スターリングラード攻防戦ファンのみなさま(誰やねん)、お待せしました。
独露外相@スターリングラード
で書いた通り、5月7日木曜日、
ドイツとロシアの外相が現ボルゴグラード、旧スターリングラードを訪問し、戦争で斃れた人々のためにリースを置き、ドイツ外相シュタインマイヤー氏はボルゴグラード市民を前にスピーチをしたそうです。
German and Russian diplomats pay tribute to Stalingrad victims
http://www.dw.de/german-and-russian-diplomats-pay-tribute-to-stalingrad-victims/a-18437830
(ドイツDWから)
TASSに出ていたシュタインマイヤー氏のスピーチはこんな感じらしい。英文はここ。
ボルゴグラードのみなさん。かつて戦いの場であったこの町は今日和解の場となっています。みなさんが演奏する音楽は和解のシンボルです。
ボルゴグラードは、英雄都市です。誰が英雄でしょう? それは、言葉にできないほどの苦闘に耐えた母親であり父親、娘であり息子である民間人であり兵士である人々でした。
こうした人々があの戦争における最初の決定的な転換をもたらしました。ナチによる全欧州の隷属状態からの解放はここスターリングラードで始まったのでした。このために、人々は計り知れないほどの犠牲をささげたのです。
私はこれらの犠牲に対して頭を下げており、そうしつつも痛ましい気持ちでいます。
私は、ドイツがここに、この都市に、全ロシアに、今日ウクライナ、ベラルーシと呼ばれるソビエト連邦のあらゆる場所に、そして全欧州大陸にもたらした計り知れないほどの苦痛に対し、ドイツを代表して謝罪を届けるためにやってきました。
かつての敵の健闘を称え、それだからこそああなりました、という流れの上に謝罪を置くという、よく考えられた文章だと思った。勇気や名誉に人一倍のバリューを置くロシア世界の人々に対してふさわしい入り方だともいえるし、実際問題事実をなぞってもそういいたくなるよな、とかも思う。
それに対して、DW(ドイツ)の記事によれば、シュタインマイヤー氏は、
物事が複雑になるにつれ、様々な問題で私たちの見解が異なるにつれ、私たちは、スターリングラードの記憶に向き合い、ウクライナでの紛争を解決するためにできるだけのことをしなければならないのです。
といい、対するロシア外相ラブロフ氏は、ドイツはロシアにとって欧州における、そして国際情勢における重要なパートナーであると語ったそうだ。
現在のウクライナ問題を、70年以上前のあの攻撃のフォーメーションを想起しながら語るという点に、私はドイツの(あるいは一部ドイツかもしれないが)良心の疼きみたいなものを見る。このコメントはロシア側にあったんじゃなくてDWの記事にあったもの。
やっぱり、バルバロッサを再度行うようなことがあれば、それってもうドイツ国家がネオコン一派と同等にまで低能で低モラル、くだらない奴ら、になっちゃうってことだからね。
ドイツ民族よ永遠なれ、と思うのなら、ネオコンという一時のネットワークと一緒にはなれんのですよ。
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