約1カ月前、プーチンがモスクワの感染症対策の拠点病院を訪問し、あわせて現在病院を作っている、1カ月後にはできるぞと発破をかけている話を書いた。
ホントにできて、昨日あたりから患者を入れている模様。
Moscow opens new coronavirus hospital built in just a month, as Russia braces for Covid-19 PEAK
https://www.rt.com/russia/486481-moscow-new-coronavirus-hospital/
Moscow opens coronavirus hospital it built in one month as cases jump
1カ月前の写真はここにある。ほんとにまだ土台だった。
新コロナ:プーチン、防護服来てモスクワの病院を訪問
ロシアの状況は、あっという間に感染者は57,999人、死亡者513人、検査数225万件。
トレンド的には今がピークであるように見える。いわゆるプラトー(水平状態)ができてきている。
1カ月前に自分で書いたエントリーによれば、
ところが、イタリアからの旅行者が帰国して感染するといった事態が続き、先週あたりからは毎日感染者数が増加して現在600人台。
だったんだから、絶対来る、これは来るという予想の下に、病院(つまりベッドと設備)を拡張していった作戦はよかったと言えるわけですね。大幅に中、重の患者が増えても寝かせられるところもベンチレーターもあるぞ、と。
患者数を抑制することで準備の時間を稼ぐ、みたいなことを当局者は何度も言っていた。
薬剤も自分のところで作ってる分だけでなく、先週だったかにインドと中国から輸入してた。中国からはクロロキンを輸入してて、その時読んだところではロシアではメフロキンを使っていたが、クロロキンは未承認だった模様。これはアメリカFDAと同じ仕様であったということなんでしょう。メモしておきたい。
クロロキン&メフロキン
いやほんと、感染者600人の時に、ロシアは大丈夫とか言ってないで病院作る気になった人、実際大したもんだと思う。それを支持した国民もすごい。
それもこれも、ヒトラーのドイツとはいつか必ず戦争になると思って生産準備をしていたが、どう来るのか、どう対応するのかの判断や訓練まで含めれば間に合ってはいなかった。それが故に初戦で膨大な人数の人間を死なせた。そういうことを奇貨として生きているんだなって感じのロシアさんなんでしょう。
■ 止まらないロシア叩き
で、世界中で新しいウィルスを懸念しています、とか言いつつもロシア叩きを止めない異常な西側メディアではあった。
今日RTでアイルランド人のジャーナリストがまとめて記事にしていたけど、ホントに、プーチンよりウィルスの方が好きだという態度の西側メディア。
Better the virus than Putin? In the information war against Russia, Covid-19 is just another weapon
https://www.rt.com/op-ed/486483-russia-uk-us-media-coronavirus/
ロシアが最初たいした感染者を出していなかったところから急拡大したことがうれしくてうれしくて仕方がない。そして、プーチンにはもう力はない、わははは、みたいな感じ。
何を読んでもロシアの人たちを心配するような気配は1ミリもない。まぁ、ナチがロシア人の心配をするわけもないってのとまったく一緒ですね。ヘイトこそ我が命といわんばかりの悪意の殿堂西側メディア。まんまナチ。
西側はナチ勢そのものではない道もあっただろうに、ナチ勢に乗っ取られたんだなというのはもう何度も書いた話だけど、まぁ、シリアでアルカイダ系とロシアが戦ってる時、ロシアやイランが困るんだったら、テロリストだっていいじゃないか(意訳)と書いてしまったニューヨークタイムス他のくされの集合体ですから、推して知るべしとしか言い様がないですね。
ファシズムとの戦い変じてファシズム内左右となる
で、私は、この展開を見て、このウィルス問題は実際存在するものだとしても、最初っから最後まで「政治ウィルス」なんだなって思ってる。
だって、もし、本当に人類はこのウィルスとの戦いを制さなければならないというのなら、当然にロシアはどうなっているのかも問題にしないとならない。でも、殆どの西側媒体は無視して、データを作って微妙なペースで話をつないでる。それは本当の比較にはならないでしょ?
だからそんなもんなんだな、って思ってる。
そして、そんなもんが結局は人為的ウィルスだった場合でも、それが明らかになることはないでしょう。
つまり、戦いは続くということですね。
(ただし、このインチキ西側メディアのナラティブ管理はもはやロシア国内にも、またアメリカの保守系の一部などロシアとの関係に興味を持ってる人たちにはまったく効かない。あいつらならそう書くだろうとしか思われてないから。
だから、こうした態度は、米の民主党支持者とか、日本やドイツのような、明らかに西側に入れておかないと困るところを囲うための内側の締め付けが用途になってきたという感じ。)
■ BCGアップデート
しかしながら、それら西側体制深部の思惑をよそに、今般思わぬところでロシアを含めないとならない都合が出てきた。それがBCG問題。
もしBCGが関連するとしたら、これを解明するには、ソ連の菌株も含めないとヨーロッパ内のバラツキに対する疑問に答えられない。
池田信夫さんがいろいろ紹介されてるけど、私も他に何本かみた。
記憶に頼るけど(あとでここにリンクをする)、ミシガン大学の調査は、まさに、BCG接種義務化・途中まで義務化・義務化したことない、という3つのグループを様々なファクターを入れて分析して、やっぱり明らかなグループになってるだろう、というものだった。
また、PMCに出ていたこの論文は、医療体制が整っていないだろうと考えられる地域で西欧州みたいな急拡大してない、どうしてだという問いからBCG接種を問題にして、接種地域、BCGの株の分化による差異、有効だとしたらどの点なのか、といったことを一通りよくまとめられている。いいわ、これ。
Is Global BCG Vaccination Coverage Relevant To The Progression Of SARS-CoV-2 Pandemic?
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7136957/
著者はトルコ人の学者さんらしい。Mayda Gursela and Ihsan Gurselb
これを読んで、いや、読んでといっても私にとって未知の物質だらけで到底読めた代物ではない部分の方が大多数という話ではあるんだけど、素人のお楽しみとして感想を述べれば、私としては、多分これは本当に脈ありだろうとますます思うようになった。脈はどこに届くかというと、肺疾患と免疫反応の問題。キーワードは trained immunityという概念。
だから、感染そのものというよりも、重症化しにくい、という話の方により関係があると思う。
素人理解ですが、従来の考え方では、ワクチンを接種してもその有効期限が切れたらそれでチャラになるとされていたけど、そうではなくて、自然免疫系の方にメモリ(記憶)が残るのではないのかという話に繋がるんじゃなかろうかと思ったわけです。つまり、分子生物学、特に構造分子生物学とかそこらへんの人の分野。
疫学の人に聞いてもダメだと思う。疫学は統計の人だから
また、BCGと新コロナに相関はあるのか(研究価値はありそう)
で引用させてもらったこのマップの出どころの論文も書いてあった。
そして、イランのBCGはBCG-パスツール、中国はいくつかあるけど1つはGlaxo製であるらしい。フランスとイギリスの世話になったワクチンだったわけですね。
Iran is BCG-Pasteur 1173p2 and the one in China is a strain derived from Glaxo 1077
で、両方とも戦後に分かれた菌株(strain)で、1920年代に分けた古い株、すなわち、ロシア、日本、ブラジルのそれよりも機能として劣っていると考えられている。
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BCG関係
(1) BCGと新コロナに相関はあるのか(研究価値はありそう)