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アフガニスタン:撤退自体は賛成の米、日経は妄想語り

2021-08-24 18:19:30 | アジア情勢複雑怪奇
アフガニスタンから米軍が撤退し始めてから1週間以上が過ぎた。以降、特に大事件みたいなのは起きていないようなのだが、むしろ、西側の受け止め方がぐらぐらだ、という感じが興味深い。

日刊ゲンダイが特筆すべきデマゴーグ状態になってたりもする。もちろん、取材などまったくしてない記事。

アフガン制圧1週間 米軍協力者8万人に襲い掛かるタリバン「残虐行為」の実態


そんなことはともかく、まず、アメリカで、アフガニスタン撤退の仕方があまりにも杜撰だというので、バイデン政権への非難が強まっている、という感じの記事がよく見られる。

だがしかし、アフガニスタンからの撤退自体を希望していたのはアメリカ人たち。アメリカのCBCの22日付けで出した数字でも、アフガニスタン撤退自体を認める(approve)と言う人は6割を超えている。

そして、バイデンの取り扱いを認める、というのが47%。




まぁCBCだから、現在の政権を好意的に扱っていることは疑いもないのだが、でも、過去の成り行きから見ても、撤退自体はOKという人が半数を切るということはないんじゃないかと思う。

また、ハンドリングに関しては、おそらく、民主党支持者70%、共和党支持者20%、みたいな極端な差があるんじゃないかと思うけど、でも、それにしたって、共和党支持者といえでも、じゃあ、お前ら何が出来たんだと言われると、実はそれほど自信はないでしょう。


■ トランプのバイデン批判

トランプが、はりきってバイデン批判をしているけど、なんとも言えないものがある。

アフガンの米軍は降伏、部隊の増援が必要=トランプ氏

要するに、部隊は最後に撤退するもので、最初に撤退させるなんておかしい、と言っている模様。

いやぁ、軍事紛争においては結局は軍が撤退を決断しないと終わらないというのも本当でしょう。

多くの人は勘違いさせられたままだけど、ソ連とアメリカでは立ち位置が違う。

ソ連は当時の政権に頼まれて軍事介入して、当時の政権を立てたままイスラム過激派と戦い、一応片付いたので撤退した。つまり、ソ連の政治状況としては失敗かもしれないが(介入しなければよかった、という意味)、戦いとして負けてもいないし、ましてや、政府側なんだから、「レジーム・チェンジ」狙いでもない。

だから、最後に、加勢していた外国軍であるソ連軍が出て行って、アフガニスタンの政権は単に普通に戻った。(アフガニスタンの政権が崩れたのは、ソ連が崩壊した後)

だけど、アメリカはオサマ・ビン・ラーディンを出せとかいう難癖をつけて、アフガニスタンに侵略行動を取って、そのまま居座った単なる占領軍なので、撤退=敗北以外に何があるの?って感じ。

トランプは夢を見てるか、ほらを吹いている。


■ 日中戦争を思い出してみる

で、思うに、今般の西側のアフガニスタン撤退というのは、日本が行っていた中国への居座り行動を思い出してみるべきなんじゃなかろうか。

いわゆる日中戦争という奴ですが、あの居座り行動を、こりゃもうダメだと思って撤収したら、今アフガニスタンで起こっているようなことが起こったでしょう。

いや、もちろん、当時の方がもっと大波乱が起きていたとは思う。だけどまぁ、構造は一緒でしょう。

日刊ゲンダイが、タリバンは残極だと煽ってるけど、日本の軍事政権が引き上げた時、もれなく、日本の協力者が処刑されてるでしょ。

目立つところ以外でも、日本の軍事力をかさにきてブイブイ言わせてた奴らが、軍事政権が引き上げたら、恨みに思ってた他方の人たちから仕返しをされてたんだろうと思う。これはもう、殆ど、世の常みたいなものだけど、せめて自分たちが関わったところぐらい、覚えておきたいものです。


■ 日経の妄想

そんな中、日本の日経は、毎日妄想を垂れ流すのに忙しい。一時は、アメリカの撤退を嘆き、タリバンを危険視し、その一方で、中国が乗り出すことに懸念を示して、嘆いていたかと思うんだけど、今日は、ロシアのせいになっていた。

