墨映画(BOKUEIGA)

映画を墨彩画とコメントで紹介する。
映画好き・絵好き・書道好きなどなど。好きなこと寄せ集めのブログ。

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日

2013-03-29 12:33:17 | 映画(ら行)
「トラはその先に何を見たのか」

アカデミー賞でも評価されたその映像美の素晴らしさに感服。
そして、生きることの素晴らしさにも感服する。

長期にわたり漂流を続けた一人と一匹。
この二人(?)だけになってしまうシュチュエーションなど少々無理やり感が感じられた。
しかし、そこから時間が経つにつれ、お互いが生きてゆくためにかけがえのない存在へと変化してゆく。

お互いがかけがえのないと思っているというのは、それはあくまでも人間側の目線なのだろうか。
漂流を終え、流れ着いた先。
単独で浜辺から森へ入ってゆくトラ。
共に流され続けた日々を思って振り返って欲しかった。

トラを夢中にさせる何かが、その先にあったのか?
その先に、何を見たのか。

そう思わせるのは、人間の愚かな感傷だけなのかもしれない。
弱い人間は、社会を形成することで、食物連鎖の頂点に立った。
社会。それは互いに協力し合うし組み。
そんな人間の立場を野生の動物に当てはめる事自体が間違いなのだろう。
しかしながら、物悲しい感じがする。

とにもかくにも、アカデミー賞監督賞おめでとう!の映画に出会ってしまった。

ソウル・サーファー

2013-03-26 18:00:17 | 映画(さ行)
「海で遊ぼう。」

サメに左腕を食いちぎられた少女、ベサニー。
サーフィンが大好きで大会でも好成績を収めるほどの実力者。
そんな恐怖を味わいながらも、彼女はサーフィンをすることを望む。
自分自身を、悲劇のヒロインに仕立てあげることをせず、好きなことに邁進する思いを強く持った。
実在人物の物語を映画化したのが本作品である。

彼女がそんなに強くあれたのは、サーフィンが好きなこと。
そして、スマトラ島沖地震の津波の被災地でのボランティア。そこで出会った少女。
少女は、津波で家族を亡くし、笑顔を無くした。
海に家族を取られたから、海で遊ばない。
少女の心を癒すべく、海で一緒にサーフィンをして遊ぶ。
次第に少女は打ち解け、笑顔を取り戻していく。
津波被害にあい、家族を失った人々とふれあい、自分は腕を失った。しかし、すてきな家族まで失ったわけではない。


東日本大震災のときも彼女は、そういった経験から自らの特別な思いを語っています。

「自分がサーフィンをがんばることが、人々の心の助けになれば。」

二年を過ぎた東日本大震災。
復興はまだまだ。
彼女は、被災地でのボランティア経験を忘れていない。
我々も、東日本大震災で被災された方のつらい悲しい経験を忘れず、そして生かす努力をすべき。
少なくとも、この作品などから、忘れない、思いを結ぶ事を考え行動してゆかねばと、思いを新たにしました。

とにもかくにも、「大切な思い」を思い出させてくれる映画に出会ってしまった。

テッド

2013-03-06 12:48:25 | 映画(た行)
「決めたのは自分」

クリスマスプレゼントにもらったぬいぐるみのテディーベアに命が宿り、友達のいない少年の親友になる。
三十年後…。少年もテディーベアもおじさんになった。
そして二人は?
なんだか素敵なファンタジーの始まりを予感させた予告編。
そんな期待は、見事に裏切られた。
ストーリーの展開もなんとなく読めた。
少々、残念感が残る。

見所はやはり映像だろうか。
ぬいぐるみの動きは、とても素晴らしい。
喧嘩のシーン等、公開前から話題に事欠かなかった。
特に、私のオススメは、TEDがちぎれて魔法が解けるシーン。
質感の変化で魔法が解けた感を表現している。



ぬいぐるみに命が宿る。こんな素敵なことが起こってしまったら、その後頑張ることをしないかもね。
そして、TEDは、彼のために楽しい思いができることをどんどんと提案してくれるし。
誘惑にも弱くなるわね。
TEDは言う。
「俺は彼の親友だから、彼が楽しいと思うことに彼を誘うさ。しかし、誘いに乗ることを強要したことはない。
それに乗るかどうかは、彼自身が決めたことさ。」
そう。確かに決めたのは自分自身なんだよ。
誰かの責任ではない。
決めたのは自分なんだ~ね。

とにもかくにも、ノラ・ジョーンズの本人役が見れる映画に出会ってしまった。


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