米国防相が、年次報告書を出して、中国は敵だ~と大騒ぎをし、中国は、そういう偽の冷戦メンタリティーをやめろと応じている。まぁ驚きは何もないんだが。
Pentagon hypes China threat amid renewed strategic competition
Published time: 17 Aug, 2018 19:27
https://www.rt.com/usa/436240-pentagon-china-pilots-missions-report/
今更何よという話ではある。
去年書いたように、米+子分がロシア+チャイナ、すなわちユーラシアの周辺を取り囲んで戦争準備してるという認識は別にもう、珍しい話じゃない。
NHKスペシャルが「沖縄と核」& The Coming War On China
あたりで書いたとおり。
で、そのビックピクチャーの部分の反応がこれ。
尖閣・台湾視野か、中国上陸部隊3倍に…米報告
https://www.yomiuri.co.jp/world/20180817-OYT1T50072.html?from=ycont_top_txt
2018年08月17日 14時05分 読売新聞
【ワシントン=海谷道隆】米国防総省は16日、中国の軍事・安全保障に関する年次報告書を公表した。上陸作戦などを担う中国海軍の1万人規模の陸戦隊(海兵隊)が、2020年までに3万人以上に拡大されるとの見通しを示した。台湾や沖縄県・尖閣諸島などに対する作戦能力の向上を視野に入れている可能性がある。
見せる絵はこんなの。
この部分の人たち(すなわち私たちなわけだが)は、ここに組み込まれてる。
これが米の司令部の編成。日本は右側の青のところのユニットに組み込まれてる人たちなわけね。
で、この先どうなるのか、部分にはまるでわからない。なぜなら部分は戦略担当じゃないから。
■ 思い起こせば
いやしかし、思い起こせば、よくここまでピッチリ部分になったものだとある意味感心する。
しかし、全体の側から見ても道はそう平坦であったわけではなくて、何十年かに一回、ひっくり返りそうになる。そのたびに、さらに強硬、高圧な全体からの締め付けがやって来る、の繰り返しだったなといったところ。
多分、この全体と部分の構図からもっとも独立的であろうとしたのは、むしろ戦後の一時期、ハトと呼ばれる人たちが政権を担った時なのではあるまいか。
石橋湛山、田中角栄は有名だけど、田中の後、鈴木善幸あたりなんて、アメリカとは日米安保があることはあるけど軍事を一緒にやろうとしてる同盟じゃないとか言い出して、大騒ぎになったことがあった。
そもそも、この1981年まで、日本とアメリカの関係は日米安保体制であっても、日米同盟関係とは一般に呼称されていなかった。
大騒ぎになって潰されていくわけだけど、今これを言い出せる人はいるんだろうか?と思うと、当時の方が知力を含む国力はあったんだなと考えることもできるだろう
その後中曽根になって、日本は「不沈空母」となるというというとてつもない自虐的な態度を取って、プラザ合意を経て、バブルの基を作って、その後はじけて今に至る、と。
。
その一方で、欧州側は、冷戦は終わりましたみたいな、今にしてみりゃ全くのフェイクニュースでみんなをぬか喜びさせて、実は各国経済を民営化させ、EUこさえてドイツの周辺各国にバブルをこさえて、最後は破裂して、気が付いたらみんな借金漬けになってましたとなりつつ、ワルシャワ条約機構を潰したのにNATOを温存させ、ソ連に嘘をついて東方拡大していた、と。
NATO東方拡大:ゴルバチョフはマジで約束されていた
しかし、死んだと思われていたロシアは、プリマコフの大西洋上のUターン以降、俄然猛然再興を誓い、中興の祖プーチンによって復活し、今では長年微妙な関係だった中国と組んで、
習:新時代だよ、プーチン:米を信じすぎたことが最大の誤り
さて、こうやって並べて考えてみると、直近崩されているのは、サッチャー、レーガン、中曽根時代なのかもな、と思わなくもない。この3人って、はっきり言ってそれまでの西側首脳とは異質だった。だからこそ、新保守主義だったわけですね。従来の保守主義じゃないという意味で「新」がついた。つまり、ネオ・コンサーバティブ=ネオコン。
ニュアンスとして、西欧知性的にいえば著しく劣ってるという潜みもあった気もする。だから保守じゃない。
で、結果において、西側諸国はこのネオコン思想に覆われてしまったが、それ以外のところはこの「病」から逃れた、などとも言えそうな気がする。
習近平率いる中国やプーチン率いるロシアは利口な人たちが揃ってるなと誰しも思うのは、この病を逃れた、または軽度ですんだからかもしれない。
いやほんと、ネオコン思想って自滅思想だと思う。ハルマゲドン要素、妄想要素が非常に問題なんだと思うんですね、これは。それによって社会性を埋没させる→前向きの考えができなくなる→社会全体が没落する、という機序があまりにも明白。
欧州はイギリスのロビン・クックを無くしたのが悔やまれます。
でも、オルバンとかスロバニアの首相あたりを見てると、光は東方からかもなとか思ったりもします。