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中道が頼りなくなってきたドイツ

2018-02-05 04:37:40 | 欧州情勢複雑怪奇

現状では小ネタではあるけど、ドイツの地方議会議員がクリミアを訪問している模様。

西側の対露制裁を解除して、クリミア半島はロシアの一部だと認めようというお話をする模様。

SIMFEROPOL, February 3. /TASS/. A delegation from Germany’s three states - North Rhine-Westphalia, Berlin and Baden-W·rttemberg - arrived in Crimea’s capital of Simferopol on Saturday, Chair of Germans’ regional national and cultural autonomy Yuri Gempel told TASS.

The German lawmakers plan to discuss the lifting of Western sanctions and recognition of the Black Sea peninsula as part of Russia, he added.

http://tass.com/politics/988392

これはしかし初めてではない。今回は右のドイツのための選択肢(AfD)の議員さんたちのようだが、去年は、左のディー・リンケ(ザ・レフト)が行った。

ディーリンケはウクライナ危機が展開している時からメルケルを攻めまくっていた、この件ではある意味唯一の野党状態だったことが懐かしい。

AfDの伸張はよく記事になってるけど、ドイツの場合ディー・リンケもなかなか倒れないどころか微増してる。で、両方とも、絶対に中央が組まないと宣言しているという点で日本でいう共産党みたいな立ち位置といっていいでしょう。しかし、こんなにいるわけだすよ。

紫がAfD、右の下から2番目ブルーがディーリンケ(左派党)。併せて20%以上いる。AfDはまだ歴史がないけど、ディーリンケの支持は相当固い。

 

現在メルケル政権は、まだ連立が組めず、SPDと大連立の交渉をするところまでは行ったものの見通しは暗い、最低でもだからなんなのの大連立といった趣にしかならないだろう。どうもうまくいかないのなら、しばらく国際情勢の風待ちという姿勢もあるのかなど勘ぐってみたくなるところもある。

 

一方、そのCDUとSPDによる前回からの継続で暫定内閣になっている内閣の外相ガブリエルさんは、折からのアメリカの核戦略(NPR)について批判的。

Nuclear weapons: Germany's Sigmar Gabriel calls on Europe to lead disarmament push

http://www.dw.com/en/nuclear-weapons-germanys-sigmar-gabriel-calls-on-europe-to-lead-disarmament-push/a-42449629

US nuclear buildup shows new arms race has already begun – German FM 

https://www.rt.com/news/417863-germany-nuclear-buildup-us-critisizm/

批判は、ロシア、中国、イランから出ていることは有名だが、ドイツも仲間入り。

ドイツは冷戦期の米ソ核戦略の前線におかれて苦労した経験があるので、ここらへんについては明るいし、自身は核保有国ではないがドイツ国内の米軍基地に置いてあるのは周知のこと。だから、米ロ対決になると前線になる。

そこから、米ロを含んだ枠組みを作って話し合おうという発想が出てくる。

日本も冷戦期嘉手納にあったんだから、自分は前線だと思うべきなんだが思ってなかった?

 

でまぁこのアメリカの核戦略の話は、トランプ政権が発表したものだけど、そもそも核兵器をリニューアルするぞと巨大な予算を付けたのはオバマですし、要するにこれがネオコン/トロキスト路線なんでしょう。

しかしなんてか、冷戦時代とは違って、中露のみならず同盟国のドイツも、本国アメリカの国民も、み~んな、何が起こっているかわかってるってところがディープステートにとって辛いところですね。

これって新冷戦作ってアメリカの軍事予算をバカみたいに増大させて、テロリスト使った人殺し作戦、騙し、脅し、恐喝、殺人、殺人教唆の体系をやめたくないって話でしょ?と。

そうであればこそ、例えばドイツのCDU/SPDという、「中道と書いて訳ありと読む」みたいな路線以外のところから、おかしーだろこれ!派が出てきちゃう。

これって、アメリカの共和党/民主党のエスタブリッシュメントでないところからトランプが出て来たのと同じ形なんですよね。

そして、欧州内の「右派」と呼ばれている一群はどれも似た感じ。左派で「中道と書いて訳ありと読む」路線に親和的でないのはドイツだけかも? フランス、イギリスは微妙な路線の左派だし。

あ、しかし、アメリカもトランプとサンダースだった。ということはドイツと重なってるかも。

 

■ 参考記事

混乱を無視して進むドイツ流

 

■ オマケ

事態はさらに悪化していた。大連立の交渉に入ることを承諾したSPDはさらに支持を下げ、AfDとリンケがさらに伸ばしている様子。世論調査だから動くものではあるけど、だいたい最近の様子をいいあててると思うな。

黒がメルケルの党。ここと赤のSPDを足しても51。全然グランドな連立になりまへん。

Support For SPD Dives: German Coalition Doubts Mount

 

 


  

 


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