再びアフガンの呪縛か 「勝利」へ展望描けぬロシア


再びアフガンの呪縛か、というのは、つまり、1979年にソ連がアフガニスタンに侵攻したという、日本における定説を念押しして、その上で、最近のロシアはまたアフガニスタンに色目を使っておるな、ということなんでしょう。

だがしかし、上述の通り、その定説が間違っているし、ロシアの方は、そうやってまたアフガニスタンに引っ張られる可能性を、とっくの昔から警戒している。

最近も、ロシアはアフガニスタンからの移民、難民を警戒して国境のハードルをあげるよう考えてるっぽい。プーチンがわざわざ演説して注意喚起している。

ISIS & Al-Qaeda may be lying low in ‘sleeper cells,’ Kyrgyzstan warns, as Putin says terrorists could be disguised as refugees


つまり、西側が、アフガニスタンの過激派を、旧ソ連の、いわゆるスタン諸国に移民、難民を装って出すこと、そしてそこからロシア領内に入れることを警戒してる。

まったくありそうなことなので、当然警戒するでしょう。そして、タジキスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンのどこを取っても、過激派の温床になりたいなんて思ってない。

他方で、ロシア一般人の方は、一旦、ソ連に支配されてました~とかいって西側におもねった人たちに対する評価は厳しいので、政府には最小限で終わりにしてもらいたいものだ、って感じでしょう。


■ オマケ

Financial Timesの親会社となって世界を仕切った気でいる頭のおかしい、不道徳で、知性なく、希望もない、愚劣な妄想集団の日経のことはともかく、その他の日本人にとっては、アメリカが変わっていくかもしれないことの方がよほど考えるべき課題なんじゃないのかしら。

つまり、GSもG2も両方アメリカだってこと。



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5 コメント

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クメールルージュみたいな噛ませ犬肩代わり見えない (ローレライ)
2021-08-25 08:30:59
アメリカのアフガン撤退ではベトナム戦争の置き土産のクメールルージュみたいな噛ませ犬国や中國の役回りは見えないです。
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キッシンジャーマジック亡きアフガン敗走 (ローレライ)
2021-08-25 13:35:47
キッシンジャーマジックで煙幕を張ったベトナムからの敗走と異なりアフガン撤退は、露骨に敗走の実態が世界的に明らかになった。
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まだ不明 (ブログ主)
2021-08-25 14:46:08
ローレライさん

何も策がなかったかといえばそれはわからないでしょう、まだ。

やってたけど失敗した、ってことかもしれないです。
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アフガン難民 (金 国鎮)
2021-08-25 17:51:41
アフガン難民を支援すると言っている。
具体的には誰も妙案を持っていない。
空路アメリカ・ECというが寝ぼけてはいけない。
それほど大量の飛行機は誰も用意できない。
8月を過ぎても陸路であればアフガン難民は隣国にいける。
アフガンと気候も近い隣国に大規模な難民施設をアメリカのドルで用意する以外に道はないだろう。
イラン・パキスタン・中央アジア・ロシアである。
トルコはこれ以上は無理、中国は受け入れない。
プーチンが難民受け入れを断るという。
バイデンがプーチンと話をしてアフガン難民受け入れの施設をロシア領内に作ってもらえばいい。
陸路とはそういう意味だ。

タリバンはこれからは軍事兵器を自分の才覚で用意しなければならない、その金額は今までとは桁が違う。
それが政治権力を掌握したという意味だ。
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出なければいけない人 (ブログ主)
2021-08-25 18:44:36
金さん

ロシアを含む旧ソ連諸国はどこも厳しくお断りでしょう。また、そんな義理もないと思います。

ソ連がアフガニスタンを近代化しようとしたのを、みんなして阻止したんですから、阻止した人たちが応分に負担するしかないでしょう。

また、タリバンがそれほど乱暴ものなのかどうか、あるいはアフガニスタン内のその他勢力の動向がどうなのか、まだ誰にもわからないので、大量難民になるのかどうかもわかりません。(スパイ関係者は当然、雇った国が責任もてよ、ですが)
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