DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

ウクライナ:黒海航海キャンセル、サミット失敗、おバカ丸見え

2021-04-17 16:23:22 | 欧州情勢複雑怪奇
ウクライナがらみの今週1週間は、結局のところバイデン政権はグダグダだという結果に終わりそう。

この緊張は、バイデンが政権につき、ウクライナ支持を打ち出し、武器買えよと資金を出し、3月24日、ウクライナのゼレンスキー大統領が、実質的にロシアに対する宣戦布告となる文書に署名したところから始まった。

で、途中まで緊張していたけど、次第に、このグダグダを面白く思いつつみていた。

Moon of Alabamaさんという元ドイツ人将校さんが冷静に西側メディアを見ていたので、そのエントリーを使わせてもらって整理する。


4月9日 米、黒海に艦船を出すことを検討
CNN April 9 - US considering sending warships to Black Sea amid Russia-Ukraine tensions
ウクライナを支援していることを明確にし、クリアなメッセージをロシアに送るのだ、といういつものやつ。

同日、黒海への入り口を管理するトルコ当局から、米から黒海への軍艦の展開について通知を受けたと発表
MEE April 9 - US notified Turkey about warship deployment in the Black Sea, Ankara says 

4月13日 ロシア、米艦船はクリミアに近づくなと発表
Reuters April 13 - Russia warns Black Sea-bound US warships to stay away from Crimea

我々は米国に対し、クリミアおよび我が国沿岸から離れている方があなた方にとってよいだろうと警告する。それはあなたがたのためになるだろう。

"We warn the United States that it will be better for them to stay far away from Crimea and our Black Sea coast. It will be for their own good.
 
だそうです。
Moscow warns US to stay away from Crimea, Black Sea coast


ネオコンはきっと、大口叩くなと意気盛んになったんじゃないかと思うけど、
ロシアからの警告の前に、雲行きが怪しくなっているため、アメリカのピーポーで事態に気づいている人たちは、笑い事ではないとわらわらしだした。危険な展開になることをバイデン政権は気づいていないだろう、次がどうなるのか、俺ら(US)が次に何ができるのか、そのシナリオを考えてる奴はバイデン政権内にいるのか、おいおい、という騒ぎになった。

14日の私のエントリー
アフガンからの完全撤退発表の噂 & ウクライナの緊張


4月15日 米、黒海への駆逐艦派遣を中止すると発表
Politico April 15 - U.S. drops plans to send destroyers into the Black Sea due to concerns over Russia 

そして、ほぼ同じ頃、バイデンからプーチンに電話、第三国でサミットをしないか、などと言う。ロシア側は、米の行動を見てからにする、と応じたらしい(あんたたちは言葉と行動の違う人たちだから)。

すると、たいした時間も過ぎないうちに、バイデン政権、ロシアへの制裁を発表。

という成り行き。

何がしたいんだ、これは、とも思うし、いつもようにアメリカの各勢力がバラバラなのであろうと考えることもできるでしょう。

いずれにしても、そんな集団と約束などできるわけもない

また、「ウクライナでの緊張を懸念して黒海派遣」を言い出し、「ウクライナでの緊張を懸念して黒海派遣」を中止するという(同じ文言を使ってる)、笑っていいのか、恐怖していいのかわからないことを本当に言う人たちというのも、まったく困ったもの。


■ なんだっていいから制裁

で、バイデン政権による制裁が、またまた、なんというか、笑えないものがある。

対象は、ロシア企業と公人で、理由は、ロシアの海外での有害な行動、なかんずく

SolarWindsを通したハッキング
2020年の大統領選挙への介入

だそうですよ。どちらも全然証拠なんかない。言いっぱなしで騒いでるだけ。まだしもハッキングの方は誰もよくわからないから、言いようがあるかもしれないけど、2020年の大統領選挙の話は、大多数のアメリカ人が、いくらアメリカ人だとしても(笑)、まだ記憶にある話でしょう。大爆笑。

The measures, which target dozens of Russian entities and officials, aim to deter "Russia's harmful foreign activities", the White House said.
The statement says Russian intelligence was behind last year's massive "SolarWinds" hack, and accuses Moscow of interference in the 2020 election.


