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第2次大戦の結果を認められない唯一の国

2019-01-17 14:31:22 | アジア情勢複雑怪奇

安倍というより歴代の政権を支えてきた日本の外務省は、怒ってみるとか、反論してみるとかしないんでしょうか? 

ラブロフ外相 日本は「第2次大戦の結果を完全に認めることができない唯一の国」

https://jp.sputniknews.com/politics/201901165809597/

ロシアのラブロフ外相は記者会見で、第2次世界大戦の結果を日本が認めることは、現代の国際体制の不可避かつ不可分の要素だとして、ロシア政府は日本政府に対し何も要求しておらず、その行動を国連憲章と合致させるよう呼びかけているのだと指摘した。

 

ラブロフ露外相 露日は国際舞台のパートナー関係にはまだほど遠い

https://jp.sputniknews.com/politics/201901165809946/

2018年を総括した記者会見でラブロフ外相は、「我々が平和条約問題に限らず、我々の日本の同僚とともに解決せねばならない他の一連の問題をも含め、複雑な問題を解決するためには、もちろんのこと、国際舞台で我々が日本人とはパートナーであり、バリケードの別の側に立つ国ではないと感じられることが必要不可欠だ」と語った。

 

と、まぁ日本の記事の出し方だとラブロフが畳みかけているようだけど、これってだってずっと彼が言って来たことにすぎないわけで、それを今になって日本のメディアが報道しているから、えええ、そうなのぉ?? なんてこと露助、みたいなことになってるだけ。

情報鎖国がもたらしたガラパゴスランドが極限まで来ていることを私たちは認識すべきでしょう。

■ 両建て作戦の決壊

今年からウクライナが1月1日をバンデラ主義者を顕彰する日にしたというので、腹を立てて正月早々長文を書いていた私だが、その時に書いたことの極東編を見ているのだななどとも思う。

つまり、第二次大戦中は、連合国はナチス+大日本帝国を敵として戦って、連合国の各国の兵士はそのつもりで戦争を終結させた。

ところが、それだと欧州側でも、極東側でも勝負を決したのはソ連赤軍なので、このままでは次の世界構成にとってよろしくない。そこで、ドイツが降伏し、極東方面ではソ連赤軍が満洲、朝鮮から日本を掻き出している中、チャーチルは(またはOSSは?)、共産主義者との戦いだったのだ、などと言い出す。冷静に考えればこれほど無様なことはない。

チャーチルは今度はドイツ兵を集めてソ連を襲おうなどという作戦を立案するが(Unthinkable Operation)、イギリス参謀本部に拒否される。

■ 両建て作戦の決壊

共産主義者との戦いだったのだ路線を言い出してはみたものの、しかし、英軍兵士、米軍兵士はファシストのナチスを倒すために、あるいはナチ+大日本帝国を倒すために苦闘したわけだから、米の支配者としては、それは嘘でしたとか、間違ってましたとは言えない。

言えないし、言ったら今度は、西ドイツと日本を占領してる根拠もなくなっちゃう

そこで、表面は第二次世界大戦とはファシズムとの戦いだったと語り、裏面では、後年のネトウヨみたいないわゆる反共右翼グループを通じて、しかし本当は共産主義との戦いだったのだ、などと教える。

 

で、次に朝鮮戦争があって、それを契機に確実な冷戦構造が出来上がる。そこで、サンフランシスコ講和条約で日本を、英米側とだけ講和させ、ついでに、体育館の裏側に呼び出すみたいに安保条約を結ばせる。

日本の支配層の側は、そうなると自分たちは助かる見込みが立つことを知っているから(共産主義者との戦いというのなら、俺たちは戦前から反共だ!)、そっちに乗っていって、片面講和で万事OK、ソ連、中国なにするものぞという体制が完成する。(萌芽は既に戦中からあったと言えると思うが)

つまり、日本は、1941年に至るまでの主題であった大陸の諸国との講和を求めず、米の子分になる選択をして、冷戦構造の中に潜り込み、日本国内でしか通用しない諸々の言辞を編み出して行った、と。

何度も書いてますが、だから、今というのは、片面講和のツケを払っているということだと思います。

 

