なにか、既視感のある話題。
米、デンマーク当局と協力か メルケル氏らへのスパイ活動―報道
【コペンハーゲンAFP時事】デンマーク放送協会(DR)と欧州の主要メディアは30日、米国家安全保障局(NSA)が2012~14年にかけて、デンマークの情報機関との協力関係を利用してドイツのメルケル首相を含む各国首脳らに対するスパイ活動を行っていたと報じた。
これは、3日以上覚えていられない人を別として、多くの人にとって既視感がある。そう、スノーデンがNSAによる内外のスパイ活動を暴露した頃に出てきた話だった。
Newsweekはもう少し詳しい記事を書いていた。
米国家安全保障局(NSA)がデンマークの外国情報機関との協力関係を利用して、ドイツのメルケル首相ら周辺国の高官に対しスパイ活動をしていたと、デンマークの公共放送DRが報じた。
DRが関係筋9人の話として伝えたところによると、協力関係におけるNSAの役割について、デンマークの国防情報機関であるDDISが行った内部調査で明らかになった。
(太字は私)
つまり、デンマーク国の情報機関が内部調査をしてわかった。そこまではありそう。でも、それが表に出たのはどうして? 何がきっかけなんでしょうか。
RTの記事をみたら、バイデンはこの件は最初から絡んでいるんだからよく知ってるだろう、とスノーデンが言ってる。
Biden is well-prepared to answer for this when he soon visits Europe since, of course, he was deeply involved in this scandal the first time around.
— Edward Snowden (@Snowden) May 30, 2021
There should be an explicit requirement for full public disclosure not only from Denmark, but their senior partner as well. https://t.co/TJL7gr6dy8
Denmark helped NSA spy on Merkel & other European leaders, new reports reveal, as Snowden says Biden was ‘deeply involved’
まぁ、実際問題、西側なる集合体は別に並列の同盟関係をやってるんじゃないのが丸わかりになったケースではありました。
今般のステルス帝国は、傀儡をお人形みたいに使うことを目的として出来ているのでこうなる、って感じ。
以前の、例えば80年代あたりの西側は、どれだけステルス帝国側が頑張っても国民主権的な意識を持ったリーダーが各国にいたので、アメリカといえども好き勝手はできず結構大変だったんだろうと思う。そこからこの40年間、特に冷戦が終わってからの30年は、ひたすら「同盟国」なるところのリーダー層をアホにしていくことに終始していたように思う。
日本もまったくそうで、腐っても国民意識のあった経世会やら一部左翼らが倒され、今みたいな、何者だか分らん奴ばっかりのリーダー層が、誰に言わされているのかわからない戯言を述べる時代になった。
そういえば、プーチンが、欧州のリーダーたちを「首振り人形」と言ったことがあった。どんな素っ頓狂なことでも、どこかから言われるままに、はいはい、同盟です、連帯ですと首を振り、自国民のことなど忘れちゃうお人形さんという意味だった。
そして、笑っちゃうことには、自分は例外だと思ってたアメリカも例外ではなく、自分のところもステルス帝国主義者の方に負けてしまいました、みたいなオマケも付いた。
この先、この集合体はどうするんでしょう。多分、こういう話が出てくるのは、6月にバイデンが欧州を訪問することと何か関係があるのだろうと思う。関係をどう規定するのかの駆け引きみたいない感じ?
論理的には、この30年ぐらいの一極支配主義≒影のステルス支配主義を止めて、少なくとも90年代初頭ぐらいの、当時だって完全ではないにせよ、今に比べればまだしも、それぞれの国家に国民あっての国家だという当然のことを最重要視できる政治家が一応いる状況に戻せばいいわけです。しかし、どうやって戻れるの?となるとこれが相当難しい。
特に、知らず知らずのうちに各国民もみんな「こんなもんだ」と思ってあきらめちゃったところがかなり深刻なのではなかろうか。
大変な世の中だわ、ほんと。