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100年ぶりのロシアなのかも?

2014-07-03 23:09:21 | 欧州情勢複雑怪奇

ウクライナ情勢は、ますます怪しいことになっている。

ポロシェンコ大統領が出てきて停戦と言うアイデアが利用されるようになったのはいいけど、実のところ全然停戦できていない。ただ単純に、ウクライナのキエフ政権が停戦するというと世界中のマスコミがそう書くだけで実際にはその間にも犠牲者は出ていた。

で、そういう状況の中、戦闘は続く。本格になっただけで今はじめて停戦が破れたって話じゃ全然ない。

ウクライナ軍が本格攻撃を再開
7月1日 21時22分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140701/k10015664771000.html

一方で、ドイツのベルリンで、ロシア、フランス、ドイツ、ウクライナの外相が会って出口戦略を話し合っている。外相たちは、7月5日までにキエフ政権と東部住民側の双方が納得できるような合意案を作ろうとしているらしい。

Ceasefire in E. Ukraine, OSCE observers at Russian checkpoints agreed at Berlin meeting
http://rt.com/news/170012-lavrov-ukraine-talks-peace/

ウクライナ 関係機関の交渉再開で一致
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140703/k10015705621000.html

■ 陰謀論じゃすまない

要するに、現在のところ、ドイツ、フランス、ロシアが停戦を目指して協力してウクライナのキエフ政権を説得しつつあるって感じ。

でも、参加者みんな分かっているのは、問題はキエフ政権じゃなくてその後ろにいるグループなわけですよね。多分、国家としてのアメリカ、または総体としてのアメリカ人ですらないグループ。

そういうグループの存在は、常に取沙汰されていたし、アメリカとはそういうグループと切っても切れないのだと指摘した人たちは過去にもたくさんいた。

で、現在私たちが見ているのは、要するにその総決算なのかもなぁ・・・というあたり。

陰謀論ですんでいたものを陰謀論じゃすまないまで引き上げたのは、国家アメリカの尊厳にとってどうなんでしょうかと思わずにはいられない。ここ100年の公然の秘密が破られていくのかな、みたいな。

■ 普通の国になったロシア

思うに、これはソ連がなくなった時に起ってもいいことだったのじゃなかろうか。ソ連というのは、いろいろいうけど、やっぱり20世紀初頭に覇権国としてのアメリカが作られていく時に、最初からその構想があったか否かは議論があるだろうけど、結果的に対になっていったというべきだと思うわけです。

少なくとも、20世紀内の70年ぐらいソ連という悪者を立てることによって、アメリカはいわゆる西側世界で起こる諸々に対処してきたといっていいかと思う。

要するに、冷戦というのはアメリカ側にベネフィットの大きいG2プランだったんだな、と。

ではなぜソ連の側はそれに応じてカウンターパートみたいになっていたのかといえば、ソ連の側が何を言ったところで、やつらの言うことは100%嘘とプロパガンダというプロパガンダを敷かれていたので何をいっても無駄だったこともあるだろうけど、もう一つは内部にず~っと深刻な対立を抱えていたからじゃないですかね。

そもそもボルシェビキはロシア人が主体じゃなくて外国部隊によるロシアの奪取 Russian takeoverなわけで、ここでまずロシア系と内戦含みとなり、裏切り者と粛清の嵐の季節が来る。そのうち第二次世界大戦となって一応一致団結してナチスに勝つけど、これですっかり外国勢力がいなくなったわけじゃないと思う。

つまり、

大西洋主義者 vs ユーラシア主権者

といわれるそれがずっと内部で対立しつつ、概ね右側が優位になりつつも尚要所では大西洋主義者、協力者にやられてる、みたいな感じだったんじゃないのかな。本人たち知ってか知らずかゴルバチェフとかエリティンはそういう人たちに担がれていたんでしょう。

