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ナチ・シンパのままでどこまで行けるのか

2020-02-08 01:40:19 | アジア情勢複雑怪奇

新型コロナウィルスの話でなんとなく落ち着かない感じの1週間だったけど、来週明けに中国はこの体制をどう変えるのか、変えないのかというのが1つの注目点ですね。

いずれにしても、このまま収束方向に行くとしても数カ月はかかるだろうから、その中で中国といえども医療関係者の数は足りるのだろうかと心配してしまう。確立できる手順をシステマチックにしていくことで、がんばってるお医者さん、看護士さんたちの勤務体制に少しでも余裕が出るよう、一日も早くそうなるよう念願してる。加油!

 

と、そんな中、どうしてこんな写真がこんなところに、という写真をTASSのロシア語版で見てしまった。

https://tass.ru/politika/7706551

 

なぜ?と一瞬思ったけど、ああ、北方領土の日かと気が付いた。

機械翻訳を通して読むに、東京のロシア大使館の前では大音量のこういう右翼の人たちが「北方領土を返せ」と強力なスピーカーでなりたててます、というのを書いていた。

前にも何度か書いたけど、一体全体日本の対ロ外交というのは何なのだろう?ロシア人でなく、実にまったく日本人も閉口する。

第一に、なぜこのような人々がロシアがらみで登場するんでしょう? 

そして、日本人なら誰でも知ってるように、こういう人たちが日本中をへんてこりんなスピーカー付きの車に乗り込んで走り回り、だいたいいつも軍歌を流し、場合によっては、返せ北方領土といったことを言う。

あの人たちは右翼でも愛国者でもないでしょ、だって、基地返還なんて言ったのを聞いたこともないですから。

この人たちは一体誰なんでしょう? 前にも書いた通り、私たちはこの人たちが何者なのか知る権利があると思う。外務省は説明する責任がある。

さらにいえば、東京に住んでれば結構よく知ってる人多いと思うけど、旧ソ連大使館、現在のロシア大使館のある飯倉あたりには、何かあると右翼という名称でよばれる、むしろヤのつく人たちと呼んだ方がいいような人たちが街宣車で乗り付けて、がーがー騒ぐ。

他国の大使館の前に人相風体のおかしい人たちを集めて、怒鳴らせるって、一体全体どんな国なんだろうとしばしば思う。これを何十年もやってきた。当然ロシア人の外交官のみならず、外交コミュニティーみたいな人たちもみんな知ってるでしょう。恐怖感を与えているつもりなんだろうが、恥を振りまいている。

そう、そもそも、日本のロシアに対する態度は文明的でない。

戦争して北方領土を取り返したいらしい

 

対ロ外交についてはこのへんでまとめた通りで、まぁ日本は全体としてみれば、知らぬ存ぜぬでぬらりくらりやっていくという話なんでしょう。

ポスト安倍が見えない日本 (8):対処療法は安倍の専売ではない

 

■ SSこそ正義の人たちと同じ

で、ロシアの方は、これってつまり、ラトビアとかあたりでナチスの親衛隊こそ正義みたいな感じで、ナチ側に立ったことを誇りとして毎年パレードしてるおじいさんたちと同じカテゴリーに入れて、「ナチの負の遺産」みたいなファイルに入れてるんだろうと思うな。

 

実際、日本の右翼と東欧のナチ・シンパ残党というのは、本当はヒトラーこそ正しいのだ、ボルシェビキこそ悪、俺たちは正しいと考えているという意味で、実はそっくり。同じものだった。

そういえば、この手のホントは俺らは正しかった主張グループを庇うどこかの国の政治家(多分ポーランド)に、ロシアの政治家の誰かが、そこまで言うならニュルンベルク裁判を否定すると言え、と言っていたことがあった。

日本の場合は、東京裁判を否定してやまない人たちが普通にいるわけですから、ここでも同じですね。

だから、ロシア外務省にとっては、こういう日本のグループというのは、それ自体に驚きはないでしょう。単に、大使館員の身の安全を確保しようとするのみ、みたいには思ってるでしょうし、なんという不格好なことを放置しているのだ、とも思っているでしょうが。

問題は、むしろ日本でしょう。いつまで放置するの、こういうの。

 

しかしながら、他方で政府や学識者の方は、知らぬ顔して、ドイツと組んで東西からソ連を攻めていた恰好を認識したくないらしいわけですよ。

東西挟み撃ち体制が見たくなかったらしい

まぁ、表だってそういえないけど、ホントは私たちが正しいの、みたいな二重体制を温存した結果が現在というところでしょうが、これではますます国内の言論が無茶苦茶になるだけ。

 

