なんとなく、物悲しい。
母の誕生日を祝う会。二人の息子と娘。そして孫達が集う。
そんな、母の他界。愛着のある屋敷と美術品の数々。
本当は、手放したくない。しかし、そうはいかない現実。
そんな現実的な次男と少女をさびしく思う長男。
私も、親元を離れ家庭を持つ。田舎には両親が二人。
ここの家庭のように、相続する高価な物などないと思う。親父が建てた家くらいのもの。
今となっては、そこに私の生活はない。しかし、思い出は残っている。
ここからネタばれ。マウスドラックで読んで。
⇒もし同じような状況になれば、きっと次男や長女のような判断をすると思う。
そんな、思いをもって帰宅し、家族とTVを観ていた。
武田鉄也さんが出演していたバラエティ番組。金八先生の名セリフを言っていた。
そのひとつに、
「優秀な母はタンポポのように子供たち(種)を遠くに飛ばす。」
私も、優秀な親のおかげで、多少は遠くへ飛べたのかも。
少なくとも親元を離れ、生活の基盤を持っていることは、そう考えても良いかもしれない。
そう思ったら、少し楽になった気がした。
素適だったのはラストシーン。
孫娘が屋敷を手放す最後の日に、友人達を集めてパーティーをする。
ロックを流したり、池で泳いだり。これは、祖母への冒涜なのでは。と最初は感じた。
しかし、その孫娘は彼氏に思い出がいっぱい残っていて手放すのが寂しい胸の内を話す。
若いから表現の仕方が異なるが、彼女もまた祖母との思い出と現実のギャップに心を痛めている一人なのだと感じた。
☆
孫娘まで、影響を与えたすばらしい母であったのだなー。
とにもかくにも、思い出と現実のギャップが物悲しい映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。
【STORY】
画家だった大叔父のアトリエに1人で暮らしていた母。そして近くに住む長男。長女と次男は、世界を又にかけた仕事をしている。母の誕生日には家に集まり、誕生日を祝うのが慣わし。
その母が突然亡くなり、3人の子供たちにパリ郊外の広大な屋敷と庭、貴重な美術品コレクションが遺産として残される。
3人は遺産の相続処理を進める中で、思い出の詰まった家への愛着と、相続税やそれぞれの生活、経済的に厳しい現実とのジレンマに向き合うことになる。
出演はジュリエット・ビノシュ、シャルル・ベルリング、ジェレミー・レニエ。監督は「イルマ・ヴェップ」のオリビエ・アサイヤス。<o:p></o:p>
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