自己紹介にも書いてますが、私のBEST-ONE映画がこの作品。
そして、多くの方が私同様にこの映画に感動されていると思います。
トトとアルフレッドの心のふれあいは、何度観ても涙をそそります。
アルフレッドが辛いながらも、トトを思い選択してきた事。
その思いは、ラストのキスシーンのオムニバスフィルムに全て現れて…。
この映画は、完全版を含めると、映画館へ5回足を運んで見ています。
当時、私は大学生。
田舎から出てきて、名古屋で一人暮らし。
一人暮らしをはじめると、身の回りのことあれこれで、「親のありがたみ」というのが身にしみます。
そんな頃、この作品に出会いました。
当時は「私」と「トト」がオーバーラップしたのでしょう。
しかし、最近は年齢も進み、むしろアルフレッドの行動に感銘を受けます。
私は、彼ように後進に接しているのか?
作品を見返すたび、自問します。
本当は、トトとずっとシチリア島で過ごしたい。彼はそう思っていたに違いない。
火事で視力を失い、そのため人がよく見えるのでしょう。
きっと、トトの中に大きな可能性が見えたに違いない。
それゆえトトが島を離れ、未来に羽ばたくように仕向けていった。
そんな、接し方をしているか。
誰かのためは、自分の損得を度外視にして考えられない自分に、
「まだまだだなー。」
他にも、この映画の好きなところがあります。
それは、小物の使い方が非常に上手い。
・アルフレッドの訃報を聞いて、幼少期へ思いをはせる時に、外で静かになる風鈴の音。その音と、神父様の手伝いで礼拝の鈴の音とをかぶせているところ。
・キスシーンを映画から排除するため神父様が鳴らす鈴と教会の鐘。
・アルフレッドの葬儀のため帰省。編物をしていた母が、出迎えるために玄関へ。
しかし、編物の毛糸を引きずっていくので、せっかく編み込んだ毛糸がほどけてゆく。
まるで、一緒に過ごした過去の時間まで戻る象徴のように撮られている。
などなど…。
気の効いた演出が多くあるところも、素適な映画たるポイントのひとつです。
とにもかくにも、何度でも泣ける映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。
【STORY】
映画監督として成功をおさめたサルバトーレのもとに、近所のおじさん、アルフレードの訃報が届く。
彼の脳裏に、“トト”と呼ばれた少年時代。多くの時間を過ごした「パラダイス座」、映写技師アルフレードとの友情が甦ってくる。次々に甦ってくる思い出に寝付けないサルバドーレは、アルフレッドの葬儀に出るためシチリア島へ向かう。
小さな村の映画館を舞台に、映画に魅せられたサルバトーレ。その少年から中年に至るまでの人生を3人の役者が演じる。
アカデミー外国語映画賞やカンヌ映画祭審査員特別グランプリなど、各国で賞賛を浴びた。
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