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墨映画(BOKUEIGA)

映画を墨彩画とコメントで紹介する。
映画好き・絵好き・書道好きなどなど。好きなこと寄せ集めのブログ。

ストロベリーナイト

2013-02-22 13:49:36 | 映画(さ行)
「愚直」

テレビシリーズも誉田哲也氏の原作小説も大好きなこの作品。
原作小説「インビジブルレイン」の映画化。

インビジブルレイン。
日本語にすると深雨、といった感じだろうか。
全編を通して雨の中でのシーン。
心の深い闇の部分を象徴するが如く。実際に、監督のそんな意図があるようだ。
シリーズを通して語られているものが人の心の二面性だと思っている。
シリーズ中での犯人。
そして、主人公の姫川玲子もまた然り。警察という正義。
これが表の部分であるとするならば彼女の語りたくない強姦されたという過去。そこから犯人を殺してやりたいくらい憎んでいる裏の部分。
この表裏に色付されるものが当時、彼女を強姦事件から立ち直るきっかけとなった担当の女刑事の殉職。
姫川班の後輩刑事の殉職。

ダークサイドを抱えながらの彼女、表は正義が強い。
上司からの命令でも納得いかない事には従わないスタンス。愚直と呼ぶにふさわしい。

しかし、同じ心の闇を持つ男。牧田勲との出会い。
刑事と暴力団幹部。ここもまた、表と裏。
そんなお互いの立場の違いがあるものの、闇の部分が引き合うのか…。

事件としてはそんなに難解ではないが、こういった人の心の表裏。
これがこの作品の魅力ではないだろうか。

強姦事件の折、姫川玲子の頭の怪我から流れ出た血。
それが、彼女の目に入り月夜を赤く染める。
闇を忘れないために血の色である赤のカバンを持つ。
暗い映画の中、映える赤。
映画ならではのエピソードの負荷もなかなか一味添えた感じであった。

とにもかくにも、続編「ブルーマーダー」も映画化して欲しい映画に出会ってしまった。

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