とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「HOKUSAI」(ネタバレ注意)

2021-06-14 23:59:00 | 映画
葛飾北斎の人生を描きたいことは分かったものの、エピソードの羅列感を否めず。

ワンシーンごとの見応えは、さすが名優たちの演技と感じるところも多かった。
北斎の才能を見出した蔦屋重三郎を演じた阿部寛。
喜多川歌麿の玉木宏。
柳亭種彦の永山瑛太も光っていた。
主役の北斎がピンとこなかったのは、絵を描くシーンが多かったからだろうか。

タイトルがローマ字で「HOKUSAI」なので、外国人を意識した可能性はある。
絵は知っていても、為人や時代背景を知らない外国人の北斎ファン向けの紹介に寄り過ぎたのだろうか。

オリンピックで日本に注目が集まることを見越し、日本一の有名人「HOKUSAI」にスポットを当てたのだろう。
それ故か、日本人の北斎ファンには物足りないように感じた。

点数は、5点(10点満点)。

タイトル:HOKUSAI
製作年:2020年
製作国:日本
配給:S・D・P
監督:橋本一
主演:柳楽優弥、田中泯
他出演者:阿部寛、永山瑛太、玉木宏、瀧本美織、津田寛治、青木崇高、辻本祐樹、浦上晟周、芋生悠、河原れん、城桧吏
上映時間:129分


「キャラクター」(ネタバレ注意)

2021-06-12 23:59:00 | 映画
やっぱりこのキャスティングだと画面の締まりが違う。

主役の漫画家役の菅田将暉のなりきり振りが凄い。
漫画を描いているときと、それ以外のときとのギャップにリアリティを感じる。
売れるために悪魔に魂を売った罪悪感と、自分に才能がないとのコンプレックスに苛まれる男を演じきっている。
歪な精神状態が傑作を生みだしたとも考えられ、狂気のクライマックスに向かう。

Fukaseの異常者役の衝撃は、住んでいた家だ。
壁の絵はFukase直筆とのこと。
初の演技でこの役に挑んだことに感動。

エンディングに嫌な感じを残すのが必要だったか、意図がわからなかったが、続編でも目論んでいるのだろうか。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:キャラクター
製作年:2021年
製作国:日本
配給:東宝
監督:永井聡
主演:菅田将暉
他出演者:Fukase、高畑充希、中村獅童、小栗旬
上映時間:125分


「猿楽町で会いましょう」(ネタバレ注意)

2021-06-08 23:59:00 | 映画
タイトルは「有楽町で逢いましょう」をもじっているのか。
こちらは、昭和の歌謡曲だが。

同じ時間を過ごした男女が、一人は成功への階段を上り、一人は不幸に落ちていく。
才能の違いと言ってしまえばそれまでだが、それだけとも思えない。

つながろうと思えば、簡単につながれてしまう時代の中で、孤独に耐える力が必要なんだと思う。
孤独でいると自ずと自分と向きあうことになる。
そのときに自分のマイナス面も含めて受け容れて前に進めるかなんだろう。
過去は変えられないのだから、今どうするかを考えるしかない。

まあ、そうは言っても、ほっと一息つきたいときもあるのが人情だ。

点数は、6点(10点満点)。

タイトル:猿楽町で会いましょう
製作年:2019年
製作国:日本
配給:エレファントハウス
監督:児山隆
主演:金子大地、石川瑠華
他出演者:栁俊太郎、小西桜子、長友郁真、大窪人衛、呉城久美、岩瀬亮、前野健太
上映時間:121分


「映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット」(ネタバレ注意)

2021-06-07 23:59:00 | 映画
作品としての見所は、役者のキャラクターへのなりきり度。
そういう意味では、レギュラーメンバーの弾けっぷりは期待通り。
最凶のギャンブラー視鬼神真玄を演じた藤井流星(ジャニーズWEST)も頑張っていた。

リスクを取らないとリターンはないということが世の中の本質だと思うが、やんわりそこに触れているところもよかった。
人によってリスクの取り方は違ってよいのだが。

点数は、6点(10点満点)。

タイトル:映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット
製作年:2021年
製作国:日本
配給:ギャガ
監督:英勉
主演:浜辺美波
他出演者:高杉真宙、藤井流星、松田るか、岡本夏美、柳美稀、松村沙友理、小野寺晃良、池田エライザ、中村ゆりか、三戸なつめ、矢本悠馬、森川葵
上映時間:119分


「るろうに剣心 最終章 The Beginning」(ネタバレ注意)

2021-06-04 23:59:00 | 映画
マンガのキャラクターとして作り込んでいない「緋村剣心」の人間ドラマとしてみることができた。
新時代を切り拓くためなら敵となる者を斬り続けることに何の迷いもなかった剣心が、どう変わったかを丁寧に描いている。
「The Beginning」が最後でなければならなかった理由がわかった。

佐藤健は剣心そのもの。
畑を耕すときも、食事をするときも。

巴を演じた有村架純の演技が凄かった。
内側から出る覚悟というのだろうか。
役としても、役者としても。

その先の希望のためには、多くの人を不幸にしても、時代を動かす必要があった。
幕末に生きた人たちの犠牲のうえで、今の世の中が成り立っていることはフィクションではない。
自分の先祖がどう関わったのかはわからないが、日本人として、熱くなる理由はそこだと思う。

点数は、10点(10点満点)。

タイトル:るろうに剣心 最終章 The Beginning
製作年:2020年
製作国:日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
監督:大友啓史
主演:佐藤健
他出演者:有村架純、高橋一生、村上虹郎、安藤政信、窪田正孝、北村一輝、江口洋介
上映時間:137分