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冷戦というよりグレートゲーム v.2.2

2014-05-22 23:08:57 | 欧州情勢複雑怪奇

「アジアの安全はアジアで守る」と習主席に言われて腹を立てる場合じゃない、大東亜戦争を思い起こすべき、と前のエントリーで書いた。

でもまぁ、それはそれとして、現在起っていることの本戦は東アジアじゃなくて、中央・西アジア方面なんだと思う。冷戦というより、グレートゲームv2のシーン2みたいな感じがする今日この頃。v1と同様日本も絡む(太平洋戦線)。

で、中央戦線のロシア、イラン、中国、インドがどう関係するのか、それがどのぐらい強いものなのか、どういう方向性を持つのかが今後の焦点ではなかろうか。

アメリカから出る記事は、よく今後の焦点はロシア、イラン、中国だ、とか書く。インドを入れないことが多い。

私はこれは意図的だと思う。なぜなら、アメリカはできれば、いや、是非ともインドをロシアから引き離して抱き込んで、インドを内陸方面の国としてでなく外から攻める団体に入れたい。だから日本をインドに接近させたんだろうけど、とりあえずあまり上手く行っている気はしない。

というのは本戦が内陸がらみなので、インドとしてはロシアと緊密化したい欲求が以前よりも強いんじゃなかろうかと見えるから。インドは冷戦期に英米に苛められた(といっていいと思うんだが一応保留)時期にソ連に助けてもらっているので、以来信頼関係がある。ロシアと中国には愛がないが、ロシアとインドには愛がある(笑)。

今回のクリミアでも、経済がらみで米に逆らえない、でも、ロシアにはクリミア地域に正統な利益があるというのをインドは理解している、みたいな言葉を添えてロシアをモラルサポートしてた(日本もこれぐらい言ってもよかったと私は今でも思ってる。)。中国とロシアが戦略的にくっ付くのが見えているから余計にハラハラしてるってのもあっただろう。ここも大きなガスプロジェクト計画がある。

■ 西部戦線(黒海・カスピ海戦線

もう一つ、the Westとすれば懸念すべきシナリオというのもあると思う。

いや、そんな懸念なんかねーよ、と笑われそうだけど、でもあえていう。

イラン、ロシア、トルコが徐々に非常に安定した関係になっていったら30年後どうなるのかな、と。

イラン、ロシア、トルコの間には、アゼルバイジャン、グルジア、アルメニアがあって、外からの勢力はこれら小国にちょっかいを出すことによって侵入のきっかけを作るのが近代の慣わし(笑)。

しかし、この3つの古い国々が、もういいよね仲良くしよう、みんなして繁栄すればいいやん?とか言いだしたらきっかけもあんまり機能しない。

これは定説ではないと思うんだけど、19世紀半ばからここらへんがぐらついたのは、英仏がオスマン帝国を狙ってたというのもあるけど、それに伴う形で、いや卵が先か鶏が先かわからないけど、なんせ、ロシア帝国の一部が時々本気、時々半腰、総じていえば話半端でボスポラスを狙ったりしたことが大きいと思う。

ロシア帝国がコンスタンチノープルを奪還して、東地中海に向かったりしたら、当時のオスマンは弱体化しているんだから、ここで英仏が入って来なかったらロシア帝国が大きくなりすぎる可能性は実際あったと思うのよね。その上、その頃からバクーをきっかけに油田なるものが視野に入って来た。ここらへんから世界が急速に凶暴化する。

と、このへんのクリミア戦争から第一世界大戦までの歴史は、現在種々見直し中。昨年ちょっとしたヒットも出て来たけど。

 (最近、俺の評判が悪いらしい・・・。ロシア帝国外務大臣 セルゲイ・サゾーノフ)

で、とにかくそれらの歴史はいろいろあるけど、もうそういう領土的野望はもたないことにして、小アジアリーグ(仮称)を作りませんか、とかなったら・・・。それが平和で調和的なら私としては結構なお話だと思うんだけど、the West さんはどうするんだろう? 

最近どうなのかわからないけど、トルコのエルドアン首相はイランの核エネルギーの平和的利用の権利を支持してたぐらいだし、トルコとロシアの貿易関係は大きい。この間も天然ガスのロシアからの輸入量を増やしたり、原発計画を承認したりしてる。NATOがらみで対立してるけど、長年トルコ系は英米のロシア対策に使われてきた・・・。それらをぶっちゃけてしまいえば本質的に仲が悪いわけではないのじゃないのかなぁ・・・と。従って3つ並べて考えると、19世紀にはトルコ、ペルシアが弱体化してたのでできなかったが、今回は3本柱を立てられるかも。

そんなわけないじゃん、と思うよねぇ。でもあり得るかもよという地域じゃないのかなぁ。

■ イランとロシア

で、上であげたような国々はみんなそのアジア信頼醸成措置会議(CICA)とかいう会議に参加している。といって別に大したことはやっていない。そもそも、26か国にはどうせいっちゅうのよというほどいろんな国が入っている。

Afghanistan, Azerbaijan, Bahrain, Cambodia, China, Egypt, India, Iran, Iraq,Israel, Jordan, Kazakhstan, Kyrgyzstan, Mongolia, Pakistan, Palestine, Republic of Korea, Russia, Tajikistan, Thailand, Turkey, United Arab Emirates, Uzbekistan,Vietnam.
http://www.s-cica.org/page.php?page_id=11&lang=1

でもこういう会議の場があると公人の対話が無理なく執り行われる。

今回でいえば、イランとロシアが個別に対話していたりする。折しもイランを巡っては、核開発の能力、弾道ミサイルの取り扱いを巡って欧米+ロシアとイランの間で折り合いがつかない。

イラン核開発問題 交渉が正念場へ(5月19日、NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140519/k10014538951000.html

この直後にプーチンさんとローハニさんがわざわざ直に会っているわけで、なんだろうなぁと興味はそそられる。

プーチンと習近平、プーチンと江沢民というのは、別に何も予想外のことは起きないだろうし、そもそも愛がみえない(笑)から怖くない。それに対して黒海・カスピ海地域にはですね、黒海・カスピ海地域なりの愛と裏切りの歴史が垣間見えるわけで、そういう点が、おそらく英米の理解を阻むんじゃないかと想像する。(だからこそ面白い) 

(5/21/2014 この写真いい写真だと思う)

■ オバマ政権によるプーチン懲罰の被害者

真面目に思うんだけど、ウクライナ危機を巡るアメリカ外交政策は、一体何が目的なんだろうか? ロシアは全然孤立してないと思うんですけど(笑)。ものすごく大変そうだとは思うけど、非常に活発に生き生き外交やってますやん、とか思う。

ついでに言えば、欧州の天然ガス輸入も、中・東欧に関しては結果的にはたいして減らないでしょ?だって、ロシアの線が経済的だからこそ成立しているんだもの。(減らすところは単に自分の負担が増えるだけ)

一番現実的な面倒に巻き込まれたのは、米軍関係者ではなかろうか?

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM15014_V10C14A5000000/
 [FT]米、独自のロケット技術開発へ ロシア警告で
2014/5/15 14:00

ロシアが重要なロケット技術の対米輸出を停止すると警告したことから、米国で1980年代以来となる新たな国産ロケットシステムの開発が加速しそうだという見方を業界の要人が示している。

これでしょう。そりゃ、長期的にはアメリカが国産開発をすればいいだけで、その意味では無問題なんだろうけど、決意したから来年できるって話じゃないでしょ? しかも、ロシア政府の意向によっては今までロシアの技術を前提にしてプランしていたものを全部引っくり返さないとならないわけで・・・。

お金なら名目上適当により集めれば明日にもできるし、怒ったり、懲罰したりってのも話して書けばいいわけで全くたやすい仕事なわけですよ。でもね、開発って大変なんだよ、捏造写真作ったり嘘記事書くのとはわけが違うんだよ、ときっと関係者は怒っていると思う。


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