大西洋主義というのは、ぶっちゃけ、英米のグループに付く、あるいはその理念に共感しているのでそのために働くというモチベーションを持った人たち。

で、ともあれ冷戦が終わったけど、ゴルビー&エリティンのせいでソ連は拙速に分割され、ロシア本体を含めてどこもかしこも、それら大西洋主義者たちにある種「占領」されていたと考えていいんのじゃあるまいか。経済活動だけでなく法律を変えられたりしていると言われてるし、選挙をさせるけど、メディアをオリガルヒが占有して国民を洗脳していく手法が見え見えだった。

そこで、プーチン率いるロシア政府が、ホドルコフスキーを代表例とするオリガルヒと戦ってロシアを取り戻している、ということになるんだけど、私はそれは「政治的是正表現」的な解釈じゃないのかなと思ってる。

つまり、病はもっと深かった、と。ソ連誕生の時から冷戦時代を通じて、そして冷戦後も尚、ロシアは外部からのコントロール、それが言い過ぎなら強い影響に苦しんでいたのじゃないのか、ということ。

(自分とは違ってる権利が他人にはある、と認める時だよ。-ロシア外交官を前にプーチンの訓示

■ 第五列の敗退

ということで、現在のプーチン率いるロシア政府は、占領期を脱したということだと思うわけです。

これを下手にやると、なんらかの経済的便益を侵害されるとか、除け者モードを作られるか、あるいは重要人物の秘密が暴かれるとかなんとか、なにか知らないけどそれなりにロシアにとってもリスクが大きいためになかなかできなかったことがあったんじゃなかろうか、と思う。

それを一つずつ徐々に信管を外すように外していって、現在、どうやらユーラシア主権派が優勢になった、少なくとも外国勢と繋がってる勢力の影響力は最小限になった、と。つまり「普通の国」になりつつある、という感じじゃないかと思うわけです。

別の言い方をすれば決定の要路にいたであろう大西洋主義者の敗北とも言えるでしょう。つまり、長いこと仕掛けてきたグループからすりゃ、こりゃもう絶対許せないとなるんでしょう。俺らの利益の侵害だ、と。ここに、意味不明なまでのロシア叩きの怨念の原因があると。

で、ここで通常、大西洋主義者は得意のメディアを使って、ロシアは高圧的、威圧的、独裁者、腐ってる、KGBだ、後進だ、何もできない、バカなロシア...etcという語を多用して、ロシア国民のナイーブな層を喚起させていくわけだけど、今回はそれが効かない。(思えば2012年のプーチンの選挙でプーチンが涙を見せたという事件にはそれなりの深みがあったんだなと思わずには居られない。)

余程のアホか、余程確信的にスパイ的でない限り、ロシアが西側から非常に不当に扱われていることは理解できる。こうなると、この大西洋主義者たちが使って来た「第5列」が機能しなくなる。

第五列とは、wikiによれば、「本来味方であるはずの集団の中で敵方に味方する人々、つまり「スパイ」などの存在を指す」とあるけど、スパイだけでなく攪乱要員みたいな人たちまでをも含む概念みたいだ。

多くの国民に、ロシアが西側から狙われている状況が基本であって、西側世界はロシアに対して公平でもなければ自由でも民主的でもない、また、国があってこその自由と民主主義なんだという順番がしっかり認識されたんじゃないでしょうか。NATO東方拡大の意味をしっかり理解できなかった層は今回あらためて恐怖して、そして国防意識に目覚めていることでしょう。(冷戦期を生き抜いたおじさん、おばさんは理解していたが、若い衆がわかってなかったっぽい)

そういうわけで、私たちは100年ぶりの主権国家たるロシアを見てるのかもなぁと思う。普通にnegotiable、交渉可能な大国としてそのペースでいってくれると近隣諸国の私たちとしても頼もしいので頑張ってもらいたいです。

それに対して、マジの大国だし別に弱みはない国だけど、アメリカは迷いが深くなってるよね、ほんと。ロン・ポールたちは要するにここの闇、支配層が国民と乖離している状況を解決したかったわけだけど、大きな取組みにになれてないのが現状。国民の政治離れというか外交不信というか、どうなるんだろうと心配しちゃう。


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