が何かの理由で処分されたら、とか想像したら具合が悪くなってしまった(T▽T)

つらかったね、ベッキー。