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アサンジ、エクアドル大使館から引きずり出される

2019-04-11 23:55:46 | 欧州情勢複雑怪奇

晩御飯の前、呑気なことを書いていたらその頃、ジュリアン・アサンジがエクアドル大使館から英の警察によって引きずり出されていた。

アサンジの逮捕というより、エクアドルが亡命を認めていたのを撤回し、エクアドル大使館がイギリス警察を招き入れ、イギリス警察がアサンジを引きずり出して逮捕という成り行き。イヤなもの見たなといったところ。

Julian Assange arrested at Ecuadorian embassy in London

 

エクアドル大使館が米政府の圧力に屈して、ついに英に引き渡すことに決定ということでもあるし、その前にアメリカ政府がプランニングしてやってる感じ。

英、アサンジ容疑者を逮捕=ウィキリークス創始者-7年間の大使館籠城終わる

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019041101093&g=int

この記事の中では、イギリスがかけた例の性犯罪がらみのことしか載ってないが、米司法省は、英国政府は、アサンジは米国による身柄引き渡し要求に関連して英国政府が逮捕したと報道官が言ってる。

US Department of Justice confirms Assange arrested on US extradition request

http://tass.com/world/1053292

 

微妙なところだが、英と米の利害は全部同じでもないだろうからここにもまた取引と力関係があったのかもしれない。

いずれの場合でもカッコ悪いのはエクアドル。前のエクアドル大統領コレア氏は現大統領のモレノ氏に対してかんかん。

エクアドルとラテンアメリカの歴史上最悪の裏切者が、英国警察をロンドンのわが国の大使館に招き入れアサンジを逮捕させた。モレノは汚職だらけの男だが、彼が今日やったことは人類が忘れない犯罪だ。

The greatest traitor in Ecuadorian and Latin American history, Lenin Moreno, allowed the British police to enter our embassy in London to arrest Assange. Moreno is a corrupt man, but what he has done is a crime that humanity will never forget.

 

とはいえ、これもアサンジを逮捕して使おうと思ってるチームの一つの見せ場みたいなもののような気がする。許さんという形を作った。そして、これまでも時間をかけて、アサンジを悪い人、Wikileaksなんてインチキよ、悪いことなのよ、といった感じを作っていっていた。だって見なさい、ロシアや中国の秘密を暴露しないでしょ、といった言で、そうだわ、中立じゃないわ、みたいに思う人がいる、とかいう手合い。

いやしかし、でも、そんな、と言いたいのは、そもそもWikileaksってアメリカ(またはその強い関係国含む)の一部によるプロジェクトには違いないと思うから。

ただそれが、良い方向に使われるのだ、と思った人々と、その上をいってコントロールしようとする人たちがいるじゃないかと考えて全体を悪と思う人々の2種類がいる。

Wikileaksがらみは最初と現在はかなり異なるものになりおおせている感じなのでなんとも言えないところだらけ。

Wikileaksは最初西側ジャーナリズムと協力しながら暴露していた。こうやっているうちは、多くの人が歓迎したし、日本でもwikileaksについて何冊も本が出ていたわけだけど、2011年あたりからいろいろあって様子が変わった。

このへんは解明されないと思うが、解明されないでアサンジは何かのプロパガンダに使われるんだろうかという考えも成り立つわけで、これは相当に暗い予感。人格が破壊されるほどに閉じ込めて、圧力かけて、精神を破壊して、その上でいいようなことを言わせるという手法でこの人を何かに使うんじゃなかろうかと、気持ち悪い思いがしてる。

 

ともあれ、そんなこんなのwikileaks 10年の中でみんないろいろ読んだわけだけど、中でも、非常に大きなインパクトを残したのは、Collateral Murderと題されたアパッチヘリが遠くから一般人を観察して撃っていくビデオあたりだと思うな。今日もCollateral muderがハッシュタグでまわってた。

逆にいえば、こんなものを出された側は絶対許さんとなるし、その後アサンジが情報を小出しにしながら、つまり情報を持った高位者の役割をしちゃう傾向を持ったあたりから、多分昔仲間だった人たちからも支援されなくなったということではないのかと想像する。

ただ、それにもまして、そうはいっても、秘密になっていたものを見せるにあたってこういう仕組みは重要で、彼は重要な役割を果たしたという点で熱心に支援している人も大勢いる。これも理解できる。イギリスの左派の1/2 x 1/2ぐらいはこんな感じだと思う。

 

で、その10年越しの成り行きはともかく、直近ではヒラリー問題で再びアサンジにフォーカスがあたった。ヒラリーは別にアサンジが騒がなくても、リビアを壊したという実績があるからどうあれ悪い人だったわけだが、トランプ支持者を結束あせるにあたって、ヒラリーはとても悪いという話は大きな役割を果たした。

その結果として多くの人はトランプは就任後、例のメール事件を明らかにするものと思ったわけだが、何も起きなかった。このへんをシオニスト大統領となりおおせたトランプはどう始末をつけるんでしょうか。

 

■ 追記

米司法省は、アサンジの容疑をハッキングがらみ、つまり、マニングが機密情報を入手するにあたってパスワード解明を支援したことと言ってる模様。これだと最大5年の懲役刑だそうだ。

Assange charged with helping Manning crack password to leak classified US docs – DOJ statement

https://www.rt.com/usa/456244-assange-manning-us-indictment/

 


 


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1 コメント

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服喪 (私は黙らない)
2019-04-12 02:24:56
予兆はあった。
これに先立ち、チェルシーマニングも、3月、再度収監された。オバマが恩赦していたにもかかわらず。
いや、籠城先がエクアドル大使館だったこと、誰しも不安を感じていたと思う。不安的中。
ベネズエラの影響は大きいと思う。
ウィキリークスが最初と現在はかなり異なる物との指摘、私は、米大統領選あたりから、アサンジ自身が国際政治のキープレーヤーとしての自身の影響力を楽しんでいるように見えました。それでも、ウィキリークスの衝撃は、我々の認識を一変させたし、評価してしかるべきと思う。
トランプ政権になって、何一つ良いことがない。オバマの方がまだマシだったとさえ思えてくる。(Worse or Worstという意味で。)極めつけがこれだ。しばらく喪に服したい気分だ。
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