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読む日々

テーマばらばらの読書日記

クララをいれてみんなで6人

2017-10-14 | 絵本
「クララをいれてみんなで6人」
ペーター・ヘルトリング作/佐々木田鶴子訳



ドイツの児童書。
1969年頃が舞台。

一家5人、狭い家に暮らしているのに、なんとお母さんのお腹に赤ちゃんが‼
日々の暮らしの葛藤や問題を織り混ぜながらお母さんの妊娠期間が描かれていて、そしてお母さんはトキソプラズマに感染。お腹の赤ちゃんの障害が心配される。

生まれた赤ちゃんは女の子。片方の目に炎症が。
そんなクララを家族がそれぞれ大事に思う様子まで。

作者の家族(父親が本人)をモデルの一冊。綺麗事は書かれておらず結構赤裸々。

そこがリアルで良いと言う人と、お話にはファンタジー性を求める人で好き嫌いが別れそう。

まあ私はどっちも好きだけど(笑)

クララが私と同世代だなぁ。
作者は今年永眠されたようです。
うちの両親よりは10歳以上上だけど、そろそろそんな世代交代なんだなぁ
と妙なところでしみじみしてしまった。



おとうさんがおとうさんになった日

2017-10-01 | 絵本
「おとうさんがおとうさんになった日」長野ヒデ子



昨日、PTA研究会の講演で、子育てについての講演を聴いてきて、そこでチラっと話題に出てきた絵本が「おかあさんがおかあさんになった日」。

女の子が、自分が生まれたときの様子を母親に聞いてキラキラするお話、ときいて、読んでみたいなぁ、と。

で、図書館へ行ったけれどちょうど貸出中。で、代わりに同じ作者の、おとうさんバージョンの方を借りてみた。

これは、上の子供二人が、おとうさんに、おとうさんになった時の気持ちを聞きつつ、3人目の子供が産まれるのを待つお話。

色鉛筆で描かれた絵が素敵。

これは是非、おかあさんバージョンも読んでみたいな。

トンネルの森

2017-09-28 | 絵本
角野栄子「トンネルの森1945」



児童書のコーナーではなかったけど、児童書だと思われる。

昭和15年、5歳で母を亡くした女の子。東京の下町でしばらく祖母と暮らすが、父が再婚、継母が妊娠、父の出征、弟の誕生、父が病で復員等、目まぐるしく環境が変わり、空襲の危険もあって僅かな縁をたどり継母、弟と3人で田舎へ疎開する。
慣れないいなか暮らし。借りた家から学校までは森のなかを通らなくてはならない。木が生い茂ったトンネルなような場所が恐ろしい。借りた家はしばらく空き家で、昨年脱走兵が隠れていたらしい、まだ森にいるのでは、との噂。
東京大空襲で、伯父宅は一家全滅、大好きな祖母も。
疎開仲間の女の子のところでは病で母親が亡くなり、さらに遠くの疎開先へ行ってしまう。

行方のわからぬ父を捜したりするなかでやっと継母と心が通じてくる。
そして大怪我で記憶が今一つだった父が見つかり田舎へ搬送されてきて。

と、ある女の子の5年間が描かれている一冊。

特にテーマみたいなものも明確なストーリー性も感じられなかったけれど、幼い女の子の目線で見た戦争が、じんわり伝わってきた。

カーネーション

2017-08-23 | 絵本
「カーネーション」いとうみく作 酒井駒子絵



いつも読ませて頂いているブログにて紹介されていた本。読みたい!!とAmazonにて購入。先に数冊借りていたのでやっと読めた。

母に愛されず悩みきった娘が、母を捨てることに決めたとき環境が変わっていく。

産まれた時から娘を愛せなかった母は、自分に母性がないのかと悩むが、次女のことは無条件で愛おしく思える。

愛せないことを悩むが故に、長女に笑顔を見せられない母。

そんな母が大好きで、どうすれば母に愛されるのかずっとずっと考え続けてきた中学生。

だんだん家庭内のいびつさが抑えきれなくなって、娘の感情も限界を超え、そして娘は母を捨てる決意をする。

泣ける一冊。
娘の気持ちも母の気持ちも切ない。父の情けなさもなんだかわかる。

けど、周囲の人に恵まれて、新しい道に向かえる話でよかった。

母性ってなんだろう。子供が生まれたら必ず湧いてくるもの、ではないと思うけど。
育てる内に湧いてくるのでは。

私も産んですぐは、特に愛おしい、というよりは、ホッとした、疲れた、希望の性別じゃなかった、等いろいろ。

自分自身も、妹との親の扱いの差に悶々とした過去もあり。

もしかして二人目を産んだら、この子より可愛く思えてしまうんじゃないか?という怖れみたいなものもあり、結局一人しか産まなかった。
本人は兄弟が欲しかったのかもしれないけど、私の子はこの子しかいない、と思うことでどんな感情も乗り越えていけてる気がするので、よかったのかな。

いろいろ考えさせられる一冊。

くまとやまねこ

2017-06-28 | 絵本
「くまとやまねこ」湯本香樹実ぶん 酒井駒子え



毎日読ませていただいているブログにて紹介されていた絵本。

酒井駒子さんの絵が好きで見かけると購入していたけど、息子への読み聞かせをしなくなったり、近所の大きな書店が閉店した辺りからチェックできなくなり、気づかずにいた絵本。

仲良しの熊と小鳥。ある日小鳥が亡くなってしまう。

昨日の朝、明日になれば明日が今日の朝になるね、明後日になれば明後日が今日の朝になるね、と、二人で過ごす未来を全く疑わなかった二人なのに。

熊の落ち込み具合はひどくて。

けれど、日にちがたち、ある日思いきって出掛けた先でバイオリンをもって旅する山猫と出会う。

山猫との会話、バイオリンの音色に心が癒される熊。

そして新たな道を踏み出していく。


もう泣けます!
特に今は、小林麻央さんの訃報のニュースに毎日触れているし、もともと大好きで海老蔵さんのブログも開設当初から毎日目を通していたこともあり(麻央さんがたまに登場するし、子供たちが可愛くて)尚更、命の儚さを感じているので。

モノクロ中心の酒井さんの絵が、切なくて温かい湯本さんの物語っにピッタリ合ってます。

鳥の専門家の上司に、ここに出てくる小鳥の候補をあげてもらったら、珊瑚色の羽に黒い嘴は「ナキイスカ」では?とのこと。

検索してみたら、うん!そうかも。と。

著作権が心配なので画像処理貼れませんが(^-^;

読み聞かせでも読みたいなぁ。
司書の先生に、来年の候補にどうですか?と言ってみたいけど、学校の蔵書にない本はダメらしいんだよね。