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読む日々

テーマばらばらの読書日記

スピリット島の少女

2016-04-25 | 絵本
「スピリット島の少女ーオジブウェー族の一家の物語ー」ルイーズ・アードリック作 宮木陽子訳



五大湖の1つ、スペリオル湖に浮かぶスピリット島を襲った天然痘でただ一人生き残った赤ん坊。彼女は同じ部族が住む別な島、モーニングワネカーニング島の女猟師に助けだされ、ある一家の娘として育てられるが、7歳からの1年で彼女に起こった出来事を追う物語。

作者は実際この部族の血を引くらしい。
アメリカ開拓時代の、インディアン側の物語は珍しいらしい。

この時代の天然痘の恐ろしさ!!

主人公に懐くカラスのアンデグが可愛い。

自然と生きる楽しさと厳しさを感じられる1冊。
オマーカヤズには幸せになってほしいな。

二つの旅の終わりに

2016-04-14 | 絵本
「二つの旅の終わりに」エイダン・チェンバース作  原田 勝訳



1995年。オランダのアルネムの戦いで負傷し亡くなった祖父ジェイコブを、戦後50年の追悼式典に祖母の代わりに参加するためオランダを訪れた、祖父と同じ名前を持つジェイコブ少年。
大好きなアンネ・フランクの家で感じたモヤモヤや滞在先の、祖父を最期世話してくれた家のゴタゴタで不満を抱えてカフェに行ったジェイコブがひったくりにお金や何やらを獲られてしまうところから始まる物語。

戦争中、ジェイコブを必死に看病してくれたヘールトラウが臨む安楽死を前に明かされるある真実を、現代のジェイコブの物語と、過去を振り返るヘールトラウの手記を交互に書いている。

刺繍と海賊
を、思い出す書き方。

昔と今が繋がっている。

ヘールトラウの想いも、ジェイコブの祖母の想いも尊い。
けど二人が愛したジェイコブは、実はどうなんだ?と思うけど^_^;

イギリスに3年連れ添った妻をあっさり捨てる決意をした、って事を孫のジェイコブは初めて知り、それを祖母に伝えるかどうか思い悩んで終わるけど、きっと話したんだろうなぁ。

ヘールトラウの娘の息子、つまり孫息子のダーンが素敵だな。

それにしてもこれ、児童書か?昼ドラや朝ドラ(だと不倫はダメか)の原作にもなりそうだ!!

夜のパパ

2016-03-16 | 絵本
「夜のパパ」マリア・グリーペ著 大久保貞子訳



スウェーデンの児童書。復刊ドットコムで復刊されたらしい。最初は1980年に翻訳本発刊。

シングルマザーの夜勤専門の看護師が、娘の夜の子守として男を雇う。

石の専門家たるその男とのしっかりとした絆。
飼いフクロウや世にも珍しい花、夜の女王の開花などを描きつつ。

スウェーデンやそういえば昔から女性もバリバリ働く国だっけ。

娘のユリアの感性が素敵。夜のパパとの、こんな関係いいね。
家庭教師とはまた違う感じ。

やわらかい手

2016-03-16 | 絵本
復刻版「やわらかい手」花岡大学




戦後発刊の本の復刻版。これが児童書?!ってくらいヘビー。
子供が親や祖母の水死の因縁を引きずったかのように川で自殺したり、継母の愛が欲しくて実子の弟をわざと危険な目に合わせ、死んだと思い込み母に見つかる前に自殺を図ったり。

表題作は、東京大空襲か何かで妹の手を振りほどいた記憶から逃れられない兄の苦悩。

これが児童書…そっかあ。

わたしは、わたし

2016-03-10 | 絵本
「わたしは、わたし」作/ジャックリーン・ウッドソン 訳/さくま ゆみこ

原題Hush



ロッキーが見える街、デンバーで、かっこいい警察官の父、優しいし教師の母、年子の姉と何不自由ない生活を送っていたトスウィア。

自分達一家が黒人だということは自慢でしかなかったくらい住み良かったはずの町。
ある日、父の仲間の警官二人が黒人少年を撃ち殺す現場を見てしまった父。
以来町はではその二人が流した父の悪口から娘達まで居場所を失っていく。
そんな中で父は真実を法廷で話すことを決意。保護観察プログラムにより一家は別人となって見知らぬ町で暮らすことに。

一家4人の自己の崩壊から再生までを描いた物語。

うわー、重い!と思いましたが未来を見据えて道を切り開いていくところで終わってて安心しました。
人種差別って無意識下でも存在しているんだよね。
嫌だな。
個人個人を見れる目を持ちたいですね。同じ人種でも極悪人は普通にいますからね。