■ 世界大戦の全貌さえ怪しい日本

しかし、その前に、しみじみわかるのは、日本の教育は一体どういう教育だったんだろうかと不思議になるわけだが、第二次世界大戦の全貌さえ怪しい人が大勢いる。

特に、ソ連は最後に出て来た、といった発言を多数twitter上で見たわけだが、ソ連は全期を通じた主たるプレーヤーそのもの。そして、英米はソ連に極東で日本を大陸から追い出してもらわないと、自分じゃできないことを最初っから知ってた。だから、クロージングにソ連の兵力を使った。原爆は、ひょっとしたらこれで日本が降伏するんじゃないかといった希望があったと言われているが、原爆が落ちるのは日本列島本体であって満洲じゃないから、これは嘘の解説でしょう。

■ 第二次世界大戦の全貌さえおかしいからなぁ

で、結果ですよ、と上で書いたけど、そういえば結果以前に、第二次世界大戦の推移すらちゃんと理解されていない感じもある。

そういえば去年末、すなわち2017年末には、ソ連の千島側への侵攻をアメリカが助けていた作戦「プロジェクト・フラ」が唐突に根室の役所が発見したかように(笑)報道されていたことさえあった。

今更なぜか「プロジェクト・フラ」

2017-12-30 16:30:30 | 参考資料-昭和(前期)
 

あと、これに対する考察がないのも結果的に重要だったんだなと思ってる。

関特演と1945年ソ連満洲侵攻作戦

2018-01-06 19:34:03 | 参考資料-昭和(前期)

 

1945年8月に日本が降伏をした直接のきっかけはソ連の満洲侵攻。

また、その作戦はソ連赤軍のまったくの大勝利、すなわち日本の陸軍は盛大にソ連に負けた

この2点がどうもしっかり押さえられていない。

 

■ ソ連に負けたと言いたくなかった

で、いろいろいろいろ考えてみるに、結局これが根っこだという話なのだろうと思うしかない。

まとめてみるに、戦後、ソ連に降伏したことを見たくなかったグループは複数あると思われる。

        • アメリカにだけ降伏したかった日本の支配層
        • ご主人は俺たちだけだとしたかったアメリカ
        • 上の成り行きを見せてしまうと面倒だなと思った戦後の支配層
        • 面目なさすぎだろ、と思った戦後の軍関係者(特に陸軍)

そして、朝鮮戦争からはもう一つ加わると思う

        • 朝鮮を解放したのは紛れもなくソ連軍だったと思い出したくない人々

どうやって一億総懺悔にもっていくかに腐心してた日本

2018-11-19 20:54:57 

 

多分、南北あわせた朝鮮民族の人たちはこの流れを理解したんでしょうね。だからロシア、中国と、個別の論点で差異はあるにせよ、同じ歴史認識の上に立つことができる、となってるんでしょう。

日本の場合は、70年こんなことをしてて、しかも過去30年はとりわけおかしかったので、何をやったところで数年で何かが変わるってことはないでしょう。ガラパゴスは当面続く。そして、この話においては日本に助け船は来ない。ぼちぼち、せめて悪意のガラパゴスにならないよう行くしかないでしょう(笑)。


 


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9 コメント

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日本はまだ枢軸側のままだよ!とラブロフ外相 (ローレライ)
2019-01-17 16:58:52
日本はまだ枢軸側のままだよ!とラブロフ外相の当然のコメント。イスラム国をまだ助けているアメリカのパラレルなナチス支援にも釘をさした。
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中国が言うとすねちゃうから (ブログ主)
2019-01-17 21:08:03
ローレライさん、

結局、アメリカは自分じゃババ引かないし、中国が言うと日本がすねちゃうので、ロシアに盛大に現在のあなたの認識では今後困りますと言ってもらわないとならないというお話ですね。

だって国連機構改革していこうにも、ここに一人ダンマリで妄想してる結構大きい国があるって困りすぎ(笑)。
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Unknown (蔵権)
2019-01-17 23:22:37
ttps://youtu.be/AdHy2uc0YN8

