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東方生存圏再び

2014-06-28 03:27:31 | 欧州情勢複雑怪奇

ウクライナはEUとの連合協定に調印したそうで、ウクライナおよびアメリカ合衆国の大統領、ならびにEU代表者の皆様には、おめでとうございますとまずは申し上げましょう。ついにウクライナ取りましたね!

極右だの暴漢だのをふんだんに使ってミニ戦争まがいのクーデーターをしてまで政権を取って、国民の声をできるだけ抑制して、従わない国民はテロリスト扱いをして撃ち殺して、建物をぶち壊して、水道を破壊して人々の生活をぶち壊し、10万人以上の難民をロシアに送り出し、反対派として大統領選挙に出馬の可能性のあった人はさっさと銃撃し、数知れない人々を路上で撃ち殺し、TV局を襲撃し言論統制をはかり、その上でアメリカの大統領からまったく正統であると承認を受けた政権によるEUへの第一歩。さぞやご苦労があったものと思います。

しかしながら、どうせトルコと同様、結果的には正式加盟には届かないという話になるのだろうと考えて悪い理由はなにもない。(じゃあこの連合協定/Association Agreementって何よ?なわけだがEUはこの手法を使い続けている)

と、まぁそのうちまた国民が納得しない事態になった時に、ロシアが~、ロシアの工作員が~、ロシアの脅しが~となるんでしょう。

前にも考えた通り、ロシアは要するに、ウクライナ経由で流れるロシアがらみの富(主にガスと兵器)を少なくして、その上で国境を高くして親しいが他国として付き合っていこうという方向でしょう。で、ウクライナはまず間違いなく非常に難しい経済運営になるんだけど、それでもEUが素敵だ、というのならそれは仕方がないという態度じゃないかと思う(しかし実際にはEUの各加盟国が拒否する)。軍事的には、クリミアを奪取したのでアゾフ海側の防備を強化していけば、グルジアが好き勝手しても、アゼルバイジャンが動かないなら、とか思っていたけど、中東が混乱してきたことを考えると、やや危険が迫っている状況のようにも思いだした今日この頃。(ナチスのブラウ作戦は今回は別の作戦? グルジアを強引にEUというヨーロッパに入れることには何か意味があると考えるべきなのか。)

次に何かあるときは、沿ドニエステルかとずっと思っている・・・。昨日書いた通り、オーストリアがロシアとの境と認識していた、または自国優位で、かつ、ある種の緩衝地帯的なところにしておきたかったのはその沿ドニエステル、モルドバあたり。そこを、滅茶苦茶無遠慮にEU連合協定に入れるのが現在のEU。そしてNATOをオマケでつけました~みたいに加盟させようとする。この人たちは一体何が狙いなんでしょう?

■ 東方生存権再び

というか、EU・NATOは既に、東方政策についてナチス・ドイツの動きをしているというのが私の認識。

もっというなら、ドイツが東方に領土を獲得するべきであるという思想は時を超え、形を変え、実行者を変えても生きてるんだろうかなぁ~といったところ。

わが闘争(上)―民族主義的世界観(角川文庫)
 
角川書店

東方生存圏

プロシア時代の第一次世界大戦中に書かれたナウマン(Friedrich Naumann)の『Mitteleuropa)』、通称、ミッテルオイローパ構想も、解釈によっては同じことらしい(この名前から見ると中欧だけみたいけど、そうでもないらしい。私はちょっと理解不足なので今後なんか読んでみよう)。

どうあれ、私は、こういう植民構想をしてそれが自分たちにとって当然だと考えるその発想が怖い。ターゲットになった人々がモノになっちゃう思想だから。周辺部がうるさいから取りたいとか、喧嘩したから殴ったとか、伝統的領土だから取りたいとかいう歴史的によくあるのとは発想が違う。浪漫を語っているようで実はなにかこう、ひどく没歴史的。

私は現代ドイツ人がすべてこんな考えを持っているとか潜在的にそう思ってるなんてことは全然思ってない。でもドイツ社会には、確実に、いやかなり明らかに、東方に自分たちの影響力(という名の支配力)を広げることは当然だと考える人たちがずっと存在することは理解している。


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