墨映画(BOKUEIGA)

映画を墨彩画とコメントで紹介する。
映画好き・絵好き・書道好きなどなど。好きなこと寄せ集めのブログ。

FLOWERS-フラワーズ-

2010-08-16 12:46:01 | 映画(英・数)
「時代を渡る 花・華・はな」


【STORY】(goo映画様より引用させていただきました。)
2009年(平成21年)、奏(かな)はピアニストの夢にも行き詰まり、長年付き合った恋人とも別れ、意気消沈していた。
お腹の中には子どもがいたのだ。祖母の告別式であった妹・佳(けい)は既に息子を産み、幸せそうな生活を送っていた…。
1936年(昭和11年)奏の祖母にあたる凛は会ったことのない男性と結婚すべきかどうか悩んでいた。
時代は巡り、物語は1960~1970年代の凛の三人の娘、薫、翠、慧の恋愛・結婚の軌跡を追う。

蒼井優、竹内結子、田中麗奈、仲間由紀恵、鈴木京香、広末涼子という今を時めく6人の女優が一堂に会し、昭和11年代から現在まで、三世代の日本女性の恋や美を描いた本作。
6人の女性たちが、それぞれの生きる時代の中で、懸命に自分の生きる道を模索していく。
見どころは、その美しい映像の数々だ。
昭和11年の場面ではモノクロのやわらかい映像。昭和40~50年代は、当時の映画を彷彿とさせるテクニカラーのような色調。
そして平成の現代は、ブルー調の抑えた色合いで表現されている。
もとは企業広告のアートディレクションをしていた大貫卓也が企画・製作総指揮を担当し、製作会社ROBOT所属の小泉徳弘が監督を務めたこの作品.
最新の映像技術で“日本女性の美”を表現されている。


「goo 映画」こちらから

トラックバック FLOWERS-フラワーズ- - goo 映画

仕立てはとてもおもしろい作品だとおもう。
時代設定にあわせて、それぞれの時代のTVの色合いを再現。
とても、それぞれの時代を感じさせる。
ファッションやその時代の物へのこだわりも多く見受けられた。
更に、女優陣も豪華。

それぞれの時代を生きた女たちを繋ぐものは血。

そう、娘であったり孫であったりしているのだ。

それぞれの物語の作りや、時代の表現の仕方は面白いのだが、なぜかどうもなっとくゆかない感じが最後まで続いてしまった。
なぜだろう。

家族の物語なのに家族を感じない。

繋がりがない感が

たとえば、それぞれの時代を結ぶのは、親子関係なのだが、ほとんどその親子関係がわかる感じで人が登場しない。
唯一が平田さんとイノッチ。と言っていいくらい。
時代の関連性。家族の繋がりが希薄になってしまう感じを受ける。
前の時代を賢明に生きた人を、次の時代に全く登場させないと言うのは、本当にオムニバスのようになってしまうように感じた。

残念であった。

とにもかくにも、時代を描き分ける手法を楽しむ映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語

2010-08-14 23:26:18 | 映画(英・数)
「ゆっくりでいい。一歩ずつ前に進んでいれば、それでいい」


【STORY】(goo映画様より引用させていただきました。)

「goo 映画」こちらから

トラックバック RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 - goo 映画

人生において、「ここは動いた方がいい。」そう感じる瞬間というものは、あるものである。

会社の取締役にまでなろうという男の、人生を変えてた決断。子供の頃の忘れていた夢。電車の運転士になること。

私も中井貴一演じるこの男と近い年代。
これまでもいくつか、人生の転機は経験してきている。
いずれも、何かに導かれるように、何かに引っ張られているように、そう決断させられる出来事が起こってきた。
逆もまたある。STOPがかかる方へ導かれるような・・・。

母の病気。友人の死。

そう考えさせられ、導かれる事件立ったのだろう。

スピードの時代を乗り越え、時代を疾風してきた彼。
娘に就職と社会の厳しさを伝える。
しかし、電車の運転士になってからは、
「ゆっくりでいい。一歩ずつ前に進んでいれば、それでいい」
疲れたら、休めばいいのである。
前さえしっかり、見つめていれば。

とにもかくにも、少しずつ前へ、の映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

告白

2010-08-14 22:59:35 | 映画(か行)
「ここからが、あなたの再生です。なーんてね」


【STORY】(goo映画様より引用させていただきました。)
女教師・森口悠子の3歳の一人娘・愛美が、森口の勤務する中学校のプールで溺死体にて発見された。
数ヵ月後、森口は終業式後のホームルームにて「私の娘はこの1年B組生徒二人に殺されたのです」と衝撃の告白をし、ある方法にてその二人の生徒に復讐する。
そして4月、クラスはそのまま2年生に進級。犯人のひとりAはクラスのイジメの標的になっていた。
そして、もうひとりの犯人Bは登校拒否し、自宅に引きこもっていた…。

2009年の本屋大賞を受賞した湊かなえの同名小説を、『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督が映画化。
娘を殺されたシングルマザーの教師を、松たか子が鮮烈に演じている。
中島監督は、これまでのポップな演出とは打って変わったリアリティあふれる映像を見せる。
一見無邪気に見える13歳の中学生たち。彼らの中に潜む残酷な心の闇が巻き起こした事件が、女教師の告白をきっかけに拡散していく様子は、観る者の心を波立たせずにはおかないだろう。
娘を殺された母を演じた松たか子、犯人Bの母を演じた木村佳乃、二人の母親を演じた女優たちも会心の演技。
子どもと母親の関係性、現代の子どもたちの生き辛さを、痛いほどに生々しく描き出した問題作だ。


