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プーチン、チタでWWII終結記念式典

2015-09-03 16:35:36 | 欧州情勢複雑怪奇

9月3日、中国ではWWII終結というか対日戦勝というかを祝って式典が行われたが、それに先立つ2日、すなわち日本が降伏した日が従来連合国で、いわゆるVJ Dayとして祝われてきた。8月15日に日本が降伏した、と聞いて大喜びしたのでその日が印象深いという人もいるにはいただろうが、正式には9月2日。

で、その中で今年は中国にばかり目がいきがちだけどロシアが極東ロシアでこれを記念していた。

対日戦勝70年、露がサハリンで軍事パレード
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150902-OYT1T50050.html

 【モスクワ=田村雄】ロシアは2日、極東サハリン州の州都ユジノサハリンスクで、第2次大戦での対日戦勝70年を祝う軍事パレードを開いた。

2日は日本が降伏文書に署名した日で、ロシアは、日本統治下にあったサハリン南部で軍事パレードを開くことにより、「戦勝国」の立場を宣伝する狙いだ。

 

戦勝国の立場を宣伝する狙いだ、という一言がなんというか情けないものを感じるなぁ私は。

ますます、敗戦の否認と対米従属による「永続敗戦論」という分析が光ってくるなぁと思う以外にないっしょ。個人的には、ちょっと大げさすぎるんじゃないかと最初思ったけど、だんだんと、これってマジだったと思うようになってこれについては(その他多少異論はあるにせよ)基本的に白井聡さんに白旗だなと思ってる。

永続敗戦論――戦後日本の核心 (atプラス叢書04)
白井 聡
太田出版

 

で、そのロシアのプーチンはどこにいるだろう、なんだけど、プーチンが式典を行ったのは、もっと内陸部のチタ。今年の夏のモスクワでの式典と同様、戦闘で斃れた人々のために黙とうを行っていた。

Russia: Putin commemorates Japanese surrender that ended WWII

 

私としては、チタなんだなぁと、ちょっとドキッとした。

チタは日本が作った満州国とバイカル湖の中間ぐらいにあるところで、ここはロシア革命後、シベリア出兵で日本が占領して、その後極東共和国になって、ソ連本体に吸収という経緯になったところ。

プーチンはここに出席して、現地の退役軍人さんたちと記念してたんだなぁと。

毎日新聞は、チタという地名への言及はあるが、サハリンの話に流れている。

ロシア:サハリンで軍事パレード 対日戦勝記念日
毎日新聞 2015年09月02日 21時16分(最終更新 09月02日 23時06分)
http://mainichi.jp/select/news/20150903k0000m030079000c.html

コジェミャコ・サハリン州知事代行はあいさつで「我々の先人により、多大な犠牲を伴ってサハリン南部とクリル諸島(北方領土を含む千島列島)が解放された」と語り、北方領土の返還を求める日本をけん制した。

 

なんというか、普通プーチンがいる方を主にするんじゃないのか、記事として、とか思うわけだけど、しない、と。ますます、やっぱりシベリア出兵ってタブーなんだな説が濃厚になる今日この頃。

 

■ 多分こんなこと

今年の夏のロシアの特にスプートニク日本語版の動きを見て思うに、多少齟齬があろうが異論、反論があろうが、1945年までに極東で起こったことを詳らかにしていこう、というのがロシアの方針なんじゃないでしょうか。

で、これはソ連時代とは違うらしい。ソ連時代は極東で日本の降伏をきっかけとした記念日みたいなのはやっていなかったということらしいから。

その意味はスターリン閣下以下の野蛮な行動をわざわざ表ざたにするのもな、もあっただろうし、日本人抑留者の問題もあったでしょう。

だけど、ソ連という体制は終了したので一つ一つ過去の失敗を清算することに特にバリアがなくなっていく。最近、スターリンの迫害による被害者を記念する法律をプーチン政権が可決している。スターリンこそ西側からロシアを救った英雄だという声がロシア国内で大きくなる中、これは結構政権にとっては難しい仕事だったと思う。プーチンが弱い政権で、支持が盤石でなかったら、また裏切り者が!!という大騒ぎになる話。

そういうわけで、その流れの中に極東方面、つまり日本との間にあったこともしばらく喧嘩になってもいいから整理しよう、ってことなんじゃなかろうか。

多分、プーチン政権前期では、過去をほじくらず、未来志向で、みたいな派が強かったが、それではダメだ派が強くなって(多分ロシア外務省はこっちが強い)、ほじくってから考えよう派が勝利してる、ってことじゃなかろうか。

逆にいえば、「未来志向」とか言ってる人たちというのは、日露間の国民同士が過去を巡って憎しみあうことを懸念してる人なんだろうと思う。

どっちが正しかったのかは将来にしかわからないけど、私は、インターネットの時代が後戻りすることもないわけで、できる限り誠実にものごとを見る試みが続く方でいいと思う。

いやしかし、なんてかこう、日本の政府およびその広報機関みたいな日本の主流メディアの書き方を見ていると、どうも隠しておきたいことがあるのは日本の側なのかなぁという印象が残る。なんでそう情報操作みたいな真似するかなぁって感じ。

まぁその、アングロ-シオニストグループからしたら、日本はまずもって極東の対ロシアの番犬みたいな位置だったんだと思うので、いろいろ暗いことはありそうではあるわけですよ。

であれば、日本こそdignityを回復させたnationとして整備し直す必要があると思うわけなのだが、出てくる政治家出てくる政治家、そんな難事業ができる人には見えないってのが辛い。


 

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2 コメント

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『朝鮮皇后殺害から120年』 (ローレライ)
2015-09-04 03:52:22
日本の『朝鮮皇后殺害から120年』、『汚い戦争』としての日魯戦争の結末が『クリル解放』で終わるロシアの視点。
返信する
うううう (ブログ主)
2015-09-04 16:48:03
いやぁ、私はそこまでロシアに肩入れしたくはないんですけど、でも、確かに、一時代終わったという感じは濃厚にありますね。1913年からの100年説は本当だったのかなとも思う。

で、ロシアに肩入れしたくないというより、私はこの一時代の中の日本の役割ってそうきれいなものじゃない、ってのが表に出ることが怖いわけですね。この件、私も臆病な日本の保守派なわけです、はい。でもあかんやろーなー、と逡巡しつつの日々ですね。

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