墨映画(BOKUEIGA)

映画を墨彩画とコメントで紹介する。
映画好き・絵好き・書道好きなどなど。好きなこと寄せ集めのブログ。

永遠のこどもたち

2009-01-31 21:18:31 | 映画(あ行)
「シモン。 探す母の愛は、スピリチュアルな世界よりも深く」

シモンを思いつぶやく母の声。
そんな声に象徴される母の愛情を強く感じました。
母子の見つめ会う愛情を、その深さに涙が止まりません。
最後は、ずっと泣いていました。
エンドロールもとても短く感じ、明るくなる前にあわてて涙をふきました。

悲しい映画、だけれど幸せなラスト。「パンズ・ラビリンス」と近い仕上げの様に思います。
さすがはギレルモ・デル・トロという作品。
衝撃のラストを「シックス・センス」を引き合いにしてある記事を見ましたが、少し違うように感じました。

本当は、もっと書きたいのだけれど、知ってしまうとつまらなくなるように思うのでこれくらいにします。
今年、まだ始まったばかりですが、年間上位に食い込むであろう作品と思っています。

ぜひ、観てください。

とにもかくにも、あふれる愛情に涙する映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

【STORY】
「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロが製作を担当した、スペインのスピリチュアル・ドラマ。2008年アカデミー外国映画賞のスペイン代表作品で、本国のゴヤ賞でも脚本賞ほか多数の賞を受賞している。監督は新鋭J・A・バヨナ。
自らが育った孤児院を、障害を持つ子供達のための施設に再建することを決めたラウラ。夫と息子のシモンと古い屋敷へ引っ越してくる。
しかしその屋敷で、シモンは空想上の友達と遊ぶようになる。
開園のイベントの最中、シモンは行方不明になる。

「goo 映画」で更に詳しく。
こちらから


永遠のこどもたち - goo 映画

禅 ZEN

2009-01-29 19:45:59 | 映画(さ行)
「己の中に、仏あり。現世に浄土を見る」

自らの中の仏を見出すことが、禅における悟り。
来世で幸せになるのではなく、今、生きていることに幸せを見出し、そこに浄土を感じなけければ、何のために一生懸命生きているのか分からない。
そんな、生きるためのメッセージを強く感じた。
自らの中の光る仏を描いてみた。

永平寺には行った事がある。道元禅師という方については禅宗の開祖である。ということくらいしか知識がない。
たっぷりはお金かけて作ってない印象だし、道元の変化はあまりない。
冒頭に師を探し中国を放浪するところくらい。苦悩の様子はあまり描かれていない。
変化に跳んだ仕立てにしていない分、非常に伝記的。
メッセージ性は逆に強く感じた。
別に、深く仏教を信仰するわけではないのだが、内容は人のために尽くす。自らを見つめて謙虚に生きる。などなど。
何事にもスピードが求められる時代。
今の我々が無くしてしまった、薄れつつあるものを見つめ直させてくれるように思う。
スローライフ。
物静かに自分を見つめなおし、生きることを楽しむ。

とにもかくにも、我の中に仏あり映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

【STORY】
「光の雨」「火火」の高橋伴明監督が、乱世の鎌倉時代を生きた孤高の僧侶、道元禅師を描く歴史ロマン。歌舞伎役者の中村勘太郎が道元を熱演。共演に内田有紀、藤原竜也、村上淳、勝村政信、西村雅彦、笹野高史ほか。
幼い頃に母を亡くした道元。人々の心の救いとなる悟りを得るため、仏道の正師を求め入宋する。そこで、多くの人々そして正師と出会い悟りを得る。帰国した彼を待つものは?

「goo 映画」で更に詳しく。
こちらから


禅 ZEN - goo 映画

バンク・ジョブ

2009-01-25 20:18:34 | 映画(は行)
「最後まで、あきらめない」

名古屋のセンチュリーシネマで観た。
先週で終わってしまったので、DVDなどでぜひ。決して損はしない作品。
主演は強盗たち。
素人同然の泥棒たちが盗んだのは、現金・宝石のみならず、王室スキャンダル・警察汚職などなど。
個人貸し金庫を狙ったため、とんでもない物がでてきてしまった。どうしよう。
そんな彼らを追いつめるプロの悪漢たちを含めて描いた。

スキャンダルや汚職。そのネタを逆手にとって乗り切ってしまう。
その、スリリングな展開良さとテンポの良さ。
ノッケから引き込まれ、どきどきしながらあっという間に結末を迎えた感じ。
とても見ごたえがあった。

追い込まれても、追い込まれても、何とかするために攻める、攻める。
こういった姿勢が結果をいい方に導くのだろうな。
泥棒に教えられた気分。

ジェイソン・ステイサム、かっこいい。
なぜ白人は、ハゲでもかっこいいのだろう。
ブルース・ウィリスしかり、エド・ハリスしかり。

とにもかくにも、追い込まれー、乗り切っての映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

【STORY】
「1971年のイギリスで実際に起きた王室スキャンダルに関わる銀行強盗事件を「13デイズ」「世界最速のインディアン」のロジャー・ドナルドソン監督が映画化。
自動車修理、販売の店を経営するテリー。借金取りに追い立てられる毎日。
そんな彼のもとに、昔の恋人マルティーヌが現れる。
彼女は、銀行強盗の話を持ちかける。
テリーは愛する家族のためマルティーヌの計画に乗る。しかし、その話には裏があった。
主演は「トランスポーター」シリーズのジェイソン・ステイサム。共演にサフロン・バロウズ、デビッド・スーシェら。

「goo 映画」で更に詳しく。
こちらから



バンク・ジョブ - goo 映画

チェ 28歳の革命

2009-01-22 20:33:47 | 映画(た行)
「ゲバラがカリスマな理由は。」

アルゼンチン人にしてキューバ革命のカストロの右腕、チェ・ゲバラ。
彼がカリスマな理由は?
そんな彼の国連での演説の様子を、かなり荒っぽいタッチで描いてみました。
彼のカリスマ的力強さが表現できれば…。

今、なぜチェ・ゲバラなのか。
観終わった後の今でも思っている。
共産主義が崩壊し、
そんな中チェを取り上げる理由は。
彼がカリスマと言われるその中に、その答えがあるのかも知れない。
部隊の中、隊員同士のトラブルがあった折、ゲバラは二人を呼び、お互いにどう思っているかを聞き取り、問題の解決を図ったシーンがあった。
こういった、コミュニケーション力。あるいは調整力。
そして、すぐ解決する姿勢。
そこに彼のカリスマ性があるのかも知れない。

正に時代は、そういったコミュニケーション力の大切さが叫ばれている時代。
それは、欠落しているから叫ばれているのであろう。
圧倒的指導者が、世界的にみても少なくなっているように思えることもそのためか。

「モーターサイクル・ダイヤリーズ」を以前に観た。チェの若かりし頃、放浪の旅の内容である。
チェ・ゲバラという人物を多少知っていたから分かりやすかったのかも知れない。
冒頭に彼の物語に至るまでの境遇が「さらっと」紹介される。
くれぐれも見逃すことのないように。
国連演説の様子を間々に挿入されて展開される仕立てもまた、魅力的であった。
第二部も期待している。

とにもかくにも、今の時代に欠落する何かが見える映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

【STORY】
「トラフィック」でアカデミー賞監督賞&助演男優賞を受賞したスティーブン・ソダーバーグとベニチオ・デル・トロが、キューバ革命を率いた指導者エルネスト・チェ・ゲバラの生き様を2部作。総上映時間4時間25分で描く大作の第1部。
1955年7月、貧しい人を救いたいと南米を旅するゲバラは、故国キューバの革命を計画するフィデル・カストロと出会い、彼に同調。そして1956年、28歳の若さで革命に乗り出したゲバラは、キューバの独裁軍事政権を打倒する。

「goo 映画」で更に詳しく。
こちらから

チェ 28歳の革命 - goo 映画

ワールド・オブ・ライズ

2009-01-19 20:38:23 | 映画(わ行)
「今の戦争は、情報戦争」

先日、名古屋市美術館でモネの作品と印象派画家達の作品を観た。
彼らの風景画の多くが、非常に空と雲で奥行き感のあるすばらしいものであった。
本作も空の印象が深く、今尚繰り返されている情報戦争渦中の土地の風景を描いてみた。
当然のことながら、モネの様には上手くいっていない。

リドリー・スコットらしい、地味だけどハードな内容。
ディカプリオは「ブラットダイヤモンド」となんだか似た雰囲気。
あの話の前後頃から、少しハードな内容の作品多い様に思う。
「ギルバート・グレイプ」から好きな俳優さん。「タイタニック」でかっこいいだけの俳優になってしまた、と思い残念だったが最近いい話にめぐり合っている。
ラッセル・クロウのデブぶりは、役作り?

携帯・メールなどで情報交換をすると、アメリカに察知される。だから口頭で指示をまわすテロリスト達。
デジタル的な情報戦争ではないが、人とのかかわりなども含め本当に情報戦争。
大国の大熱量の兵器は、テロに対する戦争には不向き。
スポット的に攻撃できる兵器と、そのスポットが効果を上げるための情報が戦局を左右する。
そんな時代だからこそ、本作で描かれるようなことは、今も正におこっている。
そんなリアルさが、この作品の見所であるように思う。
最後まで、気の抜けない内容で見ごたえ十分である。

とにもかくにも、情報戦争の映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

【STORY】
レオナルド・ディカプリオ&ラッセル・クロウ主演のスパイ・スリラー。監督は巨匠リドリー・スコット。脚本は「ディパーテッド」のウィリアム・モナハン。
中東で対テロ殲滅作戦を展開する米CIA中東局の主任ホフマン(クロウ)と現地工作員フェリス(ディカプリオ)。ヨルダン情報局GIDとともに爆破テロ組織のリーダー、アル・サリームを追う。
2人は、その考え方の違いから反目し合いながらも協力しミッションを実行している。
中東に架空のテロ組織をでっち上げ、アル・サリームをおびき出そうと試みる。


「goo 映画」で更に詳しく。
こちらから



ワールド・オブ・ライズ - goo 映画

劇場版 MAJOR(メジャー)友情の一球(ウィニングショット)

2009-01-13 17:21:41 | 映画(ま行)
「ここで投げなかったら、きっと後悔する。」

立ち向かわないと後悔すると懸命に投げる吾郎。

今年一発目の映画。
家族で観に行きました。
周りには、子供が野球をやっているように見える家族づれが多かった。
しかし、あまり気にせず、スポーツ映画を観るつもりでいっても十分に楽しめる内容。決して子供向けではない。
原作も知れません。本屋に「いっぱいあるなー。」ってくらい。
知らなくっても、楽しめる。

一生懸命な主人公と、それを見守る家族。
仲間と友情。結果が出なくても、立ち向かうことのすばらしさ。
それは、きっと何かにつながってゆく。
そう信じられる映画でした。とてもポジティブな気持ちにしてくれる。
アニメと侮らず、ぜひ観てほしい作品。

とにもかくにも、友情!の映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

【STORY】
NHK教育テレビでもアニメ化された満田拓也の人気野球コミックを映画化。
強豪“横浜リトル”との熱戦を制した“三船ドルフィンズ”。
エースで4番の吾郎はプロ野球選手の父親の移籍に伴い福岡へ引っ越すことになる。
横浜リトル戦で負傷した吾郎の肩を気にかける母親の心配をよそに、福岡でも野球を始めようとする吾郎。
父親は投球をしないことを条件に名門チーム入団を許す。
ファーストをまかされ、打者としてチームに溶け込んでいく。
吾郎がサウスポーになった理由が明かされる。


「goo 映画」で更に詳しく。
こちらから


劇場版 MAJOR(メジャー)友情の一球(ウィニングショット) - goo 映画

ラースと、その彼女

2009-01-09 20:04:43 | 映画(ら行)
「みんな、ラースが好きだから」

2008年の100本目作品です。

「これで女の子と話すきっかけにしなさい。」そう言って、カーネーションを一輪ラースに渡す町のおばさん。
これが、この映画の全てを物語っているように思う。
みんなラースが好きで、彼の空想に付き合ってくれて。
さも、リアルドールのビアンカが生きているかのごとく振舞う。ラースがいない所でも。
そんなラースを彼の愛用の帽子で、そして渡された一輪のカーネーション。
帽子は、にじみでふわふわ感を出してみました。(あまり上手くいってないけれど。)

随所に笑えます。
たくさん人のあたたかさに触れることが出来ます。
私の周りに彼のような感じの人がいたら、「危ない人」と避けてしまっていると思う。
子供にも見知らぬ人を見たり、声をかけれたりしてもかかわらないように教えなければならない寂しい時代。
それもこれも、一部の凶悪犯がいたりするからなのだけれど。
この映画のように人と触れ合っていけることが本当はいいことなのに。

とにもかくにも、みんなやさしい映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

【STORY】
「きみに読む物語」「16歳の合衆国」のライアン・ゴズリングが主演。
第80回アカデミー脚本賞にノミネートされた。
内気な青年とその周りの人々を温かく描くハートフルドラマ。監督はクレイグ・ギレスピー。
雪が降り積もる田舎町、優しくて純粋なラースは町の人気者。
しかし、彼は人と触れ合うことを避ける。兄と義姉はそんな彼を心配していた。
そんなある日、ラースが「彼女を紹介する」と兄夫婦のもとにやってくる。しかしラースが連れてきたのは等身大のリアルドールだった。


「goo 映画」で更に詳しく。
こちらから


ラースと、その彼女 - goo 映画

天国はまだ遠く

2009-01-07 21:11:41 | 映画(た行)
「やがて冬が来る。だけど、いのち芽ぶく春をむかえることができる。」

映画内の季節設定は秋。
この木のように葉が落ち、これから訪れる冬の準備に入っている。
そんな耐える季節に向かって行く中だけれど、必ずその先には春が訪れる。

随所に笑えます。
チュートリアルの徳井さん。いるだけで笑える。加藤ローザさんとのセリフの掛け合いもまた、ほのぼのと笑いに誘ってくれる。
キャスチングの妙と徳井さんの演技が、いい感じで重たいテーマを和ませてくれる。

田舎にあって、都会にないもの。だけど人は都会で生きている。生きるために帰ってゆく。
そんな描き方なのだが、田舎にいてもストレスはあるし、ないものも多くある。
最大なるは、人とのコミュニケーションなのかも知れない。
難しいことだけど、社会的動物の人間は、ここでストレスも得れば、安らぎも得るものなのだと思う。

とにもかくにも、生きるためのエネルギー充填!映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

【STORY】
瀬尾まいこの同名小説を「13階段」「夜のピクニック」の長澤雅彦監督が映画化。
主演は加藤ローサと、本格的な演技初挑戦となるお笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実。
世間のあら何の中、自殺を考え京都府宮津にやってきた千鶴。駅に降り立った彼女はタクシーで人里離れた山奥に建つ民宿「たむら」に案内してもらう。宿は若い主人の田村がひとりで経営をしていた。
千鶴は睡眠薬を大量に飲んで自殺を図る。しかし、普通に目覚めて失敗。
やがて豊かな自然と、何気ない田村の優しさに行き場のない千鶴の心は解きほぐされていく。


「goo 映画」で更に詳しく。
こちらから


天国はまだ遠く - goo 映画

アラトリステ

2009-01-06 20:53:35 | 映画(あ行)
「信念と忠義」

ヴィゴ・モーテンセン演じるディエゴ・アラトリステ。彼のマントを翻す姿がかっこよかった。
そんな、マントでたたずむ姿を描いてみた。

壮大なスペクタクル。
ディエゴのアウトロー感をヴィゴが見事に演じている。
信念に従い、忠義を重んじる姿は日本人の美学にも通じる部分があるように思う。
女優マリア役、アリアドナ・ヒル。「パンズ・ラビリンス」のオフェリアの母親役の人。
彼女の聡明さが光っていたし、ディエゴとの愛の行方も気になる。
また、ディエゴが引き取った友人の息子にも同時期に恋愛にゆれる時期があり、この二つの愛の模様をダブらせて描いていることも、非常に上手い演出。

最近、スペインの衰退からイギリスの黄金期に向けての時代背景で何本か見ている。
「ブーリン家の姉妹」
「宮廷画家ゴヤは見た」
「エリザベス/ゴールデン・エイジ」
ちょうど、時代的には「ブーリン…」と「宮廷画家…」の間に位置するのではないかと。

とにもかくにも、激動の時代にもたくましく生きる人の物語映画に出会ってしまった。
だから、映画好きはやめられない。

【STORY】
「ロード・オブ・ザ・リング」「イースタン・プロミス」のヴィゴ・モーテンセン主演。
17世紀のスペインを舞台にしたスペクタクル・ドラマ。
スペインの人気作家、アルトゥーロ・ペレス=レベルテの同名小説の映画化で、共演に「バンテージ・ポイント」のエドゥアルド・ノリエガ、「パンズ・ラビリンス」のアリアドナ・ヒルら。
孤高の剣士アラトリステは、戦死した友との誓いを守ってマドリードに戻り、友の息子を引き取る。
「イギリスから来る異端者を殺せ」という奇妙な暗殺の依頼が舞い込む。
暗殺の直前で思いとどまるアラトリステ。それは、異端審問官と国王秘書官の陰謀だった。


「goo 映画」で更に詳しく。
こちらから


アラトリステ - goo 映画