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読む日々

テーマばらばらの読書日記

ルチアさん

2017-06-16 | 絵本
「ルチアさん」高楼方子・絵:出久根 育



たそがれ屋敷に住むのは奥さまと娘二人とお手伝いさん二人。

ある日、可哀想なルチアさんも通いのお手伝いさんとして雇われる事に。

可哀想なはずなのに、水色の卵みたあなルチアさんは、いつもキラキラ楽しそう。
自分たちの持っている、外国を航海しているお父様からもらった水色の宝石にそっくりなルチアさんの秘密を知るため後をつけた二人は、ルチアさんの娘と知り合う。

ある日の夜中、三人でこっそりルチアさんの台所を覗くと、なんとルチアさんは、あの宝石そっくりの、柔らかそうな実を水に溶いて飲んでいた!!

月日は流れ、勉学に目覚めた姉小路スゥと、知らないもの、遠いものを夢見るルゥルゥは、全く年取らない違う人生を送っていた。そこへ、ルチアさんの娘があの宝石を持って40年ぶりに訪ねてくる。

娘さんが出した結論に不覚納得するスゥ。異国の地をおそらく1人さまよういもうとを思う。

なんだか愉しくてワクワクしてムネガ締め付けられるお話で、一気読み。私もここではないどこか、を夢見る癖があるから、ルゥルゥに共感(笑)


ヘリオット先生と動物たちの8つの物語

2017-05-31 | 絵本
「ヘリオット先生と動物たちの8つの物語」ジェイムズ・ヘリオット作 /杉田比呂美 絵/村上由見子 訳



1900年代半ばの、スコットランドの獣医さんが体験したエピソード集から、子供向けへ抜き出したお話をまとめた一冊。

犬、猫、山羊、羊、馬等
それぞれ動物のすごさと人の温かさをしみじみ感じるストーリーばかり。

時に涙したり。

字も大きいし、動物達は可愛いし、善人しかいないし、小学生にかなりオススメな一冊!!

クリスマスの猫

2016-11-17 | 絵本
「クリスマスの猫」ロバート・ウェストール作 ジョン・ロレンス絵 坂崎麻子訳



1934年の冬を牧師館の伯父の元へ預けられたキャロライン。タチの悪い家政婦のせいで楽しみもないし寒い日々。庭で見つけたお腹の大きいネコを、庭に入りこんでた近所の少年ボビーで育てる。  

クリスマスに産まれる子猫。クリスマスの奇跡で性悪家政婦を退治し、メデタシメデタシ。

キャロラインが孫娘に語る物語。

上流家庭と貧困家庭の落差がすごい。けど戦争を経て身分の差が無くなり、キャロラインとボビーは結ばれる。

ウェストールにしては明るいお話。病んでる人がいない。
家政婦は病んでるか^_^;

ヨハネスブルクへの旅

2016-10-19 | 絵本
「ヨハネスブルクへの旅」ビヴァリー・ナイドゥー作  もりうちすみこ訳  橋本礼奈画



妹が病気で弱っていく姿を見た少女が、弟と共に300キロ離れたヨハネスブルクで住み込みで働く母のもとへ向かう。
途中、オレンジ農園で働く少年に助けられたり、ヨハネスブルクへ似網を運ぶトラックに乗せてもらったり、バスで知り合った女性は母を知っていたり。

白人の家庭で働く母と共に妹が待つ家へ戻ることに。前日はバスの女性のところへ泊めて貰い、そこでアパルトヘイトについて初めて見聞きする。

なんの疑問も持たずにいた虐げられた生活が疑問に思えてきた少女。彼女は1歩を踏み出そうとする。



色々考えさせられる1冊。
人間は決して生まれつき平等ではない。
私が学校に通ってた頃はまだアパルトヘイトがまかり通っていて試験問題に出た記憶も。
今はこの子のような人のが大人になって国は変わったのかな?
ちょっと調べてみたいな。

妹はぎりぎりのところで助かったけど、病院で出会った若い女の人の赤ちゃんは残念なことに。

おじいちゃんは荷車にのって

2016-09-13 | 絵本
「おじいちゃんは荷車にのって」クードル・パウゼバンク作/インゲ・シュタイネケ絵/遠山明子訳



孫と二人で暮らすおじいちゃんは、ある日もう老いた自分に嫌気がさし、荷車に自分を乗せて山の上の崖まで連れていけと命じる。

途中出会う村の人々から小さな頼まれ事を幾つかされ、それをサラッと年の功で解決し、帰りも必ず寄ってね!と言われた山の上へ。

孫と二人で山頂でぐっすり眠り、そこへ駆けつけてきた孫の担任とクラスメイトとも触れ合い、死ぬのはやめにしてまだやれることをやろう、と山を降りるおじいちゃん。

素敵な挿し絵と、老いること、生ききることを考えさせられる、短いけど深い1冊。