「goo 映画」こちらから

トラックバック 告白 - goo 映画


映画を見終わって数日後。
図書館に予約してあった原作小説も届いた。
映画観たばかりだったので、あっという間に読んでしまった。ほとんど、原作と展開は同じ。
原作自体も映像が思い浮かびやすい作品であることから、お互いに違和感はあまりないのでは、と思う。

まず、松たかこの表情を殺した、無骨な演技に注目。
母親の面と教育者の面。
両面を内に秘めながら。
しかし、母親としての悲しみが深く、犯人である生徒を追いつめてゆく。
未成年者による凶悪犯罪がテーマのこの作品。
その、デリケートさを非常にうまく表現していたように感じる。
「ここからが、あなたの本当の意味での再生です。なーんてね。」
原作には無かったこの「なーんてね。」
ここに、教育者だが、娘を殺された母親。
この微妙な位置をうまく表した台詞のように感じられた。
本当につらい思いをしてみないと、他人の痛みがわからない。
誰しもが自分本位で、自分ないしは家族の事しか考えていない。
空虚な時代です・・・。

とにもかくにも、胸の詰まる思いの映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

シーサイドモーテル

2010-08-08 20:27:08 | 映画(さ行)
「萌え萌え フォーリン・ラブ」


【STORY】(goo映画様より引用させていただきました。)
海もないのに“シーサイド”と名付けられた、山奥のひなびたモーテル。
そこに偶然集まった、一癖も二癖もある11人の男女。運命の一夜は急展開、複雑に絡まり合う4つの密室。
朝を迎えるとき、彼らに一体なにが起きるのか?そして、最後に微笑むのは…?

海もないのに“シーサイド”と名付けられた山奥の小さなモーテルを舞台に、偶然集まった11人の男女が繰り広げる運命の一夜。
始めはバラバラに展開されるストーリーが次第に絡まり合っていく。
監督は本作が2作目となる守屋健太郎。注目の撮影機材“レッドワン”を使用した映像美、
その映像と一体化した音楽、濃いキャラクターに合わせた衣装や各部屋の細部にまでこだわった装飾など、まさにエンターテインメントな世界が広がる。(作品資料より)


「goo 映画」こちらから

トラックバック シーサイドモーテル - goo 映画


「パルプ・フィクション」のように複数の物語が絡み合い。
観ていて心地よい展開。
それぞれの物語が繋がってゆく楽しさ。
それだけでも、観る価値ありと思う。
作り方が洒落ているので、見飽きない。
コメディー要素もたっぷりなので、疲れない。
楽しめる作品です。

中でも、軸になる物語の生田斗真と麻生久美子のしがないセールスマンとコールガールの物語。
こんな駆け引きの強い恋愛って経験無い。
麻生久美子は相変わらす、変幻自在女優の存在感たっぷり。
雰囲気はいつもの通りなのに、違ったキャラになる。
そんな彼女は、相変わらず「すごい」。


とにもかくにも、展開の面白さを楽しむ映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。

マイ・ブラザー

2010-08-07 21:40:42 | 映画(ま行)
「生きのびる為に。その手には、何が握られていたのか。」


【STORY】(goo映画様より引用させていただきました。)

海兵隊員のサムは、よき夫でよき父。厄介者の弟トミーが出所するのと入れ替わりに、妻のグレースと二人の娘を残し、アフガニスタンに出征する。
しばらくしてグレースのもとにサムの訃報が届く。悲しみに沈むグレースたちを慰めたのはトミーだった。
彼は兄嫁や姪たちを支える中で次第に更生していくが、ある日、死んだはずのサムが別人のようになって生還する……。

スザンネ・ビア監督によるデンマーク映画『ある愛の風景』を、トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマンらのスター競演でリメイクした人間ドラマ。
戦場での“ある秘密”を抱えた帰還兵士とその妻、そして鼻つまみ者の弟を中心に、家族の崩壊と再生を描いている。
過酷な捕虜体験のために心が壊れた兄・サムを、トビー・マグワイアが鬼気迫る表情で熱演。
妻の不貞をしつこく疑い、しまいには拳銃を取り出してしまうキレぶりが圧巻だ。
監督は『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』など、家族の在り方を描くことに定評のあるジム・シェリダン。
戦争がもたらす心の傷と、それを家族の絆が癒すことが出来るのかを問う珠玉の感動作だ。

「goo 映画」こちらから

トラックバック マイ・ブラザー - goo 映画

トビー・マグワイアの演技の迫真さは、言われていた通りのものだった。
しかし、それ以上に気になったのは、彼の娘を演じた少女の演技。
出征が決まった時の悲しい表情。
戻ってきた時のうれしい表情。
父親の様子がおかしいと気がついたときの嫌悪な表情。
いずれもすばらしい。

後の大女優を期待させる。

戦争により壊れてゆく人格。
それに伴って崩れてゆく家族。
戦闘シーンを大きく取ってあるわけでは無いが、反戦へのメッセージが伝わる。
最近、こういった手法を用いた反戦映画、多くあるように思う。

昔の戦争は、国家と国家の戦いであった。
戦力的に大きく差があるわけではない。
しかし、今の戦争は対テロ組織。
国家とは大きく戦力さを持つと思う。
そうなると、テロ組織はいかなる手を使っても勝とうとする。
勝利の為には手段を選ばない。
昔と比べても非情になっているのかもしれない。
過去の戦争を知らない者の勝手な物言いかもかもしれないが、恐ろしい時代である。

とにもかくにも、壊れゆく人格と家族の映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。