2016年にプーチンが山口に来たときの共同記者会見。プーさんはダレスの恫喝のことまで言及してんのに安倍ぽんは確かに何にも否定してない。否定しない、反論しないってことはダレスの恫喝を認めたってことでいいのかな。今まで国内で説明してきたことと違うじゃないか、なんとか言えよって思う。ポツダム宣言はつまびらやかに読んだことが無いのでわかりませんとプーチンに言ったらどうだろう
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中立条約は日本が先に破った (ローシャン)
2019-01-17 23:40:09
日本では第二次大戦は米国に負けたことしか教えませんね。日米戦争の原因である日中戦争は何も言わないし、ソ連・ロシアは中立条約を破って最後に火事場泥棒をした、とんでもない国として70年以上ぼろくそに言われ続けている。

日ソ中立条約を先に破ったのは日本です。
「関特演」はまさしくドイツと組んだ挟み撃ち作戦。

関東軍というのは満州建国以来ソ連に攻め込むため太らせた軍隊で膨大な軍事資材をため込んでいました。

あの時期マレー作戦の英雄、覆面山下将軍を極秘に送り込み陸軍はやる気満々でした。

ノモンハンの戦訓はソ連の方で生かされたので日本が期待するほど戦力の西方移動がなかった。

東部国境地帯にあった長大な要塞群は攻め込むときの援護射撃をするための陣地です。そのため守りが薄く逆に攻め込まれるとあっという間に突破された。

日本はいい加減、被害者ぶりっ子・負け惜しみをやめないとまた世界の孤児になるかも。




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国連憲章の訳文について (И.Симомура)
2019-01-19 02:56:36
どなたか御教示ください ラブロフ発言に対する孫崎氏の意見,(国連憲章第107条)「この憲章のいかなる規定も、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない」という訳文は全体として意味不明ではありませんか.特に”…無効にし,又は排除するものではない”という部分は,日本語としては異様に思えます.この訳文は自動翻訳プログラムによるものではないでしょうか.
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それが公式で使用されているものだと思います (ブログ主)
2019-01-19 03:26:35
И.Симомураさん、

このへんちくりんな訳文が国連憲章の日本語訳公式だと思います。(だから外務官僚の人たちはあえて使ってるのではないのかと)。

ありました、ここ。
http://www.unic.or.jp/info/un/charter/text_japanese/

英文のオリジナルはここ。
http://www.un.org/en/sections/un-charter/chapter-xvii-0/index.html

Nothing in the present Charter shall invalidate or preclude action, in relation to any state which during the Second World War has been an enemy of any signatory to the present Charter, taken or authorized as a result of that war by the Governments having responsibility for such action.

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試訳 (ブログ主)
2019-01-19 03:41:49
あらためて読んで訳してみるに、こんな感じだとわかりやすいのではなかろうかと試訳してみました。

この憲章のいかなる規定にも、第二次世界大戦中にこの憲章の署名国の敵であった国に関して、行動に対して責任を有する政府がこの戦争の結果として取った、または承認した行動を無効にする、または排除するものは含まれていない。


つまり、107条の前までの条項は敵国であった国に対してWW2の結果として取られた措置を覆すことを意図しません、ということなんでしょう。
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敵国条項 (И.Симомура)
2019-01-19 05:45:09
ブログ主様 勉強になりました.この条項は台53条と並んで,”敵国条項”と呼ばれるもののようです.これと対照させて読むと,「日本もドイツも第二次大戦の勝利国が決めた結果は覆せない」ということが理解できます.ラブロフ氏は穏やかな言葉で,「日本は未だ敵国なのですよ」とたしなめているのでしょう.いやあ,大日本帝國ですか.戦後のルンペン,傷痍軍人,孤児の群れを思い出します.ユジノサハリンスクでは九月二日対日戦戦勝記念日がレーニン広場で開催されました.市長は「ファシズム国家からこの地を解放した」という言葉を入れて,祝賀演説をしておりました.老人も日本人観光客にそう通訳しましたら,「けっ,火事場泥棒が」と罵っておりました.
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歴史の嘘 ()
2020-01-27 23:58:47
あの戦争は、深いところで、八百長であった。
だから、日本では正確な叙述をされない。

いろんな特殊利権の問題があって、
いまだに正確な話をしないし、タブーになっている。

もうそろそろ情報を全部公開してもらいたいと
本当に思っている。

日本軍は、ソ連ともアメリカとも中共ともずっと通じていた。
そんなことを国民に知られても困るだけだろう。

私も全てを把握しきれていないが、
説明が難しいことだ。
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