ロシアは日本のアビガンのロシア版を製造して新コロナ治療に使っている。同薬の一般名はfavipiravir。ロシア版の名前はAvifavir。
Aviavirの使用方法はずっと病院限定だった。つまりお医者さんが管理している体制でなければ使わせていなかった。
それを、outpatient basisにする、外来患者向けを基準にするとロシア保健省が発表した。
"Russia’s Healthcare Ministry introduced changes to the registration certificates of two domestic preparations for the treatment of the novel coronavirus infection (COVID-19) with the international nonproprietary name (INN) of favipiravir, allowing their use on the outpatient basis. Earlier the preparations could be used exclusively for hospital treatment of patients,"
https://tass.com/society/1202193
ってことは、病院の診療から処方箋をもらって、薬局で買ってその後は普通に飲んでくださいということだろうか。
それとも市販薬にして具合悪いなと思ったら勝手に飲め、という普通の風邪薬なのだろうか。
どちらなのか現時点では私には不明。
いずれにしても、ここまで病院管理下で投与した実績が十分にあり、それによれば家庭で扱っても危険性はほとんどない、という判断なんでしょう。
■ 欧米とロシアのワクチン
9月15日付けだけど、この記事読みやすい。
ロシア開発のコロナワクチン第3相試験に5万5000人が応募 研究出資基金
https://jp.sputniknews.com/amp/covid-19/202009157771318/?__twitter_impression=true
最近話題のワクチンの中で、
ロシアは人間のアデノウイルスをベクターに使い、英アストラゼネカはサル(チンパンジー)のアデノウイルスをベクターに使っている。
また、米ファイザー&米モデルナは、メッセンジャーRNA技術が中心。
だから、ロシアでスプートニクV(ワクチン名)の資金を担う国富基金の総裁はこう言う。
ドミトリエフ総裁は、ガマレヤ国立疫学微生物研究センターのワクチン開発者の選んだプラットフォームについて、発ガン効果と生殖機能への影響の長期的研究が欠如している、チンパンジーのアデノウイルスやメッセンジャーRNA(mRNA)をベースとした新しいベクターワクチン技術に比べると有益な点で異なると指摘している。
結果として、スプートニクVは40,000人対象の第3相試験を開始しているが、
メッセンジャーRNA技術(長期的研究が進んでいない)を使用している米ファイザー社、米モデルナ社はワクチンの第3相試験の実施のためのボランティアの募集を4月末と7月末にかけているにも拘らず、必要な3万人の被験者を未だに集めることができていない。
そりゃあなた、人由来のウィルスでできることをサル由来でやってみたり、どうなのかいろいろ研究途上のメッセンジャーRNA技術でやろうとしてみたり、なんでそんな新規性狙いの方に行かないとならないの?と思う人がいるのも無理はないのでは?
その上で、買わせた上にワクチン被害は国家持ちとかいう契約してるわけで、なんじゃらほいと思いますよ、そりゃ。
いろいろ読んできた結果として、私が思うのは、ロシアのアプローチが保守的にみえるということ。
察するに、新コロナウイルスに対するガマレヤの実績からすると今回のロシアのアプローチはbestでないにせよfar betterなんじゃなかろうか。
だから、そこと異なることをして新規性のパテントを得ようして、いろんなことやってるのが西側製薬、という感じ?
ソユーズを改造しつつ使いつづける、枯れた技術こそ安定だ派のロシアさんとも言えるし、そもそもマクロファージにしても、免疫、生体防御みたいなアイデアの発展に関してロシア人の功績はとても大きいので、この蓄積の上にソ連/ロシアがあると考えれば、ロシアのアプローチは常に注目に値すると思ってみてて間違いはないでしょう。
そもそも後にウィルスと呼ばれるそれの存在を最初に示唆したのはイワノフスキー。クロマトグラフィーの原理はミハイル・ツヴェットによってロシアで示された。ロシア帝国の19世紀の科学的業績は見直されるべきと主張している私としてはいろいろ力説したくなる。
といって私は別に今回のロシアのは必ず成功するとかなんとか言いたいわけではない。しかし西側「先進」諸国のものばかりを評価し、それ以外に何か同等のものができる人たちがいないというような、あるいはいわんばかりの言説は正しくない。全く。
■ そんな中・・・
そんな中、日本の様子はどうなのかと思って一応成り行きで入って来るニュースを見てみるに、まだPCR検査が主要なテーマになってる人たちが多数いるらしい。なんで?
PCRって究極的には医療そのものとはちょっと別の話なわけで、今のフェーズでこれを大量実施してウィルスが付着している人間の多さを測ってどうする気なのだろうか?
アメリカ、ロシアあたりが一貫して大量のPCR検査をしているのは、最初から最後までやることによって疫学データを完成させようとしているんじゃないかって気がしてる私がいる。普通に考えても遺伝子発現のパターンの解析とかに役に立つデータだし。
もちろん途中途中で基本再生産数の測定に使い、これを1つのガイド指標とすることもできる。でもあくまで1つの指標。
また、PCR検査を見てて思うのは、こんなに大量の人間の体組織を収集したことはかつてなかったわけだが、これに疑問を持つ人はいないのだろうかという点も謎だ。
それで保健衛生が保たれるならまぁそれでもいいわけだけど、だけど短期的な健康被害問題とはあまり関係はないのでは? 薬、入院施設、ワクチンの方が重要。
ウィルスの分布と疾病の発病の因果関係にとしては、どれぐらいのウィルスの量が発病に必要なのかなんて話もしないとならないと思うけど、この話はほとんど出てこない。ってことは、
無症状の人でも捕捉しなければならない、という説の根拠は、無症状でも他人にうつす能力が相当程度あると考えるからだろうと推測できる(でなければイジメか?)が、
他方、どのぐらいのウィルスがあれば他者への伝搬が可能なのかが不明である。
従って、無症状のウイルス付着者を特定したところで、他者への伝搬の可能性を判断することはできない。
ってことでしょ?
だから医師がPCR検査に積極的でないのには一定の理由はあると思うし、判断できないと思ってる人も多そう。だって医師は症状のある人を診るよう訓練された人だから。
■ アビガン本家で承認申請
アビガンの本家である日本では、ようやくアビガンの製造販売を国に承認申請するらしい。
コロナ治療薬候補のアビガン、承認申請へ 有効性確認か
https://news.yahoo.co.jp/articles/5b123809f62ed7bb79792a509820bfa35d4834cb
日本におけるアビガンの取り扱いは謎。安倍は5月に承認するみたいなことを言っていたがそうはならなかった。そして、いつの間にか9月という噂があり、その通りのことが起きてる。
諸々の点から、コロナを絡めて安倍を落とそうとしてその通りになったんだなと思ってるけど、ってことは9月には「解決」できるという読みがどこかにあったんでしょう。薄気味悪い話。
第2の八木アンテナになったアビガン!