■ ロシアからの制裁

これに対してロシアも制裁を発表。
手始めに、

アメリカの駐ロシアの外交官10人を追放

Russia to expel 10 American diplomats and considering ‘painful’ measures aimed at US businesses – Lavrov

外交官だけでなく、米国検事総長Merrick Garland、FBIディレクターRobert Woolsey、スーザン・ライス、ジョン・ボルトンなどがロシア領内お出入り禁止になるそうだ。

Garland tops the list, while Ray is listed sixth. Among the others are 
Director of the US Federal Bureau of Prisons Michael Carvajal
US Secretary of Homeland Security Alejandro Mayorkas
former National Security Advisor and US Permanent Representative to the United Nations Susan Rice
and Director of US National Intelligence Avril Haines 

ロシアの国内政策への介入を目的とする外国資金口座の凍結、といったものも出てきた。

Russia to shut down US funds interfering in internal policy


ということで、これはつまり折りからのカラー革命派の一掃プロジェクトの延長で、だんだん大物もターゲットになってきたといったところでしょうか。

ちなみにロシアでの活動を禁じられている団体は下のエントリーの中にあります。

ロシア:ジェームズタウン財団を困りもの団体に指定

■ 役に立つかもしれない

対ロシア制裁が見せてくれるロシアの多段階対応能力

米国のウラン燃料事情は結構お寒い


■ 感想

私としては、黒海に軍艦出して脅かしてやるとかいうアホなことをしだしたところが運のツキだと思う。2018年春のシリアを思い出させるものがある。

両方の場合において、アメの方は、自分たちが何をやっても相手はかかってこないと思ってる。この想定が大間違い。2008年のグルジアでの短期決戦で理解すべきところ、ここまで来たというべきかもしれない。

そして、へたれのNATOが4万人だかをウクライナに集結させるとかなんとか言いだしたところも愚の骨頂。この組織は本当に軍事組織なのだろうか?

場所を見ろ、場所をということでしょう。ロシアの南部、西部の組織の目の前に出るということは、対するロシア軍は平時でもそれ以上の人員がいて、そして、ロシアの西部方面に置かれている装備が軽いわけもない

4月14日に引用した元米軍大佐のダグラス・マクレガーの論考で、ミサイルや航空防衛にも触れてたけど、それ以外でも、NATOは、BM-30「スメーチ」 に対応できるような準備なんか一切ない、と言い切っていた。実際そうでしょう。

多連装ロケットランチャーというか、カチューシャ式というか、こういう装備がこのスケールで必要かつ十全の訓練の出来ている軍は地球上にそんなにない。というか、ここがお家元。

Russia's Artillery Capabilities: On target! BM-30 Smerch 9K58, Tornado-G, TOS1-A, BM-27 Uragan  

その正面に、ウクライナのナチ残党のために出ていこうとするUS/EU & NATOって、一体何がしたい人たちなの?

■ オマケ

その後、ロシアのカスピ小艦隊の艦船15隻がアゾフ海から黒海に出た模様。

カスピ小艦隊のコルベットは、巡航ミサイルが撃てるかわいい奴。

黒海からカスピ海へ


■ 関連記事

ウクライナ2021シリーズ

2021-04-07
バイデンのウクライナ工作を非難するロン・ポール

2021-04-14
アフガンからの完全撤退発表の噂 & ウクライナの緊張

★基本
2014年ウクライナでクーデーターを仕掛けたバイデン
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/6d1431b35f9579ac8e21cbd242b0f131



 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 1945年4月11日:ブーヘンヴァ... | トップ | そしてプロパガンダが残った ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

欧州情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事