■ ナチが好きなら好きでもいい

でね、ナチが好きなら好きでもいいと思うわけ。私はあの血だらけの殺戮部隊のいた東部戦線を見てナチが好きになる人がいるという事実に驚愕はするけど、でも、いると思うし、その一事をもって難詰しようとも思わない。

「ホロコースト」犠牲者の4割はソ連市民

だけど、それと、事実関係に嘘を織り込んだり、結んだ条約、交わした合意を覆して、国内と国外で別のことをいう、みたいな詐術とは別問題。

前者は個人の好みの問題ですむけど、後者は国際問題であり、そして日本国民はひどく嘘をつかれているという点では立派な国内問題。歴史理解の問題。嘘の上に論を組んでも、長持ちなんかしない。この不誠実は正すべき。dignityのために。

 

■ この問題のまとめ

 
とどのつまり、日本が70年間、わけのわからない右派を総動員して否認してきたのは、だいたい東京裁判の部分否定に集約されるのだろうということ。だから「第2次大戦の結果を完全に認めることができない唯一の国」と言われ、危険視される。

 


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7 コメント

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ヒトラーのパロディ (ミール)
2020-02-08 15:09:45
以前にも書いたと思いますが,日本のいわゆるミリオタの間ではナチはかっこいいものになっているようです。政治的な背景というよりも,当時のドイツ軍の制服や装備,兵器が彼らの感性に合っているのでしょうが,政府がそういったものを良くないという教育をしなかったことで,実質的に奨励したことになります。

 以前から気になっているのが,日本国内で,映画「ヒトラー最後の12日間」のパロディの動画が数多くあることです。多くがヒトラーに自分の気持を代弁させる作りになっています。もはや日本ではナチはタブーではないということなのですね。2700 万のソ連の犠牲者のことに思いを馳せることがないのです。

 海外ではどうかと思うと,数はそう多くはないのですが The West の国々では日本と同じノリで作られたものが見られます。専門のサイトまであるようです。

 ロシアではどうか。あることはありました。しかし,やはりそこは一味違って,2014 年のウクライナのクーデターを題材にしたものが目につきました。

https://www.youtube.com/watch?v=X9WRKnrBT0s

この中ではオリンピックのどさくさに紛れて行ったことや,もう新政権の正体がばれてしまったことが描かれていて,また人払いをするときにネオナチのメンバーを残すところなど,なかなかの作りになっています。

 こういうところにこそ,「民度」が現れる,と思いました。大祖国戦争のときのことをパロディにするのはなかなか微妙なところがありますが,こういう使い方だと許されるでしょう。
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ナチをカッコいいって・・・ (ブログ主)
2020-02-08 15:43:23
ミールさん、

ご指摘ありがとうございます。「民度」問題もなるほどと思いましたが、その上の、日本ではナチをカッコいいものとして扱って来たというご指摘、うかつでしたが、実際そうなんですよねと改めて思いました。

ミリオタの中では(私は別にミリオタではありません)、ドイツ軍も言われてるほど強くもなく、弱点もあるってのは普通に常識だと思います。

また、アインザッツみたいな殺戮部隊の存在を知ってナチがカッコいいと思う人は特殊でしょう。

しかし、なんとなくドイツはカッコいいものとして日本では描かれ続けてきた。ある意味、三国同盟を栄光として描いた日から何も変わらない視線が生き残ってた。

これがひっくり返せない1つの理由としては東部戦線に関する書物が非常に少なかったこともあると思います。総じていえばナチは赤軍に惨敗している、ということが見えてない。
(レンドリースがあったからソ連は勝った、みたいな嘘もまかり通っていた)

いずれにしても今後はアインザッツグルッペンとか日本の特務機関みたいな特殊部隊の暗躍を追及しないとフェアな全貌にはならないと改めて思いす。
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街宣右翼 (名無しの在日)
2020-02-08 16:03:40
>あの人たちは右翼でも愛国者でもないでしょ、だって、基地返還なんて言ったのを聞いたこともないですから。

彼らの多くは、暴力団がシノギを得るためにこさえたエセ右翼団体ですからね(企業や個人に北方領土関連の書籍を法外な値段と部数で脅迫的に売りつけるとか)。ヤの字と右翼の結合というのは元をたどれば、60年安保で岸信介が暴力団のゴロツキを糾合してデモ隊への白色テロをけしかけたのが始まりなんじゃないでしょうか。

かといって、「本物」の右翼も反共・反ロと天皇陛下万歳さえ言ってれば済む的な思考停止状態に陥っているように見えます。
エントリの写真に写っているのは赤尾敏が党首だった「大日本愛国党」(街宣右翼の行動スタイルは、有名だった赤尾の銀座での街頭演説が源流だとか)ですが、掲げているスローガンもやはり上記のような紋切り型。赤尾自身はカリスマ的な要素の持ち主だったものの、彼の死後は組織も分派したそうで、大して影響力を感じません。
そもそもの話赤尾は左翼からの転向組ですから、その主張も結局は彼の私怨を源泉としていたもののように私には思えます。
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間に合わせ右翼 (ブログ主)
2020-02-08 16:31:18
名無しの在日

よく考えてみるまでもなく、反ソ/反ロシア・天皇陛下万歳って、大日本帝国の基本姿勢ですからね(笑)。

また、赤尾さんは反ナチだったというので免罪符があるみたいに思ってる右派もいるみたいなんですが、だけど反共が強すぎれば、それって結局
今も昔も同じように、千代に八千代に(東インド会社的)イギリス側です、と言ったも同然とも思います。

それで一体どこに日本があるというんだよ、と考える私は民族派だなとしみじみ思うわけですが、この愛国という名を乗っ取った(本質アメの下請けにすぎない)間に合わせ集団のせいで、戦後という時代を無駄にしたなといった感じがしてます。

岸、児玉、蒋、文あたりの世界的な反共連盟周辺が、多分極東問題で最後に暴かれる闇なんじゃないですかね。

北朝鮮問題が解けないのもそれだろう、って思ってます。
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アカデミアも (ミール)
2020-02-08 20:06:56
ブログ主様

いや本当におっしゃる通りで,うまく問題点をまとめて下さいました。

加えて,これらにはアカデミアの問題も絡んで来るようです。私自身長年そこに身を置いた者ですのでわかりますが,文理を問わず,程度の差こそあれ,ドイツに対する憧れと共感の念があるのですね。そういったアカデミアからの発信と明治以降の教育,ドイツを範とした陸軍の存在などが相まって形成した,三国同盟につながる素地というものが日本にはあったように思います。
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従米右翼 (ローシャン)
2020-02-08 21:20:12
愛国党の赤尾敏、笹川良一、児玉誉士夫、戦後みんな転向して米国にしっぽを振っていた連中です。

私の父は戦前大日本青年党(大日本赤誠会)という右翼団体に入ってました。http://goukazunari.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/1512-5b44.html

統領と称していた橋本欣五郎は陸軍の元大佐で大政翼賛会の壮年部長にもなったファシストで根っからの反英米主義者でした。

戦後、A級戦犯で10年ほど巣鴨で臭い飯を食いました。米国からの真の独立を叫び選挙に出て復権しようとしましたが、落選。不遇のうちになくなりました。

本当の右翼は、戦後反米では飯が食えないということですね。

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Unknown (にゃんこ)
2020-02-08 22:04:37
昭和13年1月26日の父の日記(旧制高校時代)
ドイツヒットラーユーゲント代表の講演があり出かけた時のことが書かれています。先ず、校長先生の挨拶があったようなので、学校からの勧めがあったのでしょう。日独文化協会副主席の方が流暢な日本語で「ドイツナチス主義の根本概念」について熱弁を振るうとあります。
>世界大戦に敗れたドイツが外国の圧迫と国内の思想的、及び経済的混沌の状態から脱却して、再び世界の一等国となるまでの間、ナチスの為した努力は我々に多大の感銘を与えた。
と、父は書いています。
「ヒットラーユーゲントと教育」という演題でドイツ青少年のあり様等も紹介、活動状態の映像も見ています。

2月の授業では、F教授が、ムッソリーニのイタリアとヒットラーのドイツを称賛しています。

7月22日の日記では、張鼓峰事件で日ソ関係が険悪になってきた事が書かれています。この頃は対支作戦も不振になってきている様子。「過去の日本の政治家や知識階級のロシア革命政府に対する認識態度が誤っていたのではないか」と父は書いています。「革命の当初はこれを嘲笑を持って眺め、ソビエトの政策を悪意に解釈し時を経ずして、必ず自壊すると考えていた。ところがスターリンの独裁が益々強固になり、経済政策が着々と成功し、強大なる軍備を擁するに至った。で、現在は恐ソ病に襲われてしまった。ロシアがいる限り、シナは最後の土を失うまで抵抗するのは明らかだ」と続けています。
「ところで日本はどうしてあの広大な土地を武力で征服できようか?」←こんな事も考えている父。本当にそうだよねと私も思う。

また日本はソ連の内部抗争を頼りにしているけど、一度戦争になれば、国家は他国からの脅威を受けれが受けるほど、内部的に強固になるから、無理と書いています。

この時点で中国にも相当手こずっていた様子。

そんな状態でアメリカと戦争をはじめるとは!

当時の日本は、ナチスドイツを随分持ち上げていたのですね。

駐独大使が文官から武官に代わったと言って怒っている日記もありました。調べてみると、東郷茂徳から大島浩に代わった時の事でした。
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