「キシリアは何を考えているのか。」
【STORY】
ソロモン戦線も終盤。戦局は、ほぼ連邦に傾きつつあった。
ドズルは、戦場に自らも駆ってビグザムを投入。
戦艦をも圧倒する攻撃力を見せる。
そんなビグザムに、スレガーのコアブースターとアムロのガンダムが特攻をかける。
スレガーの命と引き換えに、ビグザム、そしてソロモンは陥落した。
ソロモンを連邦に掌握されたジオンは、シャアの率いるニュータイプを投入。
ララアがエルメスで攻撃を仕掛ける。
ビットによる攻撃。見えない相手に翻弄する連邦。
ガンダムも発進する。
アムロはララアの気配を感じ、エルメスと遭遇。
そこにいたシャアに意外な誘いを受ける。
一方シャアの戦艦ザンジバルを借り、ジオン本国へひそかに戻ったキシリア。
その目的は…。
安彦良和氏による一年戦争ガンダムのコミック、20巻。
ソロモン戦線の終盤から、その後の動きを描く本巻。
TV・劇場版「機動戦士ガンダム」のラインをなぞった展開は相変わらずである。
しかし、微妙に味付けがあるところが、この作品の魅力。
今回も、2箇所。
シャアとアムロの戦場での出会い。
「同士になれ。」
ア・バオアクーでの、最終決戦のおり、シャアはアムロにこの言葉を投げかける。
そのセリフが、この時点で登場。
連邦のエースパイロット。自分を困らせるニュータイプを自らの手の内に取り込もうとする、シャア。
彼のザビ家への復讐劇も大詰めと感じている証だろうか。
そして、キシリアの不穏な動き。
次男のサロスが死んだ時も見せた不穏さを、今回も見せる。
「キシリアは何を考えているのか」
そんな、ダイクンのセリフが思い起こされる。
政治色の強い